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【2021年版 意識調査】 独立・開業に興味がある人の割合が上昇!コロナ禍で独立・開業に対する意識はどう変わった?

マイナビ独立では、今回で3回目となる「独立・開業に対する意識調査」を行いました。全国20代から60代の男女18,905人を対象に、独立・開業への興味を問うアンケートを実施。さらに、その中で「興味がある」と回答した1,000人に対し、「独立・開業を考えたきっかけ」や「興味がある業種」「独立・開業時に重視するポイント」などを聞きました。また、今回は新たな質問を設け、昨今の社会情勢の変化が独立・開業の検討にどのように影響しているかも調査しました。2020年から続くコロナ禍において、独立・開業に対する意識はどのように変わったのか。昨年のデータと比べながら、アンケートの結果を見ていきましょう。

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「独立・開業に興味がある」と回答した人の割合は43.9%。昨年比で3.4ポイント上昇

果たして、どれくらいの人が独立・開業に興味を持っているのでしょうか。まずは、全国18,905人の男女に聞いた「独立・開業を考えていますか?」というアンケートの結果から見ていきましょう。「興味がある」と回答した人の割合は43.9%でした。昨年の40.5%という数字と比べ、3.4ポイント上昇する結果となりました。一昨年、昨年は41%前後で横ばいに推移していましたが、今年になって独立・開業に興味を持つ人が増えているようです。コロナ禍において既存の働き方や価値観の変容を迫られる中、「会社員=安定」という固定化されたイメージが少しずつ崩れているのかもしれません。

▼独立・開業に興味がある割合 ※N=18,905/単一回答

独立・開業に対する興味のグラフ

女性の上昇率が目立つ結果に

続いて、「独立・開業に興味がある」と答えた割合を男女別に見てみましょう。男性が53.5%、女性が34.5%という結果でしたが、昨年と比較すると男女ともに大きく増えていることがわかります。特に、女性は昨年比で3.3ポイント上昇し、10.6%も増加しています。なお、男女間で割合に大きな差が出る傾向は例年通りでした。

▼独立・開業に興味がある割合(男女別)

独立・開業に対する興味(男女別)のグラフ

年齢が上がるにつれて低下する傾向は変わらず

さらに年代別の割合を見てみると、60代女性を除くすべての年代で昨年より上昇しています。もっとも上昇率が高かったのは、20代女性。なんと昨年から7.1ポイントも上がり、47.2%という割合でした。男性でも20代の上昇率が一番高く、61.9%を占めました。こうした結果から、特に若い世代で独立・開業への興味が高まっていることが読み取れます。例年通り、男女ともに年代が上がるにつれて割合が低下する傾向は変わりませんでした。

▼独立・開業に興味がある割合(男女・年代別)

独立・開業に対する興味(男女・年代別)のグラフ

独立・開業に興味を持ったきっかけは「収入を増やしたい」がダントツの1位。トップ5の順位は昨年と変化なし

ここからは、「独立・開業に興味がある」と回答した1,000人を対象に行ったアンケートの結果を見ていきます。

まずは「独立・開業を考えたきっかけは?」という質問に対する回答結果から確認してみましょう。一昨年、昨年に続き、一番割合が高かったのは「収入を増やしたい」という回答で31.9%を占めるダントツの結果でした。次いで、「やりたいことがある」(19.0%)、「自分の能力を試したい」(14.3%)、「プライベートの時間を作りたい」(10.6%)、「労働環境に不満がある」(10.1%)が続き、トップ5の順位は昨年とまったく一緒でした。

▼独立・開業を考えたきっかけ ※N=1,000/単一回答

独立・開業を考えたきっかけのグラフ

女性も「収入を増やしたい」の割合が増加

男女別で見ると、男女ともに「収入を増やしたい」が1位を獲得。過去2回の調査では、「収入を増やしたい」と回答した割合は男性が突出して高い傾向がありましたが、今回は女性のほうが高く、33.3%も占める結果となりました。男女の違いとしては、男性は「自分の能力を試したい」(15.6%)、女性は「やりたいことがある」(23.6%)の割合が高い点が挙げられますが、上位5つの項目は男女で共通でした。

