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【2020年版 意識調査】 独立・開業に興味がある人の割合はどう変わった? 独立・開業後の目標年収はどれくらい?

マイナビ独立では、昨年に引き続き全国20代から60代の男女18,916人を対象に、独立・開業への興味を問うアンケートを行いました。さらに、その中で「興味がある」と回答した1,000人に対し、独立・開業に対する意識調査を実施。「やってみたい業種」「独立・開業時に重視するポイント」「不安に思うこと」「独立・開業との目標年収」など、さまざまな質問項目に答えていただきました。昨年のデータとも比較しながら、調査結果を見ていきましょう。

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「独立・開業に興味がある」と回答した割合は40.5%。都道府県別では沖縄県がトップ

まずは、全国18,916人の男女に聞いた「独立・開業を考えていますか?」という問いに対する回答結果から見ていきましょう。「興味がある」と答えた割合は、全体の40.5%。昨年の41.3%という数字からやや減少はしたものの、ほぼ同様の結果となりました。昨年よりも伸びなかった理由としては、昨今の先行きが不透明な世界情勢により、社会全体で安定志向が強まった影響があるのかもしれません。

▼独立・開業に興味がある割合 ※N=18,916/単一回答

独立・開業に対する興味のグラフ

昨年に続き、性別・年代によって差が出る結果に

「独立・開業に興味がある」と答えた割合を男女別で見てみると、男性で50.0%、女性では31.2%という結果でした。男女共に昨年比で5%程度の減少率となりましたが、男女間で大きな差が出る傾向は昨年と変わりませんでした。

▼独立・開業に興味がある割合(男女別)

独立・開業に対する興味(男女別)のグラフ

年代別の割合を見ると、男性は20代〜50代の幅広い世代で45%以上が「独立・開業に興味がある」と回答。一番割合が高かったのは20代で、57.4%を占めました。一方、女性は20代が唯一40%を超えたものの、30代・40代は30%台、50代・60代は20%台という割合でした。
昨年のデータと比べると、すべての年代で「興味がある」と答えた割合は低下。男女共に30代・40代の減少率がやや高く、特に40代女性は昨年の44.7%から36.9%まで減少する結果となりました。逆に60代の減少率は低く、昨年と大きな変化はありませんでした。

▼独立・開業に興味がある割合(男女・年代別)

独立・開業に対する興味(男女・年代別)のグラフ

1位の沖縄県は52.0%、最下位の高知県は32.9%

次に、都道府県別の割合を見てみましょう。上位に目を向けると、「独立・開業に興味がある」という回答が過半数を超えたのは、沖縄県(52.0%)と鹿児島県(51.2%)の九州勢のみ。続いて、栃木県(46.2%)、福島県(45.5%)、岩手県(45.2%)がトップ5に入りました。沖縄県は昨年の48.5%(3位)と同様に高い割合を占め、独立志向の高い県民性を示す結果となりました。
一方、「興味がある」という回答がもっとも少なかったのは32.9%に留まった高知県。次いで、ワースト5には青森県(34.9%)、佐賀県(35.4%)、岐阜県(35.5%)、島根県(35.7%)が並びました。2年連続でワースト3に入った高知県と佐賀県については、この結果を見る限り、独立・開業への関心が低い地域特性があると言えるかもしれません。

▼独立・開業に興味がある割合(都道府県別のランキング)

独立・開業に興味がある割合(都道府県別のランキング)

独立・開業に興味を持ったきっかけは「収入を増やしたい」という理由がトップ。「プライベートの時間を作りたい」も増加

ここからは、「独立・開業に興味がある」と答えた1,000人に実施した意識調査の結果を確認していきましょう。

まず見ていくのは「独立・開業を考えたきっかけは?」というアンケートの回答結果。もっとも割合が高かったのは、「収入を増やしたい」(27.5%)という理由。次いで「やりたいことがある」(22.0%)、「自分の能力を試したい」(16.1%)が続き、上位3つの順位は昨年と変わりませんでした。一方、昨年との比較で特筆すべきは、「プライベートの時間を作りたい」の割合が増えたこと。昨年の7.4%から10.0%へと伸び、働き方に対する価値観の多様化が垣間見える結果となりました。

