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ミニストップのケンキュウ記事vol.04
インタビュー
強みも弱みもある。だからこそ面白い──現役オーナーが語る「ミニストップ経営」のリアルとは?

ミニストップは他のコンビニエンスストアとはちょっと違います。ソフトクリームやハロハロ、ホットスナックなどのファストフード商品を充実させ、店内調理を経て提供。そのこだわりぶりを見て「オーナーやスタッフの手間が増える分、運営は大変なのでは…?」と感じる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、調布仙川店オーナーの寺地誠さん(開業3年目)にインタビュー。ミニストップの現場事情を赤裸々に語っていただきました!

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独身でもスタートできた「インターン契約社員制度」

メイン

──寺地さんがミニストップのオーナーになりたいと考えたきっかけを教えてください。

寺地:私は20歳から某コンビニチェーンの店舗に勤めて、いくつかの店舗で店長も経験しました。ほぼコンビニ一筋でやってきたんです。「いずれは経営者になりたい」と考えていて、35歳のときにミニストップの「インターン独立契約社員制度」(契約社員として入社し、給与を得ながら学んで独立を目指せる制度)に応募しました。

──他のチェーンで働いていたのに、その会社ではなくミニストップでオーナーを目指すことにしたのはどうしてでしょうか?

寺地:「業界大手ではやりたくないな」と思ったからです。他社だと複数店舗、場合によっては数十店舗を経営するような大手フランチャイジーがいて、個人で競り合っていくのは厳しいかもしれないな、と。対してミニストップは個人経営のオーナーがほとんど。オーナーになるからにはのし上がりたいという野望もあったので、個人で勝負できる環境に魅力を感じました。

もう1つ、より現実的な理由がありまして…。他社にもインターン独立契約社員に似た制度があったのですが、専従者1名と一緒にスタートするという条件付きでした。私は独身なので、1人で始められるミニストップを選びました。

オペレーションを回していくのは、他のコンビニよりも難しい

ファストフード

──他のコンビニチェーンでの勤務が長かった寺地さんにとって、ミニストップで働き始めてから最も大きいと感じたギャップは何でしたか?

寺地:やはりファストフード商品ですね。これは他のコンビニにはないファンができるという意味ではミニストップの最大の武器ですが、逆に最大の弱点でもあると感じています(笑)

──最大の武器であり、最大の弱点。

寺地:普通のコンビニであれば、シフトが2人体制なら2人ともレジに入ることができます。でもミニストップでは、ファストフード商品のオーダーが入ると1人は厨房に入らなければいけません。かと言って、レジではお客さまを必要以上に待たせるわけにはいかない。このオペレーションを回していかなければいけないという点で、率直に言って他のコンビニよりも大変だと思います。

もちろんミニストップ本部でもその苦労は重々分かってくれているので、お客さまがおいしいと支持してもらい、店舗でのオペレーションができる限り効率化される商品の開発を進めてくれています。今年の例では「ハロハロ果実氷いちご」がとても良く考えられた商品だと思いました。氷を砕く必要がなく、凍らせたいちごを使うのでオペレーションがかなり楽になります。かつ、これまでにない新鮮なおいしさでお客さまからも大人気。こうした商品をどんどん投入してほしいですね。

スタッフに「店を好きになってもらう」ための努力

スタッフ

──オーナーになってからの苦労としては、他にどのようなものがありますか?

寺地:どの業界でも同じかもしれませんが、「人手不足のつらさ」を肌で感じていますね。正直なところ、ミニストップ自体の認知度は他の競合大手と比べてまだまだ低いと思います。私自身、他のチェーンで働いているときにはミニストップのことをほとんど知りませんでした。そうした状況でスタッフを採用し、定着してもらう必要があるんです。

──寺地さんはどのような工夫をされているのでしょう?

寺地:入社したスタッフには、「とにかく店を好きになってもらえる」ように意識しています。その姿を見たお客さまに店のファンになってもらい、「自分もここで働きたい」と思ってもらえるような流れを作っていきたいと考えています。

──具体的な方法も教えていただけますか?