▼独立・開業を考えたきっかけ(男女別)

独立・開業を考えたきっかけ(男女別)のグラフ

興味のある業種のトップは「その他各種サービス」。例年一番人気だった「飲食」はやや低迷する結果に

次は、「独立・開業するなら、どのような業種を選びますか?」という質問に対する回答結果を見ていきます。今回のアンケートでは、従来の選択肢に加えて新たに「その他各種サービス」という項目を追加しました。その結果、もっとも多く選ばれたのは「その他各種サービス」で38.4%。過去2回の調査で一番人気だった「飲食」は、21.1%の2位。次いで、「IT・通信・情報・携帯電話」(19.4%)、「塾・スクール」(12.9%)、「理美容・整体・エステ・リラクゼーション」(10.4%)が続く結果となりました。「その他各種サービス」という新しい選択肢が増えた影響もあり、上位5つの順位は昨年と異なる様相となりました。
「その他各種サービス」には、宅配や運送業などの業種も含まれるため、コロナ禍における生活様式の変化がこのような結果につながった可能性もあります。この人気が一時的なものなのか、恒常的なものなのか、来年以降の調査を楽しみにしたいところです。もう1つ、今回の結果で注目したいのが「飲食」の割合が減ったこと。昨年比で5.4ポイント減少しました。おそらく新型コロナウイルス流行の影響により飲食店の営業が制限されていることが、ネガティブな方向に作用したのではないでしょうか。

▼興味のある業種 ※N=1,000/複数回答

興味のある業種のグラフ

世代に関係なく人気の高い「その他各種サービス」

年代別で見ると、世代に関係なく「その他各種サービス」の人気が非常に高いことがわかります。すべての年代で30%を超え、特に30代、50代では40%を上回りました。「飲食」もすべての年代で20%前後の割合を占め、手堅く2番手、3番手の人気を集めました。一方、「IT・通信・情報・携帯電話」や「理美容・整体・エステ・リラクゼーション」は、20代、30代といった若い年代からの人気が高く、上の年代に行くほど人気が分散する様子が読み取れます。
また、興味深いのは60代では「塾・スクール」の割合が高いこと。昨年も同様の傾向だったことから推察すると、定年後の生き方としてこれまで培ってきた知見や経験を若い世代の教育や育成に役立てたいと考える人が多いのかもしれません。

▼興味のある業種(年代別)

興味のある業種(年代別)の表

男女でやや異なる顔ぶれとなった上位5つの業種

次は、男女別の結果を見ていきます。男女ともにもっとも多くの人気を集めたのは「その他各種サービス」。いずれも30%を超え、特に男性では40%近い割合を占めました。以降の業種に目を向けると、男性では例年通り「IT・通信・情報・携帯電話」(24.0%)の人気が高く、2位を獲得。「修理(リペア)・クリーニング」(10.1%)も昨年より割合は大きく減少したもの5位に入りました。女性では、相変わらず「飲食」(23.6%)と「理美容・整体・エステ・リラクゼーション」(15.2%)の人気が高かったものの、両者とも昨年の割合と比べると4ポイント程度減少する結果となりました。

▼興味のある業種(男女別)

興味のある業種(男女別)のグラフ

「お客様に喜んでもらえそうだから」という理由が多くの業種で上位に

続いて、それぞれの業種が選ばれた理由を見ていきましょう。すべての業種で上位にきたのは「経験や能力が活かせそうだから」という理由。その他、「お客様に喜んでもらえそうだから」と「好きな事や物に関われそうだから」という理由が大半の業種で上位に入りました。「お客様に喜んでもらえそうだから」という理由は、過去2回の調査において「飲食」では高い割合を占めていましたが、多くの業種で上位にきたのは今年の大きな特徴と言えるでしょう。人と触れ合う機会が減っている状況だからこそ、「お客様に喜ばれる」というやりがいを求める人が増えているのかもしれません。

