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公開日:2024/3/28
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美容室のフランチャイズ経営|メリット・デメリットや本部の選び方など詳しく解説

美容室を開業したい場合、選択肢の一つとして挙げられるのがフランチャイズ経営です。ブランドイメージが重視され、プロフェッショナルな施術が求められる美容業界において、知名度の高い美容室のブランド力やノウハウを活かして開業することには多くのメリットがあります。

この記事では、美容室のフランチャイズ経営のメリット・デメリットや成功の秘訣、開業までの具体的なステップなど、経営者として知っておきたい情報をお伝えします。フランチャイズでの美容室の開業を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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美容室のフランチャイズ経営とは

美容室のフランチャイズ経営とは、フランチャイズ事業を行っている企業(本部)に対して加盟金やロイヤリティを支払うことで、サロン名やビジネスモデル、経営ノウハウなどを用いる権利を得て事業を展開する経営形態です。個人で開業する場合とは異なり、すでに確立されたブランド力と運営システムなどを基盤にして美容室を開業することができます。

なお、美容室の開業にあたっては、自分自身の美容師免許は必須ではありません。あくまで経営に専念するオーナーとして開業したいのであれば、自らは店舗運営のみをすることも可能です。 その際、実際に施術を担当する美容師として資格取得者を、また、複数人以上の美容師を雇う場合は管理美容師資格者を雇う必要があります。

美容室のフランチャイズ経営の特徴は

美容室のフランチャイズ経営は、フランチャイズ加盟店として本部からさまざまなバックアップを受けられる点が特徴です。開業前の物件探しから行政手続き、店舗の宣伝、スタッフの採用、薬剤の仕入れなどに関するサポートが期待できます。そのため、美容業界の経験が浅くても、一から美容室を開業するよりは経営を軌道に乗せやすいと言えるでしょう。
一方で、本部のブランドイメージを守るため、本部が定める基準や方針に従う必要があります。フランチャイズ経営の場合、安定したサービスの提供と収益確保がしやすい反面、運営における一定の制約があることはよく理解しておきましょう。

美容室のフランチャイズ経営を失敗しないためのポイント

美容室のフランチャイズ経営においても、一から美容室を開業する場合と同じように、緻密な事業計画と適切な資金管理が重要です。ここでは、フランチャイズ経営の失敗を避けるためのポイントについて説明します。

事業計画を立てる

本部の後ろ盾があるフランチャイズ経営であっても、経営者自身が主体的に事業計画を立てることが大切です。事業計画には売上目標や利益の見通しはもちろん、提供するサービスのラインナップやマーケティング戦略なども含まれます。フランチャイズ本部のサポートは最大限に活かしつつも、お客様に愛される美容室にするためのビジョンを自ら描けるかどうかが成功を左右するでしょう。

運転資金を十分に準備する

美容室のフランチャイズ経営を続けていくには、店舗の家賃や人件費、設備投資などにかかる運転資金が必要です。また、本部へ支払うロイヤリティもあらかじめ考慮しておかなければなりません。店舗の規模や集客の見込みから、どの程度の資金が必要か算出したうえで十分な資金を確保することが重要です。

フランチャイズと個人開業・のれん分けとの違い

美容室を経営するには、フランチャイズだけでなく、個人での開業やのれん分けといった選択肢もあります。それぞれの特徴を理解し、自分自身が掲げる美容室のビジョンに合った方法を選びましょう。

個人でサロン開業する場合との違い

個人で美容室を開業する場合、店舗のコンセプトやお客様のターゲティング、メニューのラインナップ、価格帯など、すべての決定権を経営者自身が担うことになります。経営に関する自由度が高く、成功すれば大きな利益を得られる可能性があります。一方で、美容業界での経験やノウハウが不足していると、失敗するリスクも高いことを理解しておきましょう。

のれん分けとの違い

のれん分けは、ある美容室に在籍していた従業員が、その美容室のブランド名やノウハウを用いて独立する方法です。フランチャイズの場合、これまで本部と関わりがなかったとしても契約を結べば開業できますが、のれん分けの場合は過去にその美容室で働いていた経験があることが条件になります。

