これまでの経歴やプロフィールをご紹介します。ご確認のうえ、ぜひ体験談をお読みください。
◆トータルリペア TECHIE/山口哲郎さん(48)
2020年7月開業
前職では大手電機メーカーのグループ会社に勤め、ネットワークシステムの営業担当をしていた山口さん。かつては漠然と定年まで働くことを考えていましたが、40代半ばで管理職になってからは「キャリアアップしていきたいという気持ちが萎えてしまった」「仕事よりも家族を優先したいと考えるようになった」と振り返ります。
折しもその頃、会社ではセカンドキャリア支援の一環として、退職金を大幅に上乗せする早期退職制度が使える年齢となり、まとまった資金を得られる状況となった山口さんが目指したのは、自分らしさを大切にして働ける独立の道でした。
当時の年齢 |
40代前半 |
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当時の自己資金 |
101〜300万円 |
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事業スタイル |
無店舗での開業 |
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キーワード |
専門技術を極める 生涯続けられる仕事 |
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次のキャリアを考えていた私に大きな影響を与えたのは、長年にわたり航空整備士として働いた父親。「キャリアを終えるときには技術職を天職だと感じるようになっていた」と話してくれたのです。ずっと営業畑などを歩んできた私は、技術者に憧れを持っていたのかもしれないと感じました。
それからは自分にとっての天職を模索し、ネットで様々なフランチャイズ募集を探しました。個人で開業できる清掃や墓石修復などを検討する中で出会ったのがトータルリペア。数あるフランチャイズの中でも高いレベルの技術が求められそうなところに魅力を感じたのを覚えています。技術職を目指すのなら、他にはない難しい技術を身につけたいと思ったんです。
とはいえ、技術職未経験の私は道具の名前を覚えるのも一苦労。研修ではトレーナーから丁寧に教わり、コロナ禍でもeラーニングでしっかり学ぶことができたのですが、本当の苦労は現場に出てから味わうことになります。初めての現場は先輩オーナーにご紹介いただいた輸入車ディーラー。研修を終えたばかりの身で、いきなり高級車のレザーシートのリペアを任されたのです。緊張の連続でしたが、この現場で大いに鍛えられました。
リペアの仕事では、毎回まったく違う状態の傷を補修していきます。一つひとつ経験を重ねながら技術者としてのスキルを高め、そのうちにお客様から「どこに傷があったか分からない!」と驚かれるようにもなりました。
肝心の売上は、想像以上のペースで伸びていきました。開業3カ月目に売上40万円、6カ月目には100万円を超えたのです。営業活動は本部のアドバイス通り、リストアップ先に定期的に資料を届けて簡単にご挨拶をするだけ。営業出身の私は、話しすぎないように気を付けていたくらいです。
大きく売上を伸ばせたきっかけは、ホテルとカラオケ店を展開するチェーン本部様へアプローチしたこと。各店舗にはソファやテーブルなど、「補修したいけどできていない」状態のニーズがたくさん眠っていました。トータルリペアは1日かからずに補修を完了し、店舗営業に穴を空ける心配もないため、口コミと紹介でどんどん仕事が増えていきました。
その後は学校法人様とも取引が始まり、リペアだけでなく、ドアの塗り替えや設備追加など「提案型の仕事」もどんどん受注しています。トータルリペアではこのように、自分自身でビジネスモデルを考えていける楽しさもあるんです。
私が今、興味を持っているのは、異業種との協業。法人化して人を増やせばその分だけマネジメントの手間が発生しますが、協業やコラボで仕事の幅を広げれば、1人でもさらにパフォーマンスを高めていけます。実際にお掃除系のチェーンさんから声がかかり、協業の仕組みを作っているところ。アイデア次第で自由に商売を広げられる環境を生かして、技術者としての仕事をさらに追求していきたいと思っています。