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ミニストップのケンキュウ記事vol.01
体験レポート
ミニストップのオーナー研修を体験!不器用すぎる34歳が本気でソフトクリームを作ってみた

ミニストップと言えば、デザートや揚げものをはじめとした豊富なメニューと広いイートインスペースが特徴的。コンビニとファストフードが融合した「コンボストア」として、業界内でも独特の存在感を放っています。ミニストップを経営するためには、何を学ぶ必要があるのか……。予備知識ほぼゼロの真っさらな状態で、ライター・多田が「オーナー研修」の一部を体験してきました!

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トレーニングセンターで過ごす1週間は、現場に出るための大切な期間

開講式

今回お邪魔したのは、千葉市稲毛区にある「稲毛トレーニングセンター」。実際の店舗のようにレジや厨房スペースを設け、実践形式で業務を学べる場所です。もちろん私、ここを訪れるのは初めて。普段は開業を控えた人々が真剣な面持ちで学んでいる空間に、心なしか張り詰めた空気を感じ、緊張を隠せません。

引きつり気味の表情の私を出迎えてくれたのは、トレーナーとして多数のオーナーを送り出してきたという前田綾子(まえだ・りょうこ)さんです。弾けるような笑顔が印象的で、めちゃくちゃ優しそう。よかった……。研修体験は、トレーニング全体のガイダンスを兼ねた「開講式」からスタートしました。

「研修の目的は、オーナーさまが『スタッフの見本となれる』『自信を持って行動できる』ようになることです。トレーニングセンターではミニストップの経営ビジョンや接客・販売の基礎、身だしなみ管理、衛生管理、調理技術などを学んでいただきます」

オーナー研修の期間は約5週間。トレーニングセンターで過ごすのは「第1段階」である最初の1週間で、接客や調理のスキルを確認する「判定試験」も行われます。これに合格した人は直営店で実際の業務を体験する「第2段階」へ。見極めと判定を受けて次のステップへ進むのは、運転免許を取るために通う自動車学校に似ている気がしました。基礎が備わっていなければ路上へは出られないのです。判定試験は大きな関門ですが、これを乗り越えれば自信が付きそうですね。5週間のカリキュラムはきっちりと策定されていて、分厚いテキストも用意されています。これも、実際に開業してからの強い味方になってくれそう。

長くお付き合いをしたいから、あいさつは「前向きな現在形の言葉」で

レジ研修

開講式を終えると、いよいよ研修がスタート。まずはレジに入り、マニュアルに沿って接客や会計の流れを教わります。過去にコンビニやスーパーでアルバイトをしたことがあり、社会人になってからは法人営業に従事していたこともある私にとっては、何ら恐れることのないプログラム。34年間の人生経験を搾り出すように営業スマイルを振りまき、「ありがとうございました!」と元気にあいさつします。しかし……。

「多田さん、マニュアルをよく見てくださいね。ミニストップでは『ありがとうございました』という過去形は使わないんです。正しくは『ありがとうございます! またおこしくださいませ』。お客さまと今後も長くお付き合いをしたいという思いから、前向きな現在形の言葉を使うんですよ」

なるほど! 確かに考えてみれば、目の前にいるお客さまに過去形の言葉であいさつするのはおかしな気がするな……。そういえば自分は普段からクライアント宛のメールに、思い出話をするかのように過去形ばかり使っているぞ。今まさにお付き合いをしているところなんだから、これは改めたほうがいいのかも……。

などと深く納得しながら、レジの使い方をどんどん教わっていきます。ディスプレイやキーはとても見やすく、すんなりと扱うことができました。ありがとうございます、前田さん。

「◯◯グラム以上、◯◯グラム以内」というプレッシャー

ソフトクリーム研修

「次は厨房スペースに移動して、ミニストップの看板商品であるソフトクリームを作ってみましょう!」

おお、とうとう恐れていたプログラムが。何を隠そう私、自他ともに認める「不器用な男」なのです。少年時代はプラモデル作りに挑戦しては投げ出し、大人になり一児の父となってからも、子どものおもちゃを修理するつもりが逆に完全に壊してしまうという有様。人の話を聞いたり文章を書いたりするのは割と得意なのですが、手先を器用に動かさなければいけない仕事は大の苦手です。ソフトクリーム作りは100パーセント自分に向いていない。