▼独立・開業を考えたきっかけ ※N=1,000/単一回答

独立・開業を考えたきっかけのグラフ

男女別に比較してみると、男女で傾向が異なることがわかります。男女共に「収入を増やしたい」(男性27.8%/女性27.1%)の割合が高い点は共通しているものの、男性は「自分の能力を試したい」(男性19.0%/女性12.8%)の割合が高く、女性は「やりたいことがある」(男性16.9%/女性27.8%)という回答が多数を占めました。また、「プライベートの時間を作りたい」(男性8.8%/女性11.3%)の割合も、男女で大きな差が出る結果となりました。

▼独立・開業を考えたきっかけ(男女別)

独立・開業を考えたきっかけ(男女別)のグラフ

独立・開業に興味がある人が選ぶ業種のトップは昨年同様「飲食」業界。男女間で人気に大きな差が出た業種も

続いて、業種に関するアンケート結果を見ていきましょう。「独立・開業するなら、どのような業種を選びますか?」という問いに対して、もっとも多くの回答を集めたのは「飲食」(26.5%)、2位が「IT・通信・情報・携帯電話」(18.4%)、3位が「理美容・整体・エステ・リラクゼーション」(13.0%)という結果でした。トップ3の業種は昨年と変わらず、安定して人気が高いことがわかります。

▼興味のある業種 ※N=1,000/複数回答

興味のある業種のグラフ

すべての年代で20%以上が「飲食」と回答

年代別で見ても、「飲食」はすべての年代で20%を超える人気を集めました。全体で2位だった「IT・通信・情報・携帯電話」や、3位の「理美容・整体・エステ・リラクゼーション」は、若い世代ほど人気が高く、年代が上がるにつれて徐々に人気が分散する結果となりました。この傾向は昨年も同様でしたが、昨年よりも年代間の差が小さくなったことは、今年の特徴と言って良いでしょう。
また、すべての年代で「まだ考えていない」という回答が一定数ある中、50代だけその割合が突出して高い点も注目したいポイントの1つ。定年後の生活を考え始めるタイミングで独立・開業に興味を持つものの、まだ具体的なイメージは持てていないという人が多いのかもしれません。

▼興味のある業種(年代別)

興味のある業種(年代別)の表

男性からの人気が高まる「修理(リペア)・クリーニング」

男女別に見ると、「飲食」(男性25.6%/女性27.6%)の人気は男女共に変わらず高く、特に女性では唯一20%を超える結果となりました。
その他の業種については男女で人気の傾向が異なり、特に「IT・通信・情報・携帯電話」(男性24.6%/女性11.3%)、「修理(リペア)・クリーニング」(男性17.7%/女性5.3%)、「理美容・整体・エステ・リラクゼーション」(男性7.7%/女性19.0%)の3つの業種では、男女間で大きな差が生じました。中でも注目したいのは「修理(リペア)・クリーニング」で、女性からの人気は低い一方、男性から高い人気を集め、昨年(11.2%)と比べて今年は1.5倍以上も数字を伸ばしました。クリーニング関連事業(ハウスクリーニングや家事代行なども含む)は女性でも始めやすいイメージがありますが、実際には男性からの人気が圧倒的に高いという点は、少々意外な結果と言えるかもしれません。

▼興味のある業種(男女別)

興味のある業種(男女別)のグラフ

各業種で「将来性がありそう」の割合が増加

次に、「なぜその業種を選んだのか」という理由を見ていきましょう。業種ごとに若干の違いはあるものの、ほとんどの業種で「経験や能力が活かせそうだから」と「好きな事や物に関われそうだから」、「将来性がありそうだから」が上位に入りました。
「経験や能力が活かせそうだから」と「好きな事や物に関われそうだから」という理由に関しては昨年と同様の結果と言えますが、大きく異なるのは「将来性がありそうだから」という理由が多くの業種で高い割合を占めたこと。この理由がトップ3に入った業種の数は、昨年の2業種から7業種にまで増えました。

