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セブン-イレブンのケンキュウ記事vol.02
分析
業界トップの秘密は徹底した顧客主義にアリ!「月刊コンビニ」編集長が語るセブン-イレブンの強みとは?

国内店舗数、チェーン全店売上高、全店平均日販などあらゆる面で他社の追随を許さず、業界トップをひた走るセブン-イレブン。日本におけるコンビニエンスストアの草創期から現在に至るまで、セブン-イレブンが業界をリードし続けられる理由は何なのか。業界に精通したプロの目にはどう映っているのか。「月刊コンビニ」編集長の毛利英昭氏にお話を聞いてきました。

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「小売業としての誇り」を持ち、徹底した顧客主義を貫く姿勢こそがセブン-イレブンの強み

セブン-イレブン

──セブン-イレブンは、日本国内におけるコンビニエンスストアのパイオニアであり、長きにわたって業界のトップを走っている存在です。セブン-イレブンの特徴や強みについて、毛利編集長はどのようにお考えですか?

毛利:コンビニエンスストアの日本での1号店はどこか。この問い対する答えは諸説ありますが、現在のコンビニエンスストアの姿形、システムを確立した最初の店は、セブン-イレブンであると言っても過言ではありません。セブン-イレブンの誕生当時の経営母体はイトーヨーカドーです。そのDNAを受け継ぎ、「小売業としての誇り」を大切にしていることがセブン-イレブンの特徴と言ってよいのではないでしょうか。今では、かつて日本の生活者を支えてきた総合スーパー、いわゆるGMS(ゼネラルマーチャンダイジングストア)がその役割を終えつつあると言われる中、イトーヨーカドーなどセブン&アイ・ホールディングスの屋台骨を支えるのは、セブン-イレブンとなりました。セブン-イレブンが創業した1970年代と比べると、企業体としてのあり方は大きく変わりましたが、ブレない経営姿勢、統制のとれた組織力、単品管理の考え方は当時から定評があり、それは今も変わっていないように思えます。

──「小売業としての誇り」やブレない経営姿勢という言葉が出てきました。セブン-イレブンが創業以来大切にしている理念のようなものだと思いますが、それはどのようなものでしょうか?

毛利:セブン-イレブンは、「近くて便利」をコーポレートアイデンティティとして、徹底した顧客主義を貫いています。それをもっとも如実に表しているのが、実質的なセブン-イレブンの生みの親であった鈴木敏文氏の「一般的に効率化を図るというと自社の効率を考えるものですが、我々はお客様の効率化、すなわち便利をもっとも大切にしています」という言葉です。「こんなことまで!」と顧客が驚くようサービスを提供すると、お店の仕事がどんどん増えていきます。しかし、セブン-イレブンはその仕事を改革しシステム化することで、店の負担を減らし、顧客にとって便利なお店を作り上げてきました。今やそれがセブン-イレブンだけでなくコンビニ業態のあり方を表しています。徹底した顧客主義を貫く経営姿勢こそが、セブン-イレブンが業界トップであり続ける根本的な要因と言ってよいでしょう。

業界の常識を打ち破ったPB革命!顧客第一に新しい商品やサービスを生み出し続ける業界の牽引役

セブンプレミアム

──2016年はコンビニ業界再編の年でした。業界勢力図が一変しましたが、セブン-イレブンの地位はまだ揺るぎません。なおも成長を続けるセブン-イレブンの強さは、具体的にどこにあるのでしょうか?

毛利:セブン-イレブンの国内総店舗数は、2017年5月末時点で19,589店舗と国内トップの規模を誇ります。現在も積極的に出店を進めていますが、新店だけでなく既存店の売上も好調で、まさに右肩上がりの成長を続けています。店舗の平均日販(1日の売上高)は、同社公表値で656,000円。平均客数は1,057人と、コンビニ業界でNo.1の実績です。こうした成長を支えているのは、独自の商品開発力、物流システム、情報システムにあると考えます。特に、商品面ではプライベートブランド(PB)時代がやってくると言われ続けて30年近く経ちながら、「安かろう悪かろう」のイメージを払拭できずにいた流通業界にあって、セブン-イレブンの「セブンプレミアム」の登場は、まさに「PB革命」とも言える画期的なものでした。品質が良く美味しければ、多少高くても消費者に受け入れられる。セブンプレミアムは、それを証明したのです。もちろん、消費者の価格意識が高い中で、100円程度の手頃な価格のPB商品も充実しています。顧客の多彩なニーズに応える品揃えの豊富さ、つまり商品開発力こそが、セブン-イレブンの強みだと思います。

──先ほどお話にあった顧客主義という理念が根付いているからこそ、高いレベルで商品開発力が維持できるのだと思いますが、もちろん精神論だけでは成果は出ません。何か特別な仕組みがあるのでしょうか?

毛利:セブン-イレブンの商品開発力は、「チームマーチャンダイジング」が支えていると言ってよいでしょう。チームマーチャンダイジングとは、メーカーやベンダーなどとチームを作って情報やノウハウを共有化し、商品開発を進める仕組みのことです。開発工程において、それぞれの専門分野の知恵と技術を組み合わせることで、非常に効率よく競争力の高い商品を生み出すことができるのです。この手法によって、セブン-イレブンは毎週約100アイテムの新商品をリリースしています。

──その他、セブン-イレブンの動向で注目しているポイントはありますか?

毛利:現在セブン-イレブンでは、セブン&アイ・ホールディングスグループの扱う180万点もの商品をネットで購入し、店頭で受け取れる「オムニ7」や、高齢社会で求められる宅配サービスにも取り組んでいます。先ほど、セブン-イレブンの強みとして商品開発力を例に挙げましたが、それもセブン-イレブンが持つ「時代の先を読む力」の1つに過ぎません。全方位にアンテナを張り巡らせ、顧客第一に新しい商品やサービスを生み出すセブン-イレブンは、今後も間違いなくコンビニ業界を牽引する存在であり続けるでしょう。

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chino

この記事の担当ライター:chino
ライター、Webディレクター、デザイナー。大手の求人媒体社を渡り歩き、長年にわたって求人広告の制作・ライティングや、サイトの企画・ディレクションに従事。マイナビ独立にはサイト立ち上げから携わる。
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