ブツブツと弱音を吐く私を明るく励ましながら、まずは前田さんがお手本を見せてくれました。専用マシンの「ソフトクリームフリーザー」は、足元のフットベダルを押すことで、ミックスされた原料が出てくるという仕組み。コーンを手に持ち、絶妙な位置で待ち構えます。必要な分量は「3回転半」。熟練の動きで完成させた前田さんは、そのままソフトクリームをはかりの上へ。ここでは数字は明かせませんが、「◯◯グラム以上、◯◯グラム以内」という規格もマニュアルで定められているのです。

手だけではなく、足の動きも連動させなければいけないのか! 難易度は高まるばかりだと思いつつ、とにもかくにも挑戦してみます。難しそうだけど、ソフトクリームをさくっと作れたらかっこいいじゃないか。コーンを構え、手の震えを抑えながら思い切ってペダルを踏むと……。マニュアルを大きく超えるビッグサイズのソフトクリームになってしまいました。分量もさることながら、見本のようにきれいな形に仕上げるのも大変です。

「最初はなかなか思い通りにいきませんが、練習を重ねることでマニュアル通りのきれいなソフトクリームを作れるようになりますよ。多田さんは人並み以上に練習が必要かもしれませんね(笑) トレーニングセンターにいる間は、毎日これをじっくり続けるんです」

その後もしつこく挑戦させてもらった私。4回目で、何とか規格内の重さに収めることができました。しかし形はまだまだ、お客さまに提供できるようなレベルではありません。ミニストップの店舗でさくっとこれを作っているオーナーさんやスタッフさんは、本当にすごい。

※練習で作ったソフトクリームは、すべてスタッフがおいしくいただきました。

オーナーさまの利益を真剣に考え、ちょっと意地悪なフィードバックも

前田さん

直営店店長やストアアドバイザー(SV職)としてキャリアを重ね、第一線で現場を見続けてきた前田さん。ミニストップの店舗作りに深い思い入れを持つからこそ、お客さまに不利益を与えてしまうことがないよう、真剣に指導してくれます。同時に今回の研修体験では、オーナーにとっての利益も同じ目線で考えてくれているのだと感じました。

「先ほどのソフトクリーム作りでは、分量がマニュアル通りにできているかどうかを厳しくチェックしました。少なすぎるのはお客さまをガッカリさせてしまうからダメ。一方で規定より多いソフトクリームを提供していたら、オーナーさまが負担する材料経費はどんどん膨れ上がってしまいます。『この失敗で◯◯円損してしまいましたね』といった、ちょっと意地悪なフィードバックもしているんです」

「研修を受講される方のほとんどは、ミニストップはもちろんコンビニ自体が未経験という方ばかり。多田さんのようにソフトクリームをうまく作れなかったり、デザート作りで肝心の材料を間違えてしまったりと、最初は皆さん失敗を繰り返します。ここはあくまでも研修の場なので、『どれだけ失敗を経験できるか』が大切。どんな人でも卒業できるように指導していますので、安心して飛び込んできてください」

今回は短い時間での研修体験でしたが、それでも学びは濃密でした。トレーニングセンターで失敗を繰り返し、その経験を糧に実際の店舗業務にチャレンジする。そんな風に過ごす5週間が、「スタッフの見本となれる」「自信を持って行動できる」オーナーへと育て上げてくれるのでしょう。でも前田さん、今日は「自分は本気で不器用なんだな」ということも痛感したのですが、こんな私でも本当に研修を卒業できるのでしょうか……?

「大丈夫です! できるようになるまで帰しませんから(笑)」

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ライター多田

この記事の担当ライター:多田慎介
フリーランス・ライター。1983年、石川県金沢市生まれ。大学中退後に求人広告代理店へアルバイト入社し、転職サイトなどを扱う法人営業や営業マネジャーを経験。編集プロダクション勤務を経て2015年よりフリー。働き方やキャリア形成、採用コンテンツ、マーケティング手法などをテーマに取材・執筆を重ねている。
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