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人気開業エリア分析
「競合店は大切な仲間」。注目のインテリア雑貨の街・馬喰町が成功した理由

江戸時代から問屋街として栄える馬喰町エリアには、いまも300以上の繊維・衣料系の問屋や専門店、製造業者が集まっており、アパレル関係者が足しげく通う街となっている。だが近年、馬喰町はおしゃれなインテリア・雑貨店が集まるエリアとしても人気を高めつつあるのだ。いったい、なぜ歴史ある問屋街にインテリア・雑貨店が集まっているのか? 激戦区の人気店に取材をし、その秘密を探った。

繊維の問屋街、馬喰町エリアがインテリア雑貨の街に

商圏データ「マケプラ」によると現在、総武快速線 馬喰町駅から0.5km圏内には、デザイナーズ家具を製造する「マルニ木工」の店舗や、セレクト家具店「INOUT」、日本各地の職人による雑貨を取り扱う「アムコ カルチャー&ジャーニー」など、8店のインテリア店と9店舗の日用品・輸入雑貨屋が集積している。

2011年に下北沢から店舗を移転した雑貨店「JAMCOVER」に話を聞いたところ、メインの客層としては30代以上の比較的年齢層が高い人々に親しまれているという。「お店の雰囲気的には女性を意識していますが、近辺には数多くのギャラリーがあり、展示を見たついでに立ち寄る男性一人客の姿も多く見られますね。また、年齢層が幅広いため、下北沢から移転する際には、落ち着いた客層を意識した商品ラインナップや内装を心がけました」。

アートスポット「アガタ竹澤ビル」オープンで、街全体に活気が生まれた

馬喰町エリアがおしゃれな街として、雑貨好きのあいだで一躍注目を集めるようになったのは2000年代後半から。その火つけ役となったのが、馬喰町駅から歩いてすぐに位置する「アガタ竹澤ビル」だ。

以前は、オフィスビルとして利用されていたこのビルは、2000年代中盤からオーナーの「アートで街を盛り上げたい」という意向によって、それぞれの部屋をリノベーションし、ギャラリーや雑貨店が店舗を構えるようになっていく。現代美術の「TARO NASUギャラリー」、武蔵野美術大学が運営する「gallery αM」、そしてカフェ「馬喰町 ART+EAT」やトレイルランの専門店「ランボーイズランガールズ」が入居しており、さまざまなジャンルの最先端を楽しむことができる。「『アガタ竹澤ビル』という名前を本やインターネットで知り、興味を示したお客さんが来店することも少なくありません」(JAMCOVER)と、アガタ竹澤ビルを目当てに来街し、さまざまな店舗を回遊する客層の姿が浮かび上がってくる。

また、馬喰町は半径0.5km以内に新宿線 馬喰横山駅、浅草線 東日本橋駅、日比谷線 小伝馬町駅などの駅が密集し、交通の便も優れている。商圏データ「マケプラ」によると、馬喰町駅の1日の乗降客数は4万8,800人。それに対し、馬喰横山駅は10万6,029人、東日本橋駅は7万4,630人、小伝馬町駅は3万7,527人が乗降している。これだけの人数が馬喰町エリアを行き交っていれば、新しくオープンした店を見つけてもらえる確立はぐんと高くなるだろう。これは新規参入としては好条件といえる。

意外にも店主たちは、ライバルではなく仲間意識で街を盛り上げる

では、そんなインテリア・雑貨店が競合する馬喰町で、他店との差別化はどのようにして図られているのだろうか? JAMCOVERにそんな質問を投げかけてみたところ、意外な答えがかえってきた。

「もちろん、JAMCOVERならではの雰囲気にあった雑貨のセレクトで他店との差別化は努力しています。ただ、近隣の店舗に対しては、ライバルという意識は薄く、マップを作ったりチラシを置き合うなど、来ていただいたお客さんに周辺のお店を紹介することも多い。近隣で競い合うよりも、協力してお客さんに馬喰町に来ていただいたほうが当店にとってもメリットになります。お客さん側としても、1店舗だけでなくいろいろな店舗があるほうが足を運びやすくなりますよね」

そもそも、JAMCOVERが馬喰町に移転したのも、アガタ竹澤ビルに店舗を持っていた雑貨店が誘ってくれたことがきっかけだった。競合店はお客さんを奪い合うライバルではなく、一緒にお客さんを呼んでくる仲間たち。そんな考え方が、馬喰町エリアをインテリア・雑貨の街として盛り上げていったのだ。

新規参入にはニュースポットと同業者の協力が必須

古い街に新しい世代のコミュニティーが生まれ、新しい業種のお店を開業するには、ライバル店との差別化だけでなく、近隣店との協力によって「街に人を呼びこむ」意識が大事になる。激戦区での開業を考えるのであれば、同業者とのコミュニティーを広げ、業界の動きを察知しておく必要があるようだ。

※データ:商圏データ「マケプラ」調べ(2017年7月現在)

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