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2020/4/6
インタビュー

定年退職するつもりが57歳で早期退職! 37年間勤めた会社を辞めて、鶏笑の加盟店オーナーに転身した理由とは?

現在、全国に約150店舗を展開しているからあげ専門チェーン「鶏笑」。その「渋沢店」のオーナーである栗山 光信(くりやま みつのぶ)さんが独立・開業したのは、定年間近の57歳のとき。それまで大手総合電機メーカーのグループ会社に37年間勤めていた栗山さんが、なぜ脱サラして独立・開業という道を選んだのか?そして、なぜ「鶏笑」を選んだのか?独立に至る思いや経緯、現在の生活について率直に語っていただきました。

独立・開業を意識したきっかけは「定年後の人生設計」を考えたこと。「体が動くうちに新しいことを始めたほうが良いのでは?」と思った。

栗山オーナーメイン

──栗山さんは57歳のときに「鶏笑」渋沢店を開業されています。それまでに飲食業の経験はお持ちだったのでしょうか?

栗山:いえ、ありませんでした。経験と言えるほどではないですが、高校生のときに喫茶店でアルバイトをしていたことくらいですね(笑)。それまでは、19歳で就職した大手メーカーのグループ会社に37年間勤めていました。

──具体的には、サラリーマンとしてどんな仕事をされていたんですか?

栗山:長年勤めていましたから、色々な仕事を経験しました。入社直後に担当したのは、工場の生産管理です。親会社との折衝を担当する「工場の窓口」として、工場全体の生産スケジュールを管理する仕事を任されていました。それから、法人向けの営業も長年経験しました。扱う製品は時期によって変わりましたが、主にコンピューターの周辺機器を販売していました。退職前は営業企画という立場で、営業の戦略を考えたり、展示会に出展して自社の商品をPRしたり、営業をサポートする仕事をしていました。

──37年間その会社一筋だったわけですが、定年まで勤め上げるつもりはなかったのでしょうか?

栗山:もちろん、勤め上げるつもりでした。なんの疑いもなく、「定年までいるもの」だと思っていましたよ(笑)。

──そう考えていたにもかかわらず、脱サラして独立・開業したのはなぜでしょうか?会社を辞めた理由を教えてください。

栗山:定年まであと5年に迫った55歳のときに、「定年後の人生設計」を考え始めたんです。60歳で定年になった後、少なくとも10年は働く必要があるだろうと。定年後も再雇用制度を使って65歳まで会社に残る選択肢もありましたが、給与は3分の1に減ってしまうし、65歳から新しいことを始めるのは厳しいだろうと考えました。だったら、「体が動くうちに、早めに新しいことに挑戦したほうが良いのでは?」と思ったんです。ちょうど子供たちも大学を卒業し、親としての役目も一応終わったところだったので、今後の自分の人生を考えて退職・独立を意識するようになりました。

──なるほど、定年を前にして考え方が変わったわけですね。それまでは独立を意識したことはなかったのでしょうか?

栗山:実家が自動車の板金塗装業をしていたので「家業」のイメージは持っていました。「いつかは自分でやってみたい」という思いも心の片隅にはあったかもしれませんが、明確に意識したことはなかったですね。会社が好きで、何よりも「生活の安定」を最優先に考えていましたから。

──「独立したい」と伝えたときのご家族の反応はどうでしたか?

栗山:妻からは猛反対にあいました…(笑)。妻の人生設計では、私が定年まで勤め上げた後は、2人で旅行に出かけるとか、のんびりとした悠々自適な老後を過ごそうとイメージしていたようです。説得するのは大変でしたが、私の考えをしっかりと伝えて「とりあえず10年やらせてほしい」とお願いし、なんとか納得してもらいました。というより、「強引に押し切った」という表現のほうが正確ですね(笑)。

手に職がない自分でも独立・開業できる方法として目をつけたフランチャイズ。「自分の意見も反映できる」という理由で「鶏笑」を選んだ。

栗山さんインタビュー

──独立を意識してから、準備はどのように進めたのでしょうか?

栗山:まずは、「何をやるか」を考えるところから始めました。ただ、これまでの自分のキャリアを振り返ってみて、特に手に職があるわけではなかったので、その「何をやるか」がなかなか思いつきませんでした。すぐに感じたのは、自分でイチから考えて、事業を起こすのは難しいということ。それで、目をつけたのが「フランチャイズ」でした。 仕組みが整っているフランチャイズなら、自分でも独立・開業できるかなと。

──では、検討を始めた当初から、「フランチャイズ」が前提にあったんですね。

栗山:そうですね。もう少し若ければ、職業訓練校や専門学校に通って新しい技術や知識を学ぶという道もあったかもしれませんが、自分にはそこまで余裕がありませんでした。それで、フランチャイズという手法を借りようと思ったんです。まずはインターネットでリサーチしたり、フランチャイズショーのような展示会に行ったりして、さまざまなフランチャイズ本部の情報を集めました。同時並行で、独立に必要な知識を得るために、自治体が主催する無料の独立支援セミナーなどにも積極的に参加しましたね。

──フランチャイズ本部を選ぶときは、どんなポイントを重視しましたか?業種はどのように絞り込んでいったのでしょうか?

