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先輩開業インタビュー

ネットショップ経営・Webデザイナー・家事を両立。夢の実現に向けた人生設計とは

誰に指示されるわけでもなくマイペースに、“好きなこと”を仕事にしたい。誰もが憧れながらなかなか叶えられない夢も、ネットショップという形態でなら可能です。2015年1月にオープンした「Ouaf!Chocolat」は、フリーランスの在宅Webデザイナーと家事を両立する黒川優喜さんが経営するネットショップ。自分が大好きな“犬”をモチーフにしたオリジナルデザインのステーショナリーを販売しています。「子育てをしながら自宅で仕事ができるネットショップをいつかやりたい!」という人生設計を基に、WebデザインやIT業のスキルを培うサラリーマン時代を経て、夢を実現した黒川さん。ネットショップ開業までの道のりと現在の課題を聞きました。

子育てと仕事を両立させる、人生設計としてのネットショップ開業

vol2_cont1.jpg ――黒川さんは、今年1月15日にネットショップ「Ouaf!Chocolat」をオープンしましたが、ネットショップを始めようと思ったのはいつ頃からですか?

黒川:大学生ぐらいからですね。自分の人生を想像したとき、結婚して子供を産んだら、子育てをしながら自宅でできる仕事をするのが自分に向いているのではないか、と当時から考えていました。だったら、ネットショップがいいんじゃないかなと思ったんです。それで就職も、将来ネットショップを始めるのに役立つスキルを身につけるために、実家から通える京都のWeb制作会社に入りました。その後、上京してIT企業に就職し、結婚を機に広告関係の会社に転職して。去年その会社も退職し、ネットショップ開業の準備を始めたんです。

――就職、転職もネットショップに向けて計画的に考えていたんですね。

黒川:そうですね、わりと計画人生で(笑)。実際に子供が生まれてからネットショップの開業準備を始めるのでは大変ですから、子供を産みたい時期から逆算して、会社勤めを辞める時期を考えていました。

??開業の準備を始めたきっかけとなった出来事はありますか?

黒川:去年の2月に、京都の実家で飼っていた愛犬のクランチくんが亡くなってしまったんです。そのときに愛犬家仲間のみなさんからたくさんお花をいただいたんですね。そのお返しとして、犬をモチーフとしたオリジナルデザインのタオルハンカチを作ってお渡ししたら、とても喜んでいただけて。もともと、ネットショップを出すなら愛犬家が喜ぶグッズを作って売りたいと考えていたので、その出来事をきっかけに「早く開店したい!」熱がより高まって。それで、去年の夏くらいから本格的に準備をスタートさせました。

――と同時に、フリーランスでWebデザインのお仕事も始められたんですね。

黒川:はい、いきなりネットショップだけで生活するのは大変だと、さすがに気づいていましたから(笑)、自宅にいながら今までの経験を生かしてできる仕事はWebデザインかなと。今年に入ってからは軌道に乗ってきて、ゆっくり仕事させてもらってます。

――ご主人は、会社を辞めてネットショップを始めることについて、どうおっしゃっていましたか?

黒川:結婚前から、「子供を産んだら会社勤めはできないから、ネットショップをやりたい」という話はずっとしていたので、反対はされなかったです。むしろ、「好きなことをやりなよ」と応援してくれましたね。

「ないなら自分が作ってしまおう」。自分が欲しいおしゃれな犬のグッズを一から制作

vol2_cont2.jpg ――ネットショップの中でも、セレクトした商品を扱うお店もありますよね。「Ouaf!Chocolat」はご自身で作られたオリジナル商品のみを扱っていますが、そのコンセプトに決めたのはなぜなのでしょうか?

黒川:街の雑貨店に行くと、猫のグッズはあるけど、犬のグッズがないことが多くて。犬があっても、柴犬とかトイプードルとか、特定の犬種の絵柄のものばかり。おしゃれで大人が普段使いできて犬種に寄らないグッズは、見たことがなかったんです。

――たしかに、犬の絵柄のアイテムというと、大人向けは少ない気がしますね。

黒川:そうなんです。キャラクター化されて子供っぽかったり、大人向けでもすごくリアルな写真がプリントされていたりとか……昔からそれが不満で(笑)。ないのであれば自分が作ってしまおうと思ったのが、一番の理由です。

――先ほど、ネットショップなら開業資金もそうかからないとおっしゃいましたが、実際、どのくらいの予算で始められたんですか?

黒川:コンパクトカーよりも上のランクのクルマが買えるくらいですかね(笑)。すべて自分の貯金から賄えました。社会人の最初の頃は実家暮らしだったので、ほぼお金を使わなかったですし、上京してからも、ネットショップ立ち上げのために、少ないお給料から毎月ちょっとずつ貯めていました。

――開業資金の内訳を教えてもらえますか?

黒川:もっとも高かったのは、やはり商品の制作費ですね。あとは、配送用の梱包資材とお客様にお配りする用のショップカード。そしてネットショップ運営用の通販システム料。基本的にはそれくらいです。

――通販専門のシステムがあるんですね?

黒川:はい。ネットショップ構築に必要な決済システムなどの機能提供からコンサルティングまで、オールインワンでサポートしてくれる会社がいくつかあるようで、いくつか比較検討して「ショップサーブ」に決めました。料金プランも個人向けから企業向けまでいろいろ選べますし、注文が入ったときにお知らせしてくれたり、在庫計算を自動的にしてくれたりする機能もあります。ネットショップはお金とお客さまの個人情報を扱うので、システムはしっかりしないと不安ですよね。

――意外と手軽に始められるものですね。

黒川:私の場合は、商品のデザインもWebデザインも自分でやるのが前提だったので、デザイン料などの人件費がなかったですからね。サイトに載せている写真も全部自分で撮影しているので、経費がかからないんです。

業者探しも、価格設定も、インターネットをフル活用

vol2_cont3.jpg ――「Ouaf!Chocolat」ではアルバムやメモ帳、シールなどを扱っているそうですが、商品は具体的にどのように作っていったのですか?

