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注目の開業立地

「学習塾」は独自カラーが成功への近道。個人開業に向いたエリアの特徴とは

東京の南に位置する町田駅(町田市)。小田急線で新宿まで30分、横浜線で横浜駅まで30分という好アクセスに惹かれ、多くのファミリー層が住むエリアとしての顔も併せ持っている。そんな町田駅周辺は、知られざる「学習塾」の激戦区でもあるのだ。さらに、少子化にもかかわらず、近年は学習塾の数も増えているという。町田と共通項を持ち、ニーズが高まりそうなエリアはどこなのか? 商圏データ「マケプラ」から、注目すべき都内の駅をピックアップしてみよう。

小田急線・JR横浜線 町田駅
ファミリー層が多い街は、43もの学習塾・予備校が集まる激戦区

JR、小田急合わせて1日50万人が乗降する町田駅周辺は、ルミネや小田急百貨店、マルイ、ヨドバシカメラ、ビックカメラなどが出店する繁華街としてにぎわっている。また駅から徒歩圏内には、町田第一小学校、町田第二小学校、町田第一中学校、町田第二中学校があるほか、近隣には玉川学園、日本大学第三中学校、桜美林中学校などがあり、学校がひしめくエリアとなっているのだ。

そんな町田には、「TOMAS」「花まる学習会」「SAPIX」「早稲田アカデミー」「日能研」などなど、43もの学習塾・予備校が林立しており、都内No.1の激戦区! また、商圏データ「マケプラ」で町田に居住する人々を分析してみると、駅から半径2km以内に住む10代の人口は9.2%と小田急沿線の平均7.9%を上回っており、子育て家庭が多い様子がみえてくる。

では、このような町田駅との共通項があり、学習塾のニーズが高いエリアはいったいどこなのだろうか? 都内の類似駅3つを比較しながら紹介する。

【1】京王線・多摩モノレール 高幡不動駅
子育てに向いたエリアはすでに激戦区の兆し。差別化の心がけが必須

京王線と多摩モノレールの2路線が通る高幡不動駅(日野市)。1日の乗降人員は5万8,988人と、町田に比較してぐっと少ないものの、潤徳小学校、三沢中学校などがあり、私立としても帝京大学小学校が立地している。また、高幡不動尊、都立多摩丘陵自然公園などが近隣にあり、都立七生公園もほど近い、緑豊かなエリアとして人気の高幡不動駅には、ファミリー層も数多く居住。「マケプラ」のデータをみてみると、駅から半径2km以内の10代人口は9.9%と町田駅よりも比率が高く、およそ8,500人が生活しているようだ。

子どもの数も多く、学習塾の開業には最適と考えられる高幡不動駅。しかし、駅から半径0.5km以内に「個太郎塾」「個別教室のトライ」「ena」など、すでに11の学習塾が開業しているのが気にかかる……。一般的な学習塾ではなく、あえて他店との差別化を心がける必要があるだろう。

【2】JR南武線 西国立駅
良質な教育を求めて移住する家族が増加?教育需要の高まりに期待大

JR南武線 立川駅の隣にあるのが、西国立駅(立川市)。ベッドタウンとして子育てのために居住しているファミリーも数多く、周辺には、中学、高校も数多い。1日の乗降人数30万人の巨大ターミナル駅である立川駅には、すでに半径0.5㎞以内に32店舗の学習塾が設置されているが、西国立駅にはわずか2店舗と、地元密着型の学習塾にはまだまだ勝機があるだろう。

さらに、文教地区であることも西国立周辺の魅力。西国立駅から車で10分ほどに位置する都立国立高校は、都立高校として国公立大学合格者を多数輩出しており、一橋大学も徒歩圏内。また、立川市は、2022年に全国でも初となる公立小中高一貫校が誕生する予定で、「グローバル人材の育成」を目標としていることから、今後、良質な教育を求め多くのファミリーが移り住むことも考えられる。学習塾ニーズの高まりが期待される注目エリアなのだ。

【3】京王線 武蔵野台駅
乗降人数は少ないが、「教育熱心」な市民性が好機となるか

京王線 武蔵野台駅(府中市)は、主要な調布駅と府中駅との間にある比較的目立たない駅であり、1日の乗降客数も2万4,647人とあまり多くない……。しかし、西武多摩川線 白糸台駅もほど近く、3駅で中央線への乗り換えが可能。アクセスも良好な知られざる利便性の高い駅となっているのだ。

駅の近くには、第六中学校、第九中学校があり、南白糸台小学校、第四小学校などが立地。半径1㎞以内に住む10代の割合は9.5%と、京王沿線平均の7.5%を上回っている。家庭年収も500から700万円が19.3%、700から900万円が17.5%と、比較的裕福な家庭が多く住むエリアなのもポイントだろう。

また、特筆すべきは府中市民の学習意欲の高さ。「平成28年度全国学力・学習状況調査」で、府中市の中学校は、国語、数学それぞれで全国平均と東京都平均を上回るスコアを記録している。現在は半径0.5㎞に学習塾は5店舗。教育熱心な家庭が多い府中には、まだまだ学習塾の需要が高いはずだ。

少子化が進むいま、個人開業は独自カラーで特色のある学習塾を

少子化の影響を最も強く受ける学習塾だが、低学年層の開拓などが功を奏し、市場規模は2012年度の9,380億円に対して、2016年度は9,650億円とプラス傾向で推移している(矢野経済研究所より)。しかし、大手企業が軒を連ねており、新規参入はなかなか難しい業界である。

その一方で、「AO入試の専門塾」「幼児教育に特化した塾」「不登校や発達障害など問題を抱える子どもを積極的に受け入れる塾」など、独自のカラーを持つ学習塾も増加中。とくに、個人や小規模での独立を考えている場合には、ターミナル駅で大手に真っ向から勝負するのではなく、隣接する駅などのローカルを拠点に、他にはない特徴を打ち出した運営が成功への近道となるのではないか。

※データ:商圏データ「マケプラ」調べ(2017年3月現在)

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