栗山:第一にこだわったのは「ビジネスとして成立するか」ということです。具体的に言うと、収支の部分。月々の費用はできるだけ抑えたいという思いがあったのでロイヤリティの金額は厳しくチェックしましたし、当然売上がないと事業は成立しませんから、ビジネス自体の将来性・優位性も重視しました。
一方、業種はこだわらず幅広く見ました。検討を始めてから半年で20社ほど説明会に行きましたが、飲食、コンビニ、リペア、リラクゼーション、不動産仲介など業種はバラバラでした。ただ、ずっと営業を中心に人と関わる仕事をしてきたので、やはり「人と接する業種」に興味を持つことが多かったですね。その中で、こちらの条件に合うと感じて面談まで進んだのは4〜5社だったと思います。

──最終的に「鶏笑」への加盟を決めた理由はなんだったのでしょうか?

栗山:一番の理由は月々の負担が少なかったこと。もちろん、事業の将来性にも魅力を感じました。それから、一般のフランチャイズパッケージと違って(※)「自分の考えも反映できる」ことも大きかったですね。「鶏笑」では基本メニュー以外にも本部が用意している追加メニューがあって、その中から自分でラインナップを選ぶことができますし、価格設定も本部と相談のうえ調整することが可能です。制約が厳しいフランチャイズ本部だと、せっかく独立してもサラリーマンと変わらないような気がして、「鶏笑」くらい柔軟なほうが自分の性格に合っていると思ったんです。

※編注:マイナビ独立 開業形態分類においては、商材支援(商材、起業・事業支援)にあたる

──栗山さんが重視されていた収支の部分については、説明会や面談を通じてご納得されたのでしょうか?

栗山:説明会や面談で懸念点を何度も確認し、十分な説明を受けました。それでも、不安が100パーセントなくなったかと言うと、そうではありません。初めて自分で事業をやるわけですから、いくらシミュレーションしても不安がなくなることはなかったですね。最後は「やってみないとわからない」という気持ちで、踏ん切りをつけました(笑)。

──「鶏笑」への加盟を決めたのは、いつ頃ですか?

栗山:加盟の意思を固めたのは、独立を考え始めてから半年後、実際に開業する1年半前です。早い段階から決めてはいたものの、すぐに会社を辞めるわけにはいかなかったので、しばらくはサラリーマンを続けました。加盟契約を結んだのは、開業する半年ほど前。先行して研修を受けるために、在職中のまま契約を結び、会社に勤めながら時間を見つけて研修に通いました。本来は、14日間泊まり込みで研修を受けなくてはいけなかったのですが、本部がこちらの事情を汲んで特別に許可してくれたんです。こうして本部が柔軟に対応してくれたのは、ありがたかったですね。それから3カ月後に会社を退職。本格的な開業準備に入ろうとした矢先に、良い物件が見つかって、開業まではトントン拍子に進みました。

──栗山さんがオープンした「鶏笑」渋沢店は、小田急小田原線の渋沢駅前にあります。この場所を選んだ理由を教えてください。

栗山:神奈川県小田原市に自宅があるので、土地勘がある地域ということで神奈川県西部に絞って物件を探していました。本部から提案される物件にも目を通しながら、自分でも地元の不動産会社数社に声をかけて情報を集めていたんです。そのうちの1社から紹介されたのが今の物件でした。駅から徒歩1分という立地。しかも、焼き鳥屋さんの居抜きで内装やレイアウトは、ほぼ自分のイメージ通り。食器などの備品もそのまま使える。それが、破格の値段で引き継げるということだったので、すぐに契約を決めました。

──居抜きをそのまま引き継いだということは、改装工事はしていないんですか?

栗山:いえ、テイクアウトにも対応できるように入り口付近の配置を一部改装しました。それから、看板の取り替えなどの外装工事は行う必要がありました。それでも、本部が紹介してくれた業者と地元の業者で相見積もりを取ることで、適正価格で工事を依頼することができましたし、何よりも大きな工事を行う必要がなかったので、初期費用はだいぶ抑えることができました。この物件が見つかったのは、本当にラッキーだったと思っています。

──開業資金については、自己資金でまかなったのでしょうか?