黒川:もともと一番作りたかったのは愛犬の写真を保存できるメモリアルアルバムだったので、まずはそれを作ってくれる業者さんを探すところから始めました。

――ご存じの業者さんがいらっしゃったとか?

黒川:いえ、まったく!(笑) ネット検索を利用して、ひたすら「アルバム OEM」といったワードを入れて。そこからいくつか会社をピックアップして、見積もりや納期についての質問を送ったんです。個人が相手だからと無視する会社もあれば、ちゃんと返信してくれる会社もあって、最低500個から作れるという業者さんから返事をいただきました。東京の会社ではないんですが、営業の方が出張で上京されたときに、2回ほど会って打ち合わせできたのも安心で。その会社ではアルバムの他にメモ帳も作れるというので、一緒にお願いしました。

――個人で始める商売ですから、温かみのある対応をしてくれる会社のほうがいいですね。

黒川:はい。特にアルバムは単価も高いので、なるべくいい業者さんにお願いしたかった。サンプルを見せてもらい、材質や色合いも話し合いながら決めることができてよかったです。オリジナル商品を作る上で一番大変だったのが、この業者さん探しでした。納品までのやりとりも長くかかりますしね。

――オリジナル商品なので価格も自由に決められるかと思いますが、どのように決めていったのでしょうか?

黒川:価格についてもネット検索を活用しています。似たような商品が市場でどのくらいで売られているのかをチェックして決めていきました。ネットショップは実際に商品を手に取ることができないので、リーズナブルすぎても質がよくないんじゃないかと疑われてしまいますし、高すぎては手が出しにくい。自分だったらいくらまでなら買う気になるかを考えつつ、親や周りの人の意見も参考にして、バランスのいい価格を決めました。

――そして、今年1月15日に正式オープンにこぎつけたと。

黒川:はい。実は、2015年1月15日にオープンしようというのは、開業準備を始めた頃から決めていたことなんです。

――それは早いですね! 予定通りにオープンするのは難しいことかと思いますが……。

黒川:ネットショップ開設に向けた準備作業は私一人で全部やっていたので、オープン日を具体的に決めてしまわないと、絶対にダラダラしていつまで経っても始められなくなりそうだったので。まず日付を決めて、そこから逆算して各準備を進めていきました。1月15日をオープン日にしたのは、“商売を始めるといい日”を調べた結果です(笑)。

――大学時代にネットショップを始めようと思ったお話もそうですが、黒川さん、計画を立てるのがお好きなんですね。

黒川:好きというより……立てないとやらない性格だからかもしれません(笑)。 先に計画をしておけば、アクシデントが起こったときも対処しやすいですしね。

今後の課題は集客!将来は犬好きの集まるコミュニティに

vol2_cont4.jpg ――「Ouaf! Chocolat」をオープンして、約10か月ほどが経ちますが、現在、気になっていることはなんでしょうか?

黒川:やはり、集客ですね。ショップをオープンする前から、一番苦労するのは集客だろうと予想していました。企業でネットショップを担当されている方からも、最初の3年は赤字だったと聞きましたし、個人ならさらに大変だろうと覚悟はしていたのですが……。もともと自分から外に出て行って営業をバリバリできるタイプではないですし。

――現在、集客施策は何を?

黒川:少額ですが広告をうっています。Googleの検索結果欄に載るGoogle Adwords?とFacebookのタイムラインに表示する広告を両方試しているんですが、Google Adwordsは文字情報のみなので、うちのようにグッズの絵が重要なショップだと、写真が表示されるFacebook広告のほうが合っている気がしますね。お店のアカウントとしてTwitter、Facebook、InstagramなどのSNSもやってますが、フォロワー数を広げるところで試行錯誤しています。まだまだこれからですね。

―――ポイントシステムの導入や、月替わりでお客様の愛犬を紹介する「今月のワンちゃん」のようなリピート顧客向けの企画もやっていらっしゃいますね。

黒川:ポイントシステムは、私がポイント好きだから導入しました(笑)。せっかく買い物をするのだから、お得感があったほうが嬉しいですよね。「今月のワンちゃん」は、可愛いワンちゃんの写真を楽しんでもらいたいというのと、サイトが生きてみえるように、月替わりや季節感のある企画をやっていこうという試みです。“生きているサイト”に見えないと、お客さんからの信頼も得づらいですし、買おうと思ってもらえない。扱う商品を急に増やすのは難しくても、トップページには何らかの変化が欲しいと思い、始めました。

――なるほど、そういう工夫なんですね。また、ドッグカフェで委託販売もされているそうですね。

黒川:昔から懇意にしている、滋賀県野洲市のドッグカフェ「Beach Cafe Kutsurogi」にアイテムを置かせていただいています。愛犬家の方が集まるお店やスペースで委託販売できる場所は、これからも増やしていきたいので積極的に探そうと思っています。ネットショップも店頭販売も、待っててもお客さんはこない。自分から積極的にアクションをとっていかなくてはいけないですね。

――ショップとしての体裁が整った今が、頑張りどころですか。

黒川:はい、そう思います。家族も温かく見守ってくれていますし、せっかく始めた念願のショップなので、長続きさせたい。ただ商品を売るだけでは楽しみも少ないので、愛犬家のみなさんが集えるコミュニティになれたらいいなと思います!

Ouaf! Chocolat

犬のおしゃれなオーナーグッズ専門店
http://www.ouafchocolat.com/
※取材時点の情報です

Ouaf! Chocolat

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