▼業種を選んだ理由 ※N=1,000/単一回答

業種を選んだ理由の表

男女共に一番人気の「飲食」では、「好きな事や物に関われそうだから」(27.2%)、「経験や能力が活かせそうだから」(20.8%)、「お客様に喜んでもらえそうだから」(13.6%)という理由が上位を占めました。他の業種と比べると、「将来性がありそうだから」、「収益が期待できそうだから」という理由の割合が低く、飲食を選ぶ人の多くは事業の収益性や将来性よりも、仕事のやりがいに魅力を感じていることがわかります。

続いて、男性で2番目に人気を集めた「IT・通信・情報・携帯電話」の理由を見てみましょう。「飲食」とは異なり、「経験や能力が活かせそうだから」(21.2%)がもっとも多く、次いで「収益が期待できそうだから」(20.7%)、「将来性がありそうだから」(19.0%)が続く結果となりました。この順位は昨年と変わらないものの、今年は「経験や能力が活かせそうだから」(昨年29.0%)の割合が大きく減少し、「収益が期待できそうだから」(昨年16.5%)と「将来性がありそうだから」(昨年15.3%)が20%以上増えました。昨今AIや5Gなどの技術が社会一般に普及する中で、この業種の収益性や将来性に魅力を感じている人が増えているのでしょう。

女性に人気の高い「理美容・整体・エステ・リラクゼーション」を見ると、理由としてもっとも多かったのは「経験や能力が活かせそうだから」(23.9%)、2位が「好きな事や物に関われそうだから」(18.5%)、3位が「将来性がありそうだから」(14.7%)という結果でした。やはりここでも、「将来性がありそうだから」(昨年10.1%)が昨年より伸びていることが目立ちました。

独立・開業時に重視するポイントは、「生涯に渡って働けること」と「定年後も安定した生活を得られること」が昨年より上位に

「独立・開業をするときに何を一番重視しますか?」というアンケートでは、「自分のペースで働ける・自分の時間を持てること」(17.5%)が、昨年(18.0%)に続いて1位となりました。
昨年と大きく異なる点としては、2位に「生涯に渡って働けること」(13.4%)、3位に「定年後も安定した生活を得られること」(12.7%)が入ったことが挙げられます。昨年はそれぞれ同率4位(10.3%)という順位でしたが、今年は「自分の考えやアイデアを実現できること」(10.7%)、「これまでの経験や能力が活かせること」(9.8%)を押しのけてトップ3に入りました。この結果から、安定的に長く働く方法の1つとして、独立・開業を検討している人が増えていることが読み取れます。

▼独立・開業時に重視するポイント ※N=1,000/単一回答

独立・開業時に重視するポイントのグラフ

「生涯現役」を意識する年代が早期化

年代別に「独立・開業時に重視するポイント」を見てみると、「生涯に渡って働けること」がすべての年代で上位に入り、年代を追うごとに割合が高まる結果となりました。昨年の調査では50代から「生涯に渡って働けること」や「定年後も安定した生活を得られること」の割合が顕著に増加する傾向が見られましたが、今年は40代でも「生涯に渡って働けること」が15%を超えており、「生涯現役」を意識するタイミングが少しずつ早まっているのかもしれません。
全体でトップとなった「自分のペースで働ける・自分の時間を持てること」は、20代〜40代の若い年代で1位を獲得。特に30代では26.0%を占め、昨年(19.0%)よりも大きく伸長しました。

▼独立・開業時に重視するポイント(年代別)

独立・開業時に重視するポイント(年代別)の表

独立・開業に対して不安に思うことの1位は、昨年に続いて「売上・収益の確保について」

「独立・開業に対して不安に思うことは?」というアンケートでは、1位が「売上・収益の確保について」(65.1%)、2位が「開業までの準備・進め方について」(48.2%)、3位が「経営に必要な知識や事務処理について」(47.1%)という結果でした。昨年と比べると2位と3位が入れ替わってはいるものの、全体の傾向として目立った変化は見られませんでした。昨年に引き続き、「売上・収益の確保について」が他の項目を引き離して1位になったことは、「生涯現役」を意識する人が増加傾向にあることからも、自然な結果と言えるでしょう。

