これまでの経歴やプロフィールをご紹介します。ご確認のうえ、ぜひ体験談をお読みください。
株式会社 Uni Cruise Innovation
代表取締役/北村大輔さん(46)
横浜で20年近くにわたり飲食店を経営する北村さん。2021年には、新たな事業の柱を打ち立てるべく新会社を設立しました。まず取り組んだのは社会貢献性の高い障がい者グループホームの開業。ただ、制度ビジネスを動かしていくのには想定以上の時間が掛かりました。
そんな中、北村さんはもう一つの柱として温浴施設の清掃を手がけるエフエーティシステムに加盟。開業2カ月で大規模案件を獲得し、なんと半日で10万円近くを売り上げるケースもあるといいます。なぜ北村さんはこのビジネスに注目したのか、「経営者の勘所」を聞きました。
当時の年齢 |
40代後半 |
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当時の自己資金 |
〜100万円 |
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事業スタイル |
会社経営 |
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キーワード |
ニッチなビジネス 研修で不安解消 |
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新たな事業を探す上で、継続性を高めるために重視していたことが2つあります。まずは「あまり人がやらない、競合の少ない仕事」であること。そしてもう1つは「効率よく大規模に営業できるBtoBの事業」であることです。この視点で『マイナビ独立』などを見ていくと選択肢が狭まり、温浴施設の清掃という珍しいビジネスにたどり着きました。
開業時には私ともう1人のスタッフで2名体制を組みました。スーパー銭湯やSPA、ゴルフ場、旅館、ホテルなど、温浴施設を持つさまざまな場所へ訪問・電話・DMで営業。実際に動いてみると温浴施設の清掃を専門とする競合はほとんどいないことが分かり、狙い通りだったと感じましたね。
異業種から挑戦して戸惑ったのは清掃で使う薬剤の種類の多さです。一口に温浴施設の清掃といっても、汚れの状態や温泉の成分などによって最適な薬剤が変わるんですよ。時には現場で判断に悩むことも。そんなときは本部に画像を送り、アドバイスをもらって施工していきます。開業時には本部の担当者が営業にも同行してくれて、汚れに合わせた清掃デモを見せてくれました。こうしたサポートのおかげで少しずつ経験を蓄積していくことができました。
このように専門性の高い仕事であり、適切に対応すれば頑固な汚れも落とせるのが面白いところ。結果がはっきりと目に見えるので、お客様の満足度はとても高いと感じています。
開業2カ月目には3件の契約をいただき、半日で10万円近くを売り上げる大規模案件も受注できました。この初速は想定以上。結果を出せばリピートしていただけるケースも多く、現在では定期清掃契約も増えています。
振り返ってみれば、私自身「凝り性」であることがこの事業に向いていたのかもしれません。もともと私は店舗や自宅の掃除を始めると、徹底的にきれいにしたくなるタイプなんです。だから汚れやカビの落とし方に興味を持って学び続け、今では温浴施設を見れば清掃手順をシミュレーションできるほどになりました。適当なところで妥協せず、常に100点を目指してこだわり続けられる人にはとてもマッチする商売だと思いますよ。
現在目指しているのは定期契約の案件をどんどん増やしていくこと。その先には、大がかりな清掃や定期メンテナンスに加えて、温浴施設の日常清掃も任せてもらえるようになりたいと考えています。「温浴施設のワンストップサービス」を実現することが一つの目標なんです。最近では、浴室の安全性を高めたいと考えている介護施設にも営業して、顧客層の拡大に向け動いています。
さらに言えば、お客様の課題は浴槽や洗い場だけにとどまりません。温浴施設内の食事コーナーや休憩コーナーなどにもメンテナンスの課題があります。将来的にはリフォームの知識を持った仲間を加えて、こうしたニーズにも応えられるようになっていきたいですね。