▼業種を選んだ理由 ※N=1,000/単一回答

業種を選んだ理由の表

全体でもっとも多くの人気を集めた「その他各種サービス」が選ばれた理由は、他の業種と同様に「経験や能力が活かせそうだから」(26.3%)、「好きな事や物に関われそうだから」(19.0%)が上位にきました。その一方で、「収益が期待できそうだから」(15.1%)の割合が高いことはこの業種の特徴の1つと言えます。

次いで2番目に人気の「飲食」では、「好きな事や物に関われそうだから」(29.9%)、「お客様に喜んでもらえそうだから」(15.6%)、「経験や能力が活かせそうだから」(15.2%)という理由が上位を占めました。これらの理由は、一昨年、昨年の調査でも上位3つに入っており、「飲食」が選ばれる理由の定番と言っても良いでしょう。

3番人気の「IT・通信・情報・携帯電話」では、「経験や能力が活かせそうだから」(22.7%)が1位になりました。そして、2番目に多かったのが「将来性がありそうだから」(19.6%)という理由。IT関連のサービスは、昨今の技術革新の進化・普及に加えて、コロナ禍でニーズが増加していることから、成長が見込める分野として注目している人が増えているのかもしれません。

「人間関係のストレスがなく働けること」が、独立・開業時に重視するポイントの3位に

「独立・開業をするときに何を一番重視しますか?」というアンケートでは、例年通り「自分のペースで働ける・自分の時間を持てること」が18.0%を占めて1位になりました。一昨年(18.0%)、昨年(17.5%)に引き続き、安定して高い割合を占めていることから、恒常的に独立・開業志望者の多くが「時間を重視したい」と考えていることがわかります。例年と異なる点として注目したいのは、「人間関係のストレスがなく働けること」(10.0%)が3位に入ったこと。在宅ワークなど従来のオフィス集約型とは異なる働き方が進んだことで、人間関係のストレスがない環境を重視する人が増えたのかもしれません。

▼独立・開業時に重視するポイント ※N=1,000/単一回答

独立・開業時に重視するポイントのグラフ

すべての年代で「自分のペースで働ける・自分の時間を持てること」がトップ

「独立・開業時に重視するポイント」の結果を年代別に見てみると、すべての年代で「自分のペースで働ける・自分の時間を持てること」の割合が高く、特に30代、40代では20%を超えました。「生涯に渡って働けること」も20代を除くすべての年代で上位に入り、世代に関係なく長く働くための手段として独立・開業が意識されていることが読み取れます。全体で3位に入った「人間関係のストレスがなく働けること」は、20代〜50代の現役世代で10%を超え、40代では2番目に高い割合を占めました。

▼独立・開業時に重視するポイント(年代別)

独立・開業時に重視するポイント(年代別)の表

独立・開業に対して不安に思うことは、昨年に続き「売上・収益の確保について」がトップ

続いて「独立・開業に対して不安に思うことは?」というアンケートの結果を見ていきます。1位は「売上・収益の確保について」(66.2%)、2位が「経営に必要な知識や事務処理について」(48.8%)、3位が「開業までの準備・進め方について」(46.7%)という結果でした。昨年と比べると、2位と3位が入れ替わったものの、上位5つに挙がった項目に違いはありませんでした。

なお、今回の調査では新たな選択肢として「天災(地震・台風)や不測の事態(新型コロナウイルスによる時短営業等)による影響について」という項目を追加しましたが、選択された割合は33.1%でした。不確実な要素は織り込み済みということなのでしょうか、予想よりも不安に感じている人が少ないことがわかりました。