▼独立・開業に対して不安に思うこと ※N=1,000/複数回答

独立・開業に対して不安に思うことのグラフ

独立・開業後の目標年収は男女ともに20代が一番高く、年代を追うごとに低下する傾向

次に見ていくのは、「独立・開業したらどれくらいの年収を得たいですか?」というアンケートの回答結果。男女別・年代別に見てみると、男性は各年代でボリュームゾーンが異なり、もっとも割合が高かった年収レンジは、20代・30代では「1,001〜1,500万円」。40代は「701〜800万円」、50代は「501〜600万円」、60代は「301〜500万円」という結果でした。若い世代ほど目標年収が高く、年代が上がるにつれて少しずつ低下する傾向が見て取れました。
一方、女性は30代〜60代の幅広い世代において「301〜500万円」がトップを獲得。すべての年代で、「501〜600万円」以下のレンジに過半数が集中する結果となりました。

▼独立・開業した際の目標年収(男女・年代別) ※N=1,000/単一回答

独立・開業した際の目標年収のグラフ

独立・開業に関する相談相手は、20〜40代では男女共に「配偶者」がトップ。50代・60代は男女で異なる結果に

最後に、「独立・開業を検討するときにもっとも頼りにする相談相手は誰ですか?」というアンケートの回答結果を、男女別・年代別に見てみましょう。
男性は20代〜60代まですべての年代で「配偶者」がトップ。特に60代では44.2%も占めました。女性と比べると、すべての年代で「特になし」という回答が多いのも男性の特徴と言えるでしょう。
女性のほうを見てみると、20代〜40代までは「配偶者」という回答が一番多いものの、50代・60代では「友人・知人」の割合がもっとも高いという結果になりました。興味深いことに、「誰を頼るか」という意識に関しては50代・60代の男女で大きなギャップがあるようです。

▼独立・開業を検討するときに頼る相談相手(男女・年代別) ※N=1,000/単一回答

独立・開業を検討するときに頼る相談相手のグラフ

「2020年版 独立・開業に対する意識調査」のまとめ

ここまで、全国20代から60代の男女を対象に実施したアンケートの結果を、昨年とデータと比較しながら紹介してきました。「独立・開業に興味がある」と答えた人の割合は、昨年から大きく増減することなく、ほぼ横ばいでした。「働き方改革」などの影響で就業環境が変わりつつある中、独立・開業を意識する人はより増えていく傾向にあるだろうと予想していましたが、そう単純な結果にはなりませんでした。この結果には、多少なりとも昨今の社会的・経済的な不安要因も影響していると考えられます。
「独立・開業に興味がある」と答えた人を対象にした意識調査では、そうした「不安」が読み取れる変化も見られました。1つは、「業種を選ぶきっかけ」として「将来性がありそうだから」という理由が増えたこと。そして、「独立・開業時に重視するポイント」では、ほぼすべての年代で「生涯に渡って働けること」と「定年後も安定した生活を得られること」の割合が高まりました。こうした変化から感じたのは、昨年よりも「堅実志向」が強まったこと。長く安定して収入を得るための方法として、独立・開業を捉えている人が増えた印象を受けました。
今後、こうした意識はどのように変わっていくのでしょうか。マイナビ独立ではこれからも継続して「独立・開業に対する意識調査」を行い、トレンドを把握・発信していく予定です。

【アンケート概要】
調査対象: 20歳〜60歳の男女
サンプル数: 18,916名および「独立・開業に興味がある」と回答した1,000名
調査期間: 2020年3月27日〜31日
調査方法: インターネットリサーチ
※本調査では小数点第1位で四捨五入しているため、足し上げても合計数値が100%とならない場合がございます。

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