フランチャイズ経営と同様に、のれん分けは既存の美容室が持つブランド力を活かして集客できるため、比較的スムーズに軌道に乗せることが可能です。また、フランチャイズに比べると、経営方針やマーケティング戦略などの制約は少なく、店舗の個性を発揮しやすい傾向はありますが、既存の美容室からロイヤリティの支払いや条件に沿った経営が求められる可能性があるという点で、一定の制約はあるでしょう。

美容室をフランチャイズ経営するメリット

美容室のフランチャイズ経営には、本部のサポートやコスト削減、安定した集客基盤の構築など、フランチャイズならではのさまざまなメリットがあります。ここで解説するメリットを最大限に活かし、店舗の成長につなげましょう。

経営支援を受けられる

フランチャイズ本部は加盟店に対して、経営に関する幅広いサポートを提供してくれます。具体的には、店舗運営のノウハウやマーケティング戦略の共有、人材採用・育成に関する支援、バックオフィス業務システムの提供などが挙げられます。これらのサポートは、業界未経験者や経営初心者にとってはメリットであると言えるでしょう。

美容業界未経験でも開業できる

美容業界に憧れはあるものの、美容師免許を持っておらず実務経験がないという人でも美容室のオーナーになれるのが、フランチャイズ経営の大きなメリットです。前述の通り、フランチャイズ本部による経営に関する幅広いサポートが受けられるのはもちろん、サービスメニューも自分で一から考案する必要はありません。美容師免許や実務経験がなくても、お客様に満足してもらえる良質なサービスを提供することができます。

多店舗展開をしやすい

フランチャイズ経営の場合、独自で開業するよりも、本部のサポートを活かした多店舗展開がしやすいというメリットがあります。すでにフランチャイズ本部の体系化されたノウハウがあるため、オーナーとして店舗を増やす際も一からマニュアルなどを整備する必要がないためです。

多店舗展開によって売上をスケールアップさせることができれば、当然オーナーが受け取る収入も増えます。高収入を得たいと考えるオーナーにとって、フランチャイズ経営は最適な選択でしょう。

必要経費をおさえられる

美容室では、ヘアカラーやパーマ、トリートメントなどの材料を仕入れる必要があります。フランチャイズ経営の場合、本部が材料の仕入れを一括して行うケースが一般的です。大量発注によって個人経営に比べコストダウンするため、必要経費を抑えることができます。

広告費用に関しても、フランチャイズチェーン全体の宣伝力に頼ることができるため、コストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。必要な経費をおさえられる分、自店舗の資金を人材確保やサービスの質向上など別の取り組みに充てることが可能です。

集客と採用がしやすい

フランチャイズ経営の大きなメリットとして、本部のブランド力やマーケティング力により、集客と採用のハードルを下げられる点が挙げられるでしょう。全国に店舗を構える大規模なフランチャイズ企業であれば、その知名度と信頼性によってお客様や求職者を集めやすくなります。

また、スタッフの育成を行うにあたっても、本部が提供する研修制度を利用できる場合があります。自店舗で一から教育方針や研修プログラムを策定する労力を省きながら、スタッフの技術力や接客力の向上を図ることができます。スタッフ育成の取り組みは、顧客満足度の向上やリピーター獲得にも繋がるため大切です。

経理や総務を代行してくれる場合もある

フランチャイズ経営の場合、総務や経理などのバックオフィス業務を本部が代行してくれるケースがあります。こうした場合、経営者は日々の事務作業に追われずに、店舗経営に注力することができます。

また、経理や会計については専門的な知識が必要であるため、本部に委託することで正確かつ効率的な処理が可能になります。バックオフィス業務に関する知識や経験が不足している場合、こうしたサポートを受けられるのは大きな助けとなるでしょう。

最新情報を得やすい

美容業界は変化が激しく、新しい技術やトレンドが続々と登場します。フランチャイズ本部は美容商材のディーラーやメーカー各社との幅広いネットワークがあり、最新の美容製品や技術に関する情報を多く保有しています。フランチャイズに加盟することで、それらの最新情報をいち早く入手できる点はメリットと言えるでしょう。

もちろん経営者が自ら積極的に情報収集することも大切ですが、忙しい業務の合間を縫って情報収集の時間を捻出するのが難しいこともあるかもしれません。そのような場合には、フランチャイズ本部から提供してもらえる最新のトレンド情報が役立つでしょう。