寺地:「評価基準を明確にする」ことですね。私はミニストップの運営において、接客を何より大切なポイントだと考えています。だから作業が遅くても、要領が多少悪くても、接客がきちんとできているスタッフにはあまりこまかなことは言いません。もちろんお客さまに満足していただくために必要なことはきっちり指摘しますが、マニュアルに縛られた話ではなく、人それぞれの個性を生かせるように指導しています。

作業が早くなってくれればもちろんうれしいですが、これは長い目で見守り、慣れてもらうしかない部分もあります。自分も最初は何もできませんでした。かつてスタッフとして勤めていた店舗ではいろいろなミスをやらかして、会社に迷惑をかけたこともあります。そんなときにかばってくれた上司や先輩の姿を追いかけ、実践している感じですね。

競合店を潰すのではなく、ともに繁栄していきたい

店舗前

──苦労を率直に語っていただきましたが、実際のところ、ミニストップオーナーの「やりがい」とはどんなことでしょうか?

寺地:お客さまはもちろん、周辺店舗の経営者の方もお店のファンになってくれて、普段から気さくに声をかけてくれるんです。この店舗に赴任し、経営を引き継いでから、本当にたくさんの方と知り合い親睦を深めてきました。今日も「取材を受けるんです」と話したら近くのフラワーショップの店長さんが「頑張ってね!」と言ってくれました(笑)

接客用語としては「いらっしゃいませ」が正しいのですが、最近では来店する方に「こんにちは!」と話しかけることのほうが多いですね。そんな風に濃い関わりが持てるのは、ミニストップならではの面白さなのかもしれません。店内のイートインスペースで会話が弾むことも多いです。

──お客さまだけでなく、周辺店舗の方もファンになってくれるというのは素敵ですね。通常は競合関係になることもあると思いますが…。

寺地:近くにはスーパーも大きなドラッグストアも、大手コンビニチェーンの店舗もあります。そうした意味ではここは激戦区なのかもしれません。でも、このエリア(京王線・仙川駅の北側エリア)ならではの連帯感のようなものがあるんですよ。「駅の南側に負けないよう、みんなで地域を盛り上げていこう!」と。

商売としては競合店を潰すまで頑張るべきだという人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。良きライバルとして、ともに地域を発展させようとするスタンスが大切だと思っています。そうすれば地域に人が集まるようになって、人材採用の面でもプラスに働くかもしれない。長期的に互いに繁栄していけるよう、これからも近隣店舗の方々と連帯していきたいですね。

──今後、経営者としてはどのような展望を描いていますか?

寺地:やはり複数店舗の展開に挑戦していきたいです。そのためには私の代わりを務められる人材が必要なので、核となるメンバーを雇用してしっかり育成していきたいと思っています。

──最後に、ミニストップの経営に関心を持っている方へメッセージをお願いします。

寺地:「ミニストップが好き」「ミニストップを好きになれる」という人なら、きっとうまくいくのではないでしょうか。強みも弱みもあるミニストップだから、好きじゃなければやっていけないという面もあります(笑) 好きだからこそプライドも持てるんです。「知名度では劣るかもしれないけど、ソフトクリームならどこのコンビニにも負けないぞ!」と。

本部も、オーナーが本気でやろうと思えば本気で応えてくれる人たちばかりです。フランチャイジーの規模やキャリアにかかわらず、思いを持った個人オーナーを応援してくれます。私は商品に関する要望など、思ったことはなんでも言うようにしていますが、毎回真剣に話を聞いて情報共有してくれる。そうした体制があるからこそ、安心してオーナーを続けていられるのだと感じています。

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ライター多田

この記事の担当ライター:多田慎介
フリーランス・ライター。1983年、石川県金沢市生まれ。大学中退後に求人広告代理店へアルバイト入社し、転職サイトなどを扱う法人営業や営業マネジャーを経験。編集プロダクション勤務を経て2015年よりフリー。働き方やキャリア形成、採用コンテンツ、マーケティング手法などをテーマに取材・執筆を重ねている。
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