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セブン-イレブンのケンキュウ記事vol.01
実態調査
24時間営業だから休めない!?業界トップのセブン-イレブンに直撃!コンビニ経営のメリット・デメリットとは?

コンビニ経営は厳しい…そんな噂を耳にする一方、コンビニの出店数は毎年増え続け、2016年には5万店を超えました。実際のところ、コンビニ経営にはどんなメリットがあるのか。デメリットもあるはずなのに、なぜコンビニのフランチャイズ加盟は増えているのか。そんな疑問について、セブン-イレブン・ジャパン リクルート本部 加盟店オーナー募集の伊藤マネージャーにお話を聞いてきました。

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売上の見込みやすいビジネスであることは、間違いない

伊藤マネージャー

──年々コンビニの店舗数は増えています。つまりコンビニを経営する人が増えているということですが、コンビニ経営のメリットについて、伊藤さんはどのようにお考えですか?

伊藤:まず前提としてお伝えしたいのは、「コンビニ経営のメリット」と言っても、オーナーさん全員が同じ価値観を持っているわけではない、ということです。転勤がないことにメリットを感じている方もいれば、「満員電車で通勤しなくて済むから」という理由で応募してきた方もいます。叶えたいことが10あるとして、そのうち5つ解消されればOKという方もいますし、絶対に実現したいことが1つ叶えば、あとのデメリットは気にならないという方もいます。
メリット・デメリットの感じ方は人それぞれですが、一般的には「景気に左右されにくい」ということが、コンビニビジネスの強みだと言われています。コンビニが扱っているのは消耗品です。日常生活に根付いた3,000品目もの商品が置かれています。仮に景気が落ち込んだとしても、生活に必要な消耗品は最後まで節約の対象にはなりません。しかも、当社の来店客調査では、セブン-イレブンを利用しているお客様の58%が、週2回以上セブン-イレブンを利用しているというデータがあります。今やコンビニに行くことが、多くの人にとって習慣化しているんですね。そういった意味でも、コンビニは景気の変化に強く、安定した売上を見込みやすいビジネスだと言えると思います。

──とは言え、商材の力だけで経営が成り立つほど甘い世界ではないですよね?

伊藤:もちろん、生活必需品を扱っているからといって簡単に儲かるわけではありません。お客様に選ばれるためには、接客や立地に合わせた品揃えが重要です。しかもお客様のニーズは、時代や環境の変化に伴って変わっていきます。どのような接客が好まれるのか。今、その地域ではどんな商品が求められているのか。そうした店舗経営に必要なノウハウやデータに関しては、私たちコンビニ本部の人間がしっかりとアドバイスをして、経営のお手伝いをします。当社も含めて大手コンビニ各社は、マーケットの分析を徹底してやっていますし、サポートも充実しています。効率よく経営するための仕組みが整っている。これも、コンビニビジネスのメリットの1つだと思います。

「時間の使い方を自分で決められること」が、デメリットにもメリットにもなる

セブン-イレブン

──売上が見込みやすく、本部のサポートも充実しているというメリットは理解しました。しかし、今後コンビニ同士でマーケットを食い合うような状況にはならないのでしょうか?

伊藤:店舗数が増えると同時に、業界全体の売上も増えています。つまりマーケットが拡大しているんですね。具体的な例で言うと、1日60万円の売上をあげているコンビニがあるとします。その近くにもう1店舗新しいコンビニがオープンするとどうなるか。普通に考えれば、新しい店舗が1日30万円を売り上げれば、既存店舗の売上は30万円になる。そう考えると思いますが、実際には新しい店舗が40万円を売り上げても、既存店舗の売上は5万円程度しか減らないことのほうが多いんです。店舗数が増えることで既存の商圏を食い合うのではなく、より大きな商圏をつくった上で競い合う。そういう状況になるわけです。もちろん、その商圏の中でより多くのシェアを獲得するためには、先ほどお話したように接客や品揃え、お店の雰囲気など、他店と差別化を図る努力は必要ですが、まだまだ「既存のマーケットを食い合う」という状況は考えられません。年々マーケットが拡大しているということは、潜在需要があるということですし、コンビニが期待されている証拠だと思っています。

──今までのところ、コンビニ経営はメリットばかりのように思えます(笑) 中には当然うまくいかないこともあると思いますが、それはどういうケースでしょうか?