栗山:会社を早期退職する際に支給されたセカンドキャリア支援金ですべてまかないました。それまで、独立・開業に向けて資金を蓄える余裕もなかったので、地元の信金や政策金融公庫に相談に行って借り入れの準備もしていたのですが、物件決定から開業までの時間が短くて融資を受ける暇もなかったんです(笑)。

独立・開業してから毎日刺激があって楽しくてしょうがない。妻とずっと一緒にいられるのも嬉しい!

菅沢さん仕事風景

──「鶏笑」渋沢店がオープンしたのは2017年1月です。栗山さんが独立・開業されてから3年が過ぎましたが、これまでの経営状況を振り返ってどのような印象でしょうか?

栗山:オープン当初は作るのに時間がかかってしまいお客様を待たせることも多く、座席の回転率も思うように上げることができませんでした。料理のクオリティに関しても、今にして思えば完璧なものが提供できていたかというと、決してそうではなかったかもしれません。それでも、誠意を持って料理とサービスを提供してきた結果、今では少しずつ地域にお店の存在が浸透し、テイクアウトやイートイン(店内での飲食)の固定客が増えてきました。
開業するときにミニマム、スタンダード、マックスという3段階の収支計画を作りましたが、安定してスタンダードの前後を推移している感じです。ある意味では計画通りというか、「我ながら地道にやっているなあ」という印象ですね。ちなみに、マックスの計画ではすでに複数店舗出店している予定でした。さすがに、そこまではうまくはいきませんね(笑)。

──サラリーマン時代の経験が、独立・開業後の仕事に活きていると感じることはありますか?

栗山:お客様に対する考え方は、今も昔も変わりません。営業時代に身につけた「お客様第一主義」の考え方が、「お客様への気遣い」や「誠意を持って対応する姿勢」に表れていると思います。それ以外にも、業者との交渉も慣れたものですし、店内に貼るPOPの作成にはデスクワークで培ったパソコンのスキルが活かせていると思います。

──以前と比べて、今の生活はいかがですか?どのように変わりましたか?

栗山:180度変わったと言っても良いくらい大きく変わりました。お店が生活の中心になり、仕事もプライベートもすべて一緒で、明確な区切りがなくなりました。「もっと時間がほしい」と思うくらい忙しくなりましたが、毎日変化があって楽しくてしょうがないですね。今日はこんなお客様が来てくださった。こんなありがたい言葉をいただけた。売上がこれくらいあった。日々起こるすべてのことが刺激的で、一喜一憂している感じです。充実感は以前よりも格段に大きくなりました。
それから妻がお店を手伝ってくれているので、いつも一緒にいられるのも嬉しいですね。妻は嫌がっていますが…(笑)。

──独立に反対されていた奥様も、今はお手伝いをされているんですね?

栗山:そうですね。最初は反対していましたが、オープン後は全面的に協力してくれています。今では、妻がいないとお店が回らないくらい助けてもらっています。本当にありがたいですね。

──栗山さんが独立・開業された目的は、「定年後も長く働くために、早いうちから準備をしておく」というものでした。その判断は正しかったと感じていますか?

栗山:お店の経営も安定していますし、この3年で事業主としてある程度の経験も積むことができました。ここまではほぼ狙い通りに進んでいますから、早めに決断して良かったと思っています。このまま身体が健康であれば、目標としていた10年は頑張れそうです。

──最後に、今後の目標を教えてください。

栗山:店舗を任せられる人材を育て、2店舗、3店舗と拡大していきたいと思っています。そのために、近いうちに法人化するつもりです。会社組織にすることで人材を採用しやすい環境を整え、正社員を雇って育てていきたいと考えています。自分自身、5年後、10年後にまた新しいことに挑戦するのか、リタイヤするのかはわかりませんが、安心して次のステップに進めるように、事業運営を任せられる人材を育てることが当面の目標ですね。

栗山光信さんのフランチャイズ独立ストーリーまとめ

  • 定年まで会社勤めをするつもりだったが、55歳のときに脱サラを決意。「定年後の人生設計」を考えたことがきっかけだった。
  • 当初からフランチャイズでの独立・開業を検討。自分の意見を反映できる点に惹かれて「鶏笑」を選んだ。
  • 独立・開業してから以前よりも忙しくなったが、毎日刺激があって楽しい。早期退職を選んで正解だった。

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鶏笑 渋沢店オーナー 栗山 光信(くりやま みつのぶ)

19歳で大手総合電機メーカーのグループ会社に就職。以降、37年間にわたって生産管理や法人営業、営業企画などさまざまな仕事に従事する。57歳のときに早期退職し、2017年1月に「鶏笑 渋沢店」のオーナーとして独立・開業。プライベートではリトルリーグ神奈川連盟の役員を務める
※取材時点の情報です

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