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スペシャルインタビュー

株式会社京進 代表取締役社長 福澤一彦――「想い」のある本部を選ぶ『トップの肖像』

1975年に学習塾を創業し、40年以上にわたり教育に深く関わってきた「京進」。1991年に個別指導「京進スクール・ワン」の直営を開始し、2004年にフランチャイズ展開がスタート。責任者としてフランチャイズ事業をゼロから構築した福澤社長に、フランチャイズ事業を立ち上げるうえで大切にしたこと、また、教育への想いについて語っていただきました。(※役職は取材時点のものです)

フランチャイズで一番大切なのは加盟店オーナーの成功。独自の教育法と手厚いサポートで挑戦を応援します

フランチャイズで一番大切なのは
加盟店オーナーの成功。
独自の教育法と手厚いサポートで
挑戦を応援します。

個別指導塾がまだ少なかったころ、スピード感をもって全国展開できるフランチャイズ事業はやりがいがある仕事だと思った。

個別指導塾がまだ少なかったころ、スピード感をもって全国展開できるフランチャイズ事業はやりがいがある仕事だと思った

――福澤社長は新卒で入社した新聞社を半年で退職し、その後長く教育業界に携われています。教育業界へ飛び込まれたきっかけは何だったのでしょうか?

学生時代に家庭教師をやっていたこともありますが、高校の教員をしていた父の影響が大きかったのだと思います。ただ、当時は反面教師で学校教育の現場にあまり興味を持っていませんでした。そこで、同じ教育でも塾はどうだろうと考えたのがきっかけです。また、新しいことをするのが好きなものですから、まだまだ発展途上だった学習塾業界で働きはじめたのです。

――2003年2月に京進へ入社されていますが、どのような経緯があったのでしょうか?

前職、前々職と教育業界の教材開発やフランチャイズ事業に携わってきました。テキストを一から作成したり、コンピューター学習を取り入れたりと、新しいコンテンツや教室づくりを手掛けてきたんです。教育業界で働いて30年近くが経ち、会社勤めは辞めて自分で何かをしようかなと考え始めた頃に、コンサルタントとして独立していた前の職場の上司に、会わせたい人がいると紹介されたのが当時の社長だった立木(現会長)でした。

――京進のどんなところに魅力を感じて、転職されたのですか?

立木に会って話を聞いてみると、個別指導「京進スクール・ワン」を全国に展開するため、フランチャイズ事業を新規で立ち上げたいから、任せられる人間を探しているということでした。今でこそ、個別指導は当たり前になっていますが、当時はちょうど伸びてきている時で、全国的に展開しているところはあまりなかった。そこに、立木はビジネスチャンスを感じたのだと思います。しかし、自社だけで全国展開するには資金の問題があり、また、新しいビジネスを始めるにはスピード感も重要です。その点、フランチャイズ展開にすれば他の資本を活用しながら、スピード感をもって進められます。これまで、学習塾のフランチャイズ事業に携わってきた私は、「これはおもしろそうだ」と感じ、新規事業企画室長として入社しました。

目標を“見える化”し主体的に学習を促すオリジナル学習法「リーチングメソッド」を構築。これからの時代、自分で勝ち取る力を身に付ける教育が大事。

目標を“見える化”し主体的に学習を促すオリジナル学習法「リーチングメソッド」を構築。これからの時代、自分で勝ち取る力を身に付ける教育が大事

――個別指導「京進スクール・ワン」のフランチャイズ事業を立ち上げるにあたり、どのような戦略を練られたのでしょうか。

まず、重要なのは他社との差別化です。学習塾のフランチャイズに加盟するなら、「これがあるから、京進にしよう」と検討者が思えるものがなくてはいけません。そこで、まず大切にしようと思ったのは、生徒の学力向上のために教室環境を整えること。例えば、集中力アップ効果を狙って学習机一つ一つにイオンコートを貼ってみたり、他にも色彩の効果を取り入れてはどうかと試してみたり。試行錯誤を繰り返した結果、清潔感、ゆったりとした学習ブースなど、生徒が勉強に集中できるよう内装にもこだわった現在の教室にたどりつきました。教室環境に加え、「交流分析」を活用した講師から生徒への声掛けも大切にしています。