美容室のフランチャイズ経営で気をつけたいデメリット

前述の通り美容室のフランチャイズ経営には多くのメリットがありますが、同時に注意すべきデメリットも存在します。成功への道を確実なものにするには、デメリットも理解することが重要です。

ロイヤリティを支払う必要がある

そもそもフランチャイズ本部からさまざまなサポートを受けられる対価として、売上の一部をロイヤリティとして本部に支払う必要がある点はフランチャイズ経営のデメリットと言えるかもしれません。

ロイヤリティの支払い方式は、主に「売上歩合方式」と「定額方式」の2つです。売上歩合方式では、売上の一定割合をロイヤリティとして支払い、定額方式では売上の金額にかかわらず毎月一定額を支払います。いずれの方式を選択する場合も、毎月一定の金額が支出として発生することを想定し、資金繰りを行う必要があります。

客層や求人について裁量が小さいことがある

美容室のフランチャイズ経営では、ブランドイメージや経営方針に基づき、本部が集客戦略や採用条件を決定するケースがあります。そのため、独自にターゲットを絞った施策を打ったり、欲しいスキルを持った人材を採用したりすることが難しい状況も想定されます。

例えば、高級志向のターゲットに向けたサービスを提供したいと考えても、価格競争を重視するフランチャイズ本部の方針に合わせなければならない場面もあるでしょう。また、採用についても本部の定めた条件や報酬体系に従う必要があり、自店舗のニーズに完全に合致する人材を採用できないこともあるかもしれません。フランチャイズ店舗の経営者として独立するにあたっては、自分自身が望む経営スタイルと本部の意向がどの程度マッチしているかは必ず確認しておきましょう。

営業時間や料金などを自由に設定できないことがある

フランチャイズ本部は、店舗運営の効率化を目的として、加盟店の営業時間や料金、サービス内容などを規定することが一般的です。こうした条件下では、店舗ごとの地域性や顧客のニーズに応じた柔軟な調整は難しい場合があり、規定に違反した場合は違約金を支払う義務が生じることもあります。

フランチャイズ契約を締結する際は、本部の規定を十分に理解し、自店舗の運営においてデメリットとなり得ないか検討することが重要です。

美容室をフランチャイズ経営するために必要な費用

美容室のフランチャイズ経営には、どんな費用が必要になるかをあらかじめ理解し、準備しておくことが大切です。ここでは「開業資金」と「運転コスト」にわけて解説します。

開業資金

美容室の開業資金でもっとも大きな割合を占めるのは、物件の取得費用や外装・内装工事にかかる費用です。金額は、物件の立地や規模、内装・外装デザインのコンセプトによって大きく変動します。また、物件の取得費用には、家賃の前払いや保証金(敷金)、礼金、仲介手数料などが含まれるのが一般的です。そのため、立地や物件によっては、初期費用全体で数百万から数千万円かかるケースもあります。

その他、美容室にはカット専用の椅子やシャンプー台、施術に必要な電気機器など設備の購入も不可欠です。これらの設備は美容室のサービス品質はもちろん、顧客満足度にも大きく影響するため、単純にコストを抑えればよいというものではありません。むしろ店舗ごとの個性やこだわりがもっとも反映される部分と言えます。ただし、フランチャイズ本部との契約内容によっては、一部の設備や備品を本部が提供してくれるケースもあるため、契約前に条件を確認しておきましょう。

運転コスト

美容室の開業後、継続的にかかる運転コストとしては、店舗の家賃や水道・光熱費、消耗品費、人件費、インターネット使用料金、広告掲載費などがあります。

スタッフを雇用する場合は、特に人件費の確保が重要になります。雇用する人数や一人あたりの報酬額によって具体的な金額は変動しますが、支払いが滞らないように十分な予算を想定しておく必要があるでしょう。フランチャイズ本部の方針によっては、スタッフの研修費用がかかるケースもあります。

また、フランチャイズ経営ならではのコストとして、本部に支払うロイヤリティも想定しなければなりません。前述の通り、フランチャイズ本部に支払うロイヤリティには、売上に基づいて支払う「売上歩合方式」と、毎月一定額を支払う「定額方式」の2つの形式があります。本部がどちらの方式を採用しているかによって売上高への影響が異なるため、契約前にロイヤリティの金額や支払い方式について十分に理解し、事業計画に反映させましょう。

