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注目の開業立地

吉祥寺はパン屋の激戦区。類似駅の自由が丘・両国・聖蹟桜ヶ丘で開業は成功する?

住みたい町ランキングに、常連として名を連ね続ける吉祥寺。ここは、パン屋がひしめき合う激戦区としての顔も持っている。どうして吉祥寺にはパン屋が多いのか?さまざまなデータから吉祥寺との共通点をあぶり出し、今後パン屋として注目すべき都内の駅を3つピックアップした。

JR中央本線・京王井の頭線 吉祥寺駅
住みたい街ランキングで人気の駅には、パン屋が集っていた

ヨドバシカメラ、東急、マルイなど大型商業施設のほか、サンロード商店街をはじめ、小さな店舗も数多く立地する北口エリアと、井の頭公園や、井の頭動物園、三鷹の森ジブリ美術館など、癒やしスポットの南口エリアという2つの顔を持つ吉祥寺駅。デートに最適な「若者の街」としても親しまれており、商圏データ「マケプラ」によれば、JR中央線、京王井の頭線が乗り入れる吉祥寺駅の1日の乗降人数は27.5万人。この数字は、中央線沿線では立川に次ぐ第2位という規模を誇っている。また、近年では住環境の良さから若者だけでなく、ファミリー層が集う街としても注目が集まっている。

そんな吉祥寺は、パン屋が数多く集る都内随一の激戦区。チェーン店から、わざわざ足を運ぶに値するこだわりのショップまで、駅周辺の半径500mに13店舗が林立しているのだ。いったいなぜこんなにも多くのパン屋が集積しているのか? 各種データからその理由を分析するとともに、吉祥寺と共通項を持つ駅を調査し、未来の「パン屋激戦区」を占ってみよう。

【1】東急東横線 自由が丘駅
意外な穴場? おしゃれに敏感な女性による、高級ベーカリー需要

毎年、住みたい街ランキング上位に位置する吉祥寺だが、その理由として必ず挙げられるのが「おしゃれ」というイメージ。大手不動産会社のリサーチによれば、20代男女の「おしゃれな人が住んでいそうな駅」で1位に輝いており、パン屋に親和性の高い流行に敏感な人々が集う街。そのため、自然素材にこだわった「ダンディゾン」から、ドイツパン専門店の「リンデ」など、普通とは一風変わったショップが人気を博しているようだ。

そして、同調査で2位にランクインされているのが東急東横線の「自由が丘駅」。1日の乗降人数が14万3303人というマケプラデータからもわるように、街の規模こそ吉祥寺には劣るものの、買い物、ウィンドウショッピングを目的にやってくる人が多いことも吉祥寺と共通している。

しかし、マケプラデータによれば吉祥寺がパン屋の激戦区である一方、自由が丘駅周辺にはベーカリーショップの数は0.5㎞以内に3軒ほどと、それほど多くなく、意外な穴場に。どうやら、新規参入の余地はありそうだ。また、年収300万円未満の世帯が一番多い吉祥寺に対し、自由が丘は可処分所得が高い層が多いため、低価格を売りにした店よりも、高級感を打ち出したパン屋の需要も高いと考えられる。

【2】京王線 聖蹟桜ヶ丘駅
ファミリー御用達の「個性的」な休日ベーカリーが狙い目

あるネットリサーチの会社によれば、パン屋は「高年代層」「女性」に支持されるという結果が発表されている。吉祥寺は、井の頭公園がある落ち着いた住環境、ファミリー層に支持される井の頭動物園が立地するなど、パン屋にとっても好条件。また、武蔵野市ではファミリー層の来街に力を入れており、今年4月からはベビーカーの無料貸出しもスタートするなど自治体をあげて「ファミリー層が集う街」を狙っている。

「ファミリー」という共通項から浮かび上がってくる類似駅が、京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」。郊外の駅でありながら、京王百貨店を中心としたショッピング施設が整備されている聖蹟桜ヶ丘は、住宅街と商業エリアの2つの顔を持ち、ファミリー層の居住も多い。自由が丘と同じく、パン屋は0.5㎞圏内に3軒のみ。車移動が便利な多摩エリアでは自家用車の保有率も高いと考えられるため、駅から離れた大通り沿いでの開業にも商機があるのではないだろうか。

ただし、マケプラデータによると、駅から0.5㎞以内にスーパーマーケットが13軒、デパートが7軒もある。パン屋以外の競合を意識しながら、安価な価格設定や、子ども向けのキャラクターパンといったオリジナル商品などで戦略を練る必要があるだろう。

【3】JR総武線 両国駅
外国人観光客のニーズを汲んだパン屋が求められている?

吉祥寺駅周辺を紹介する外国人向けのガイドブックには、徒歩15分の「三鷹の森ジブリ美術館」を中心として、「井の頭公園」や行列のできるメンチカツショップ「ミートショップサトウ」なども掲載されており、吉祥寺エリアにもインバウンド観光の波が押し寄せている。特に、パンを主食とする欧米からの観光客はパン屋にとって重要な顧客だろう。

そんな吉祥寺と同様に、外国人観光客が多いエリアが、JR総武線「両国駅」。両国国技館や江戸東京博物館などが立地し、ゲストハウスも作られるなど訪日観光客がひっきりなしに訪れる人気エリアだ。しかし、駅から0.5㎞以内にパン屋は1軒しかないため、イートインコーナーを持つ数少ないパン屋に外国人観光客が集中している状態。英語表示を充実させるなど、外国人観光客に特化した店作りで参入する余地は十分にありそうだ!

パンブームはまだまだ続く予感!

雑誌でも多数のパン特集が組まれ、「パンブーム」と言われている昨今。味にこだわりぬいたパンを求めるために、わざわざ遠くの街まで足を運ぶ熱烈なファンも珍しくない。これから独立し、個人経営のパン屋を開業するのであれば、他店と差別化だけでなく、街のイメージや特性を意識することが成功への第一歩だろう。

※データ:商圏データ「マケプラ」調べ(2016年5月現在)

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