▼独立・開業に対して不安に思うこと ※N=1,000/複数回答

独立・開業に対して不安に思うことのグラフ

独立・開業後の目標年収は、昨年と同じく若い世代の男性は高く、女性は全般的に控えめな傾向

次は、目標年収に関するアンケート結果を性別・年代別に見ていきましょう。傾向としては昨年と大きく変わらず、20代〜40代の男性は高い年収を望む人が多いことがわかります。もっとも割合が高かった年収レンジは、20代と40代は「1,001〜1,500万円」、30代は「2,001万円以上」という結果でした。 女性はすべての年代において「501〜600万円」以下の年収レンジを選ぶ人が多く、特に60代女性は「300万以下」で構わないと考える人が34.1%も占めました。男女ともに、年代が上がるにつれて目標年収のレンジが少しずつ低下する傾向は共通でした。

▼独立・開業した際の目標年収(男女・年代別) ※N=1,000/単一回答

独立・開業した際の目標年収のグラフ

時勢の変化による影響は大半が「特になし」と回答。一方で、各年代の20%以上が「開業時期の変更」や「見送り」を選択

今回の調査では、新たに「独立・開業を検討するにあたって、時勢(新型コロナウイルスの流行による影響を含む)の変化による影響はありますか?」という質問を設けました。最後に、そのアンケートの回答結果を性別・年代別に見ていきます。興味深いことに、すべての性別・年代において「特になし」という回答が1位となりました。特に30代、40代の女性では「特になし」が過半数を超えました。先ほど「独立・開業に対して不安に思うことは?」というアンケート結果を紹介した際にも触れましたが、時勢の変化を前提に独立・開業を検討している人が多いことが、この結果からも読み取れます。
その一方で、やはり影響を受けた人も少なくなく、すべての性別・年代で「独立・開業する時期を変更した」という回答が20%を超えました。同様に「検討していたが独立・開業を見送った」という回答も各性別・年代で高い割合を占めました。ただ、その中で20代男性だけ9%に留まったことは注目に値するのではないでしょうか。少し大げさな解釈かもしれませんが、コロナ禍においても独立・開業を諦めずにチャレンジしようとする若い世代の気概を感じ取ることができます。

▼時勢の変化が独立・開業の検討に影響したこと(男女・年代別) ※N=1,000/複数回答

独立・開業を検討するときに頼る相談相手のグラフ

「2021年版 独立・開業に対する意識調査」のまとめ

ここまで、全国20代から60代の男女を対象に実施したアンケートの結果を紹介してきました。この意識調査は今回で3回目となりますが、今年は昨年と比べると比較的大きな変化が見られました。一番のトピックとしては「独立・開業に興味がある」と答えた割合が増えたことが挙げられます。全体で昨年比3.4ポイント上昇したことはもとより、特に女性は3.3ポイント上昇し、10%以上も増加したことは驚きでした。おそらくコロナ禍における働き方や価値観の変化が影響していると考えられますが、この傾向が来年以降どうなるのか非常に興味深いところです。 「興味のある業種」では今回新たに選択肢として追加した「その他各種サービス」が多くの人気を集め、これまで男女問わず人気の高かった「飲食」の順位がやや下がりました。また、「独立・開業時に重視するポイント」では「人間関係のストレスがないこと」が上位に入るなど、例年とは異なる傾向が見られました。こうした変化は今年の大きな特徴と言えますが、今後どのように変わっていくのでしょうか。マイナビ独立ではこれからも継続して「独立・開業に対する意識調査」を行い、トレンドを把握・発信していく予定です。

※設問「独立・開業するなら、どのような業種を選びますか?」(女性)の回答結果を一部訂正しました。(2022/4/2 マイナビ独立 編集部)

【アンケート概要】
調査対象: 20歳〜60歳の男女
サンプル数: 18,905名および「独立・開業に興味がある」と回答した1,000名
調査期間: 2021年3月25日〜28日
調査方法: インターネットリサーチ
※本調査では小数点第1位で四捨五入しているため、足し上げても合計数値が100%とならない場合がございます。

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