フランチャイズの美容室を開業するまでの流れ

美容室の開業をスムーズに進めるには、開業の手順を理解し、それぞれの段階で準備を着実に進めることが大切です。フランチャイズの美容室を開業するまでの一連の流れを詳しく解説します。

説明会に参加する

美容室のフランチャイズ事業を行う企業は多く存在します。まずフランチャイズ経営を検討する第一歩として、企業が開催する説明会に参加してみましょう。企業説明会は、フランチャイズ本部の支援体制や契約条件、フランチャイズ店舗の成功事例などを直接聞ける絶好の機会です。

同時に、自分自身の思い描くビジョンや理想に合ったフランチャイズ経営を行えるかを判断する重要な場でもあります。フランチャイズ本部に対する疑問や懸念点はこの段階でクリアにし、契約内容についても細かく確認しましょう。

説明会に参加してみよう

契約する

自分自身のビジョンに合う企業が見つかったら、次はフランチャイズ契約に進みます。契約内容には、ロイヤリティの支払いを含む加盟条件や運営における制約など、重要な項目が多く含まれます。契約書は必ず細部まで確認し、必要であれば弁護士など専門家へアドバイスを求めましょう。

店舗物件を決定する

契約が完了したら、開業準備に取り掛かりましょう。まずは店舗の物件を決定します。フランチャイズ本部の指針を確認したうえで、立地や規模などの条件に見合う物件を選びます。物件の決定後は、内装や外装の工事に着手するのが一般的な流れです。

美容室にとって店舗デザインは非常に重要です。フランチャイズ本部の掲げるブランドイメージを意識しながら、お客様が快適に過ごせる空間をつくることが求められます。本部のサポートを活用し、理想の美容室をつくり上げましょう。

研修を受ける

フランチャイズ本部は、美容室経営に必要な知識や技術を習得するためのプロセスとして、加盟店の経営者に対するビジネス研修やスタッフのオペレーション研修などを実施しています。こうした研修を受講することで、効果的な経営ノウハウやフランチャイズ加盟店に求められるサービスの品質について理解を深められます。

保健所への美容所開設届ほか、各種届出を出す

美容室を開業するには、厚生労働省令に基づき、美容所開設届や関係書類を、店舗所在地を管轄する保健所へ届出する必要があります。提出書類には、美容室の住所や構造設備、従業員の氏名などの情報を記載します。書類は所轄の保健所で入手可能ですが、自治体によって書式が異なる等ありますので、余裕を持って、予め保健所に相談しておくとスムーズです。書類提出後は、保健所が店舗に立入検査を行い、営業許可を判断します。
また、忘れてはいけないのが消防署への届け出です。開業テナント状況や収容可能人数、工事内容によって必要な対応が異なりますので、こちらも予め所轄の消防署に相談しておくと良いでしょう。

そして、保健所からの営業許可が下りると、いよいよ美容室として運営を開始できるようになります。その際は、所轄の税務署へ開業届も忘れずに。開業届の提出期限は、原則として開業後1か月以内となっているため、美容室を開店する目途が立ったら早めに対応しましょう。

※参考:東京都保健医療局「美容所の開設に関する基準等について」
※参考:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」

スタッフを採用する

スタッフの採用は、美容室のサービス品質を左右する重要な仕事です。十分な技術力を持つスタッフを採用し、本部の方針に沿った教育を行いながらチームワークを高めていきましょう。

なお、美容師を複数人雇う場合は、管理美容師資格者を最低1人置くことが美容師法により義務付けられています。管理美容師資格とは、美容師として3年以上の業務実績を持ち、公益財団法人理容師美容師試験研修センターが開催する講習会を修了した人に与えられる資格です。

※参考:厚生労働省「美容師法概要」
※参考:公益財団法人理容師美容師試験研修センター「講習会について」

集客を行う

店舗の集客については、もちろんフランチャイズ本部のサポートも受けられますが、経営者自らもさまざまな施策に取り組む必要があります。例えばチラシ作成やSNS運用、割引キャンペーンの実施、リピーター向けのプロモーションなどを行うことで、店舗の認知度を高めながらお客様を増やしていきましょう。

まとめ

美容室をフランチャイズで開業するには、本部との連携が成功のカギとなります。本部の持つブランド力を最大限に活用しつつ、お客様に選ばれる丁寧な接客と施術を心がければ、競争の激しい美容業界での地位も確立できるでしょう。

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