業種選びと、自分だけの事業アイディアの見つけ方/事業計画を立てる
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業種選びのポイントは、自分がずっと興味を持って楽しく働けるか
個人事業をはじめるにせよ、会社を設立するにせよ、独立開業するにあたって真っ先に決めなければならないのが、業種選び=「何を売るのか?」です。例えば、コンビニエンスストアを筆頭に衣料、食料品、雑貨などのモノを売る小売業、カフェやレストラン、バーなどの飲食業、語学スクールや家事代行、引っ越しや修理業などのサービス業、Web制作やソフトウェア開発などのIT関連業などのほかにも、近年注目を集めているリサイクルショップなどの環境関連業、介護サービスや鍼灸院などの医療福祉業など、世の中にはたくさんの業種があります。そこで業種選びのポイントをいくつか挙げてみます。
「興味を持ち、楽しんで仕事ができるか?」
「自分が経験、習得してきた知識・技術をいかせるか?」
「現在の人気だけでなく、今後も成長が見込める業種か?」
基本的には、経験のある業種のほうが開業はしやすいですが、未経験業種でもフランチャイズチェーンに加盟したり、経験者のもとで修行を積むなどの方法も。これまで培ってきた他業種のノウハウをいかすことで斬新なアイディアを生み出せるかも知れません。やはり大事なのは、「その業種に興味があるかどうか?」なのです。
事業アイディアは、日常の中にたくさん隠れている!?
やりたい業種=「何を売るか?」が決まったら、次に必要なのは事業アイディア=「どう売るか?」です。規模の小さい事業ほど、当たり前の商品、当たり前のサービスを扱うだけでは、顧客にアピールはできませんし、事業の成長も厳しいでしょう。でも、難しく考えることはありません。既存の商品やサービスが「もっとこうだったら便利なのに」だったり、「こんなやり方でアピールすれば、もっと魅力的に映るのに」という日常的なプラスワンも、立派な事業アイディアになります。たとえば「女性が一人でも入れるうどん屋さんがあったらいいのに」というひらめきから、カジュアルなうどん屋さんをつくって成功しているお店もあります。ある程度のやり方が決まっているフランチャイズでの独立開業でも、商品に店員からのおすすめが書かれたポップを添えるなど、ちょっとしたことでも売り上げには大きく影響していきます。視野を広く持ち、日常にあるたくさんのアイディアを事業に盛り込んでいきましょう。
これから市場に起きる変化を予想して事業アイディアに
「視野を広く」と言ってもなかなか難しいかもしれませんが、新しい事業アイディアを考える方法はたくさんあります。現在、流行っている商品やサービスが、今後どう変化していくかを予想するのも有効な手段です。例えば、社会のグローバル化に対応して英会話スクールが流行しましたが、忙しい会社員がスクールにマメに足を運ぶのは難しい。インターネットが普及し、スマートフォンやタブレット端末を使って手軽に映像付きの通話ができる世の中になれば、それを利用したマンツーマンの授業が自宅や職場でも行えるようになる……といった発想が可能になります。また、今流行しているモノやコトの過去を振り返ることでも、新しい発想が浮かぶかもしれません。自分の興味あることの時代や社会の変化を辿ることで、新しいアイディアも湧きやすくなるでしょう。
事業的&個人的キーワードを事業アイディアに昇華
事業アイディアのプラスワンは、事業的、社会的な側面と個人的な側面を考えていくことで、より生まれやすくなります。いくつかのキーワードを挙げるので、アイディアの元にしてみましょう。その際には一方向からだけでなく、複数のキーワードを組み合わせることを意識すると、アイディアに昇華しやすいはず。さらに事業的なアイディアと個人の感性を結びつければ、より新しい発想が生まれることでしょう。
ビジネス的視点
・異業種・異業態の合体……異なる業種や業務形態を組み合わせる。実店舗がデリバリーサービスを行なうなど。
・業務の一部を分離……事業を行なう業務プロセスの一部を分離・分割して拡大。代理業、アウトソーシングビジネスなど。
・リプロデュース……流行の終わった商品やサービスの価値を再生・復活させる。古い商品を希少価値としてマニア向けに販売する、古民家をリフォームして販売するなど。
・価値の転用……商品やサービスの本来の使い道以外で、新しい価値観を生む。食品サンプルをアクセサリーやインテリア用品にするなど。
・インポート&エクスポート……今ここにないものを、他から持ってくる。国内にない商品、サービスを海外から輸入する、地方の特産を違う地方に持っていくなど。
個人的視点
・不便を解消……自分がこれまで経験した不便さを解消、解決する。既存商品、サービスの改良。
・感動を提供……これまでの経験で感動したことをビジネスにする。ウェディングサービスなど。
・趣味を仕事化……自分の趣味や嗜好を事業に転化。コレクター向けビジネス、趣味性の高いインストラクターなど。
・スキルを転用……自分が培ってきた経験やスキルをいかす。同業種より、別業種への転用が効果的。
・個人的資産を活用……自分が今持っているものをビジネスに活用。コレクションの販売や貸し出しなど。