――環境を整えるために、いろいろと試されたのですね。生徒への声掛けについて、京進ならではの特徴はなんでしょうか。

講師と生徒はさまざまなコミュニケーションをとりますよね。そして、その声掛けひとつで、生徒のやる気や学習意欲が大きく変わってきます。講師が日々のやりとりの中で、生徒が何を思っているかを察知し、どう返すか、そういった積み重ねが重要なんです。例えば、生徒が望む応答をすることを「相補的交流」 と言い、安心感や満足感を与えることができる。一方で、わざと望んではいない応答をし、より深く生徒に考えさせ成長につなげることを「交差的交流」と言います。 このような「交流分析」を用いたコミュニケーション技術の習熟を始め、様々な教室長に向けた研修を行い、教室現場で教室長が講師ひとりひとりへの指導を徹底し、生徒への声かけ一つにしても京進流の講師・生徒対応ができるようにしています。

――生徒のやる気を引き出す仕組みがあるのですね。学習面についてはいかがでしょうか?

最も大きな特徴としては、オリジナル学習法「リーチングメソッド」が挙げられます。リーチングとは、一言で言えば「成功学」なのですが、それに脳科学的な考え方を取り入れた、当社オリジナルのリーチングが差別化の柱といえます。私が最初にリーチングと出会ったのは、立木から紹介された一冊の本でした。そこで、「これは、子ども向けにつくれるのではないか?」と感じ、主催していた研究所へ連絡したのが始まりです。

――企業向け、つまりは大人向けだったリーチングを、どのように子ども向けへと応用されたのでしょうか。

成功した人の行動プロセスを分析し、ツール化したのがリーチングです。それを子ども向けに最適化しました。例えば、子どもたちにとって、一番大きな目標は「将来なにになりたいか」です。その目標を実現するためにどうすればいいか、リーチングを活用して具体的な目標設定を行います。しかし、子どもに目標設定を行いなさいと指導するのはとても難しい。そこで開発したのが「ドリームツリー」です。自分がそうなりたいと強くイメージすることで、無意識のうちに身体が目標に向かって動き出す「観念行動」というものがあります。ドリームツリーは、その観念行動を喚起するためのシートで、自身の過去を振り返る質問項目や、自己分析、将来になりたいことなどを書く欄があり、すべての項目を埋めると自分が将来「こうありたいと考える姿」に気づくことができます。そのシートをもとに具体的に目標を設定し、学習行動に移していきます。

――自分の目標を“見える化”することで、そのための行動を促す効果があるのですね。

将来の夢やテストでいい点をとりたいなど、目標はいくつあってもいいんです。本当にやりたいことがあれば、生活態度から変わっていきます。ドリームツリーを書くことで、子どもは自分の夢を発見します。ここで重要になるのが、「夢=実現可能な目標」であること。その夢を実現するために、どうすればいいかを考える。すると、学習する意味が生まれ、主体的に学ぶようになっていくので、結果的に学力が上がるんです。そして、このプロセスを通じて、夢に向かって努力を継続する心の強さも養われます。

――一方で、教育理念の中で「学力と人間性の向上」を掲げられていますが、学習塾で人間性の向上をはかる理由を教えてください。

「学習塾は学力向上だけでなく、人間形成の場でもある。」これが、京進の基本理念です。テストなどの点数で測ることができる学力を「見える学力」。一方、あいさつや感謝の心といった社会性や、自ら計画を立てて実行し、振り返ることができる力を「見えない学力」としています。その「見えない学力」を育むことで、「見える学力」を大きく伸ばすことが出来る。だから、学力だけでなく人間性を向上させられるよう指導を行っています。

――勉強を教えることだけが、学習塾の役割ではないと?

もちろんです。1000匹の魚を与えるよりも、1匹の魚の捕り方を教える。これが、本来の教育だと考えています。これからの時代に必要なのは与える教育ではなく、見えない学力、つまり自分で勝ち取る力を身に付ける教育が大事なのではないでしょうか。

オーナーは大切な仲間だから成功して欲しい。だからこそ、時には厳しいアドバイスも自ら行う。

オーナーは大切な仲間だから成功して欲しい。だからこそ、時には厳しいアドバイスも自ら行う

――学習塾のフランチャイズ加盟独立希望者にとって、どのような教育を行っているかという視点はひとつの選定基準になりそうですね。見方のポイントなどはありますか?

