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店舗数は都内2位!西荻窪駅にクリーニング店が多い理由を聞いてみた

どこか文化的な匂いもありながら、落ち着いて生活ができると支持を集める「西荻窪」駅は、じつは老舗から新規店まで、クリーニング店が密集するエリアでもある。おしゃれで落ち着いた街にも関わらず、なぜ都内屈指のクリーニング店激戦区なのか? その理由やそこで成功するための秘訣を店主たちにリサーチしてみた。

若者に人気の西荻窪駅は、都内2位のクリーニング店激戦区だった

新宿駅からJR中央本線(快速)で約13分の場所に位置する西荻窪駅。近隣の荻窪や吉祥寺といった街ほどの賑わいはないものの、おしゃれな雑貨屋やこだわりのパン屋、知る人ぞ知る隠れ家レストランなど、この街にしかないお店が数多くあり、若い世代を中心に人気を誇っている。

そんな背景もあってか、駅から0.5㎞圏内に住んでいる世帯数は9,400と、都内741駅中89位とやや多め。世代的には30、40代が中心で、一人暮し率は62%となっている。駅から2、3分も歩けば住宅街が広がっており、街全体に「生活の場」としての落ち着いた雰囲気が漂っているのが特徴だ。

そんな西荻窪エリアで意外なデータを発見。じつは駅から0.5㎞圏内のクリーニング店の数が19店舗と、都内の駅で第2位を誇っているのだ。その中には創業40年以上の昔ながらの店もあり、とにかく「リピーターのお客さんが多い」のだとか。競合店も多い中、それぞれどんな工夫を凝らしているのだろうか?

クリーニング店の本音を、タイプ別に聞いてみた

ひとくちに「クリーニング店」と言っても、いくつかの営業タイプがある。一つは自分の店や工場でクリーニングを行う一般店、もう一つはフランチャイズに加盟し、預かった衣類を提携工場にまわす取次店、そして最後に、店舗は持たずに集配だけで対応する宅配型。それぞれのメリットとデメリット、集客するためのテクニックを店主の言葉からおさらいしてみよう。

<自店でクリーニングする一般店>

「いまの時代、自社で洗濯するクリーニング店を開業するのは、現実的ではないと思うけど……」と話すのは、代々この地でクリーニング業を営むお店の店主。というのも、自社で洗濯する店を開業するには、国家資格の「クリーニング師」を事業所ごとに1名おくことが必須であるほか、水洗いの機械、ドライクリーニングの機械、乾燥機をはじめとする設備を揃えるのにかなりの費用がかかるため。しかし、中古の機械や居抜きの店舗が見つかれば話は別。これだけでも開業時のコストを大幅に抑えることができる。とはいえ、実際にお店をまわしていくにはクリーニング技術を持つ職人や、衣類の袋詰めやタグ付け、カウンター対応などをするスタッフが必要不可欠になるため、人件費がかかることも念頭に入れておいたほうがいいだろう。

<衣類を預かって提携工場にまわす取次店>

クリーニング店の開業において現在もっともポピュラーなスタイルが、フランチャイズ契約をして顧客から預かった衣類を提携工場でクリーニングし、再び店頭で引き渡す取次店。この業態で経営する駅北口のクリーニング店によると、最大のメリットは「一から設備投資をする必要がないから、比較的少ない資金で始められる」ということ。加盟先は「開業後のサポートがしっかりしているかどうか」で決めたそうだ。なぜなら、フランチャイズの場合、利益からロイヤリティー(2割程度が一般的)を支払うのがマスト。コンスタントに売上を出すためには、本部による宣伝活動や経営のアドバイスといった開業後のサポートがとても役に立つということだった。

<宅配型クリーニング>

最近では一般店や取次店でも宅配サービスを行うなど、世の中のニーズは確実に宅配型に向いている。クリーニングを委託する提携工場を見つけ、集配する衣料を置くスペースを確保すれば、店舗を持たなくても開業することが可能だ。これによって資金面のリスクはかなり軽減される。ただし、1人で行う場合は労力に限りがあり、電話、メールの対応や遠方への集配が難しくなるケースも。店主によると、「店舗を持たないぶん、地域からの認知度が低く、集客に苦戦することもある」と語っていた。しかし、希望時間に合わせての集配や深夜・早朝の対応も可能といったフレキシブルな営業スタイルは、一人暮らしの社会人が多い西荻窪でこそニーズがあるのではないだろうか。料金やサービスを提示するウェブサイトは、親切でわかりやすい作りが求められ、知名度アップのために宣伝戦略をしっかり行うことが宅配型には必要だといえよう。

成功のカギは、「地域密着」と大口契約の確保にあり

洗濯機や家庭用洗剤の進化によって、自宅でもある程度のことができるようになった昨今。じつはクリーニング市場は縮小しているとも言われている。しかし、その一方で、西荻窪エリアには長い歴史を持つクリーニング店が複数存在する。どんな顧客に支えられているのかと尋ねると、どのお店も「近所のお客さまがいつも利用してくださる」とのこと。繁盛している秘訣は、すでに明記した宅配サービスはもちろん、早朝や夜間まで対応する営業時間の設定、午前中割や曜日割といった割引サービスの提供、働いている人に便利な集配ボックスの設置など、集客につなげるサービスを各店が工夫しているから。

そのほか、駅周辺に軒を連ねる飲食店との契約で、利益を得ている場合もある。クリーニング店を開業する際には、住人の需要だけでなく、飲食店や医療施設との大口契約が見込める可能性があるかどうかも考慮したいところだ。クリーニングは、一度利用した顧客がリピーターになることの多い業界。キーワードは「地域密着」であること。「また利用したい」と思わせる店作りをすることが何よりも大切だ。

※データ:マケプラ調べ(2016年4月現在)

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