伊藤:人に任せることができないと、経営はうまくいきません。よくコンビニ経営の不安要素としてあげられるのが、「年中無休」「24時間営業」ということです。当然、1~2人では対応できないので通常は15~20人のスタッフでシフトを組んでお店を回すのですが、心配性だったり、スタッフとの関係づくりが不得意だったり、なかなか人に任せられないオーナーさんがいます。時間をどう使うか、店舗をどう運営するかはオーナーさんの裁量次第ですが、自分でやるというタイプの方は、自ら「24時間拘束」という状態にしてしまうことがあります。すると経営に集中できず、長い目で見ると売上が思うように続かない。そんな状況になってしまいます。
逆に私が長くお付き合いしているオーナーさんの中には、3店舗経営しながら、かなり自由に過ごしている方もいます。先日お電話したときは、スケジュール帳も持たずに釣りに出かけていました(笑) 「時間の使い方を自分で決められる」という事実は一緒でも、デメリットとして影響してしまう方もいれば、メリットになる方もいるわけです。やはり、性格面での向き・不向きはありますので、当社では何度か面談を重ね、適性を見極めた上でフランチャイズ加盟をお断りすることもあります。

経営者はオーナーさん。本部が加盟店にノルマを押し付けることはできない

伊藤マネージャー

──コンビニ経営と言えば、よく言われるのが「ロイヤリティ」の問題です。「高すぎる」と揶揄され、儲けにくいという話もありますが、実際のところはどうなのでしょうか?

伊藤:確かにコンビニフランチャイズのロイヤリティが高いのは、その通りだと思います。しかし、最初にもお話しましたが、コンビニは安定した売上を見込めるビジネスです。当社は業界トップの日販(1日の売上高)を誇っていますが、その金額は平均65万円程度です。ロイヤリティの分母となる売上が高ければ、利益はついてきます。ロイヤリティという「率」だけでなく、最終的にいくら利益が出るかという「額」の部分を見ることが大切だと思います。また、一定の売上を10年、20年と継続してあげられるのか、という視点も重要です。ロイヤリティを通じて当社が得た利益は、商品開発や販促へと積極的に還元しています。コンビニ経営を検討される際には、ロイヤリティの数字だけでなく、ぜひ本部の取り組みや支援体制にも目を向けてほしいですね。

──「契約期間の長さ」も、コンビニ経営のデメリットとして話題になりやすいポイントです。御社は業界でも一番長い契約期間となっていますが、これについてはどうお考えですか?

伊藤:これもデメリットと感じるか、メリットと感じるかは人それぞれなんですね。当社の契約期間は15年ですが、これを「15年間、他のことができない」と感じる人もいれば、「15年間、仕事が保証される」と捉える人もいます。当社の場合、年配のオーナーさんが多いのですが、「人生の後半で、長く収益の源となる仕事を持てる」とメリットを感じ、ご加盟いただく方がほとんどです。契約期間が長いということは、「その期間、継続して利益を出すことができる」という本部の自信の現れとも言うことができます。

──最後に、本部とフランチャイズ加盟店の関係について教えてください。「本部からムリなノルマを押し付けられる」なんてことは、実際にあるのでしょうか?

伊藤:本部が加盟店の各店舗にノルマを設定することはありません。当社では、店舗ごとに店舗経営相談員が付いて経営のアドバイスを行っていますが、最終的にどんな商品を仕入れるのか、その決定権はオーナーさんにあります。本部側に強制権はありません。もちろん、店舗経営相談員がオーナーさんと相談して目標を設定することはありますが、それは決してペナルティを伴うようなものではなく、モチベーションを高めるための指標として置くものです。設定した目標に対して、どのように取り組むのかもオーナーさん次第です。中には、アルバイトやパートのスタッフに目標を伝えないというオーナーさんもいます。
現在、セブン-イレブンは国内に1万9,000店舗以上ありますが、それぞれ経営スタイルには個性があります。「コンビニ経営のメリット・デメリット」に関してもオーナーさんの数だけ考え方があると思いますよ。

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chino

この記事の担当ライター:chino
ライター、Webディレクター、デザイナー。大手の求人媒体社を渡り歩き、長年にわたって求人広告の制作・ライティングや、サイトの企画・ディレクションに従事。マイナビ独立にはサイト立ち上げから携わる。
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