やはり、子どもたちのことを本気で考えた教育をしているかどうか、それが教育理念や方針に表れているかが大切だと思います。それを見極めるためにも、本部の方針がどういった経緯で、どう変化してきたかも見て欲しいポイント。時代の変化を見ながらやってきたかどうかが分かると思います。教育の本質は変わらないけど、カリキュラムやツールなどは変化しますからね。

――少子化が問題になっていますが、その一方で塾や習い事にかける費用は上がっています。学習塾フランチャイズビジネスの今後について、どうお考えですか?

教育にお金をかける時代です。フランチャイズビジネスにも大きなチャンスがあることは間違いありません。ただし、淘汰される時代でもあり、残念ながら潰れるところ、吸収されるところもあるでしょう。塾同士がしのぎを削る時代。ですが、私はいいことだと思っています。本当にいい塾だけが残っていく。だからこそ、教育理念や教育方針に共感してくれているフランチャイズオーナーの存在は大きく、京進スクール・ワンを一緒に広めていってくれる仲間だと私は思っています。

――オーナーはビジネスパートナーというだけではなく、京進を広めるという同じ夢を抱く“仲間”なんですね。

そうです。ですから、オーナーには成功してほしい。最終面談は必ず私がすると決めており、いろいろな話をさせてもらいます。時にはご家族のことや、加盟後の具体的な目標、そのためのプロセスにまで踏み込んで厳しくお話しさせていただくことも。京進の加盟がその人のためにならないと思ったらお断りすることもあります。オーナーとしての成功を真剣に考えて、お話しさせていただいています。

――塾の経営となると、教育の経験がないと難しそうなイメージがあります。実際はいかがですか?

教育の経験がない方もたくさん活躍し、成功されています。子どもが嫌いという方でなければ、問題ありません。ただ、忘れてほしくないのが当社の理念への共感です。当社の教育理念に素直に共感いただける方であれば、経験の有無はまったく関係ありません。むしろ、偏った教育観がない方のほうが、塾のフランチャイズはうまくいくものですし、塾の運営については、本部がしっかりとサポートします。

――どういったサポートを整えているのしょうか?

例えば、豊富な実務経験を有したプロで構成されたコンサルタントチームにより、手厚く実際の教室運営をサポートしています。1人のコンサルタントが担当する教室は、他社と比較しても少なくしており、教室への訪問頻度を多く、集客や教室環境のアドバイスなど二人三脚で行っております。

――安心して挑戦できる環境が整っているということですね。では最後に、これから独立・開業しようと考えている方にアドバイスをお願いします。

まず、行動することを大切にしてほしいと思います。一歩踏み出せば、次にどうすればいいかが見えてくるもの。立ち止まったままでは前へは進みません。ゆっくりでもいいから、歩み続けることが大切です。決断は変化の源。決断しない限り、現状から変わることはありません。フランチャイズ加盟も決断のひとつ。自分は何がやりたいのかを考え、そのために必要な行動を起こすことで、望む未来へと近づくことがきっとできると考えています。

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福澤社長の「想い」をまとめると…

  • オリジナル学習法「リーチングメソッド」の活用で、学力と人間性の向上を目指す
  • 京進の教育理念に素直に共感いただける方であれば、経験の有無は関係ない
  • オーナーは京進を広めるという同じ夢を抱く大切な仲間である

優しい笑顔で迎えてくれた福澤社長。長年教育の現場に携わってこられたと聞いていたので、気難しい方だったらどうしようかと構えていた筆者でしたが、とてもにこやかに招き入れてくださりました。同席した社員の方にもフラットに接するなど、フランクな印象を受ける一方、新しいサービスへの取り組みを考える際には、その背景や理論を徹底して調べ尽くすなど、探求心旺盛で理論家な側面も。上場企業であり、50年近い歴史を誇る「京進」を率いる経営者でありつつ、社員やオーナーひとりひとりを大切にする、とても温かく懐の深い方であるという印象を受けました。

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