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公開日:2019/1/10
フランチャイズの基礎

開業までの方法・準備を徹底比較&解説!「独自開業」と「フランチャイズ」の違いとは?【第1回:コンセプト設計編】

独立・開業には、大きく分けて2つの方法があります。1つは「独自開業」で、もう1つは「フランチャイズ(※)」に加盟する方法です。端的に表すと、独力で独立するか、フランチャイズ本部の力を借りて独立するかの違いです。では、具体的に「独自開業」と「フランチャイズ」とでは、独立・開業するまでのプロセスにどんな違いがあるのでしょうか。このシリーズでは、飲食店の開業を例に、各工程を解説していきながら、両者の違いを比較していきます。第1回目は、開業準備の最初のステップである「コンセプト設計」について見ていきましょう。

(※)フランチャイズとは、「フランチャイズ本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)が契約を結び、加盟店がロイヤリティなどの対価を支払うことで、商標の使用権や商品・サービスの販売権、経営ノウハウの指導・教育などを受けられるシステム」のこと。ビジネスモデルがパッケージ化されているため、開業までのハードルを下げられるほか、開業前の立地選定や開業後の経営指導などフランチャイズ本部の失敗や成功を基に築き上げられたノウハウを得られるところが、最大のメリットです。

コンセプト設計

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「コンセプト設計」とは?

「コンセプト設計」とは、簡単に言えば、「どんなお店をつくるのか」「どんなサービスを提供するのか」という基本方針を決めることです。具体的には、以下のようなタスクがあります。

(1)業種・業態を決める
(2)店舗・サービスの方向性を決める
(3)開業に必要な資金を算出する

では、タスクごとに詳細を見ていきましょう。

業種・業態を決める

独立を希望している人には、「○○業で独立・開業したい!」とやりたいことが明確に決まっている人と、「とにかく独立したい!自分のお店を持ちたい」と思いが先行している人がいます。後者の場合、まずは「どんな業種・業態で独立するか」を決めなくてはいけません。

業種・業態を決める基準はいろいろとあります。これまで会社員として勤めていた業態なら経験を活かせますし、自分の趣味や好きなことに関連する業態を選ぶのも良いでしょう。また、「稼げる」ことを重視して、未経験の業態にチャレンジする道もあります。判断基準は人それぞれですが、いずれの場合もその業種・業態を分析し、今の景気はどうなのか、今後の成長性はどうなのか、しっかりと把握する必要があります。この先、市場の拡大が見込めない業態では、独立・開業しても大きな成功は期待できません。「独自開業」と「フランチャイズ」、どちらの方法であっても、業種・業態を決めるにあたって調査・分析は欠かさずに行いましょう。

独自開業の場合

業種・業態の分析をする際に有効なのが、上場企業の業績をまとめた「四季報」や、業種ごとの現状や今後の動向をまとめた「業界研究本」を読むことです。最新の情報が手に入るため、業種・業態ごとの現状や成長性など、傾向がよくわかるはずです。また、経験のある業態で独立・開業を考えている人は、人脈をフルに活かして情報収集するのも一手でしょう。尚、いろいろな情報を調査・分析したうえで、それでも「業種・業態を決めきれない」という場合は、フランチャイズでの独立も選択肢です。

フランチャイズの場合

まずは、インターネットに掲載されているフランチャイズ情報をチェックしましょう。業種・業態を問わず、さまざまなフランチャイズ情報に触れることで、どの業態が好調なのか、どんなビジネスが流行っているのか、トレンドがわかってくるはずです。また、先に気になるフランチャイズを見つけてから、その業種・業態の動向を詳しく調べてみる、という順番でも構いません。

店舗・サービスの方向性を決める

業種・業態を決めたら、次は店舗・サービスの基本方針を考えていきます。どんなお店にするのか、独立・開業に向けた設計図を具体化していく「コンセプト設計」の肝とも言えるタスクです。ここでは、飲食店の開業を例に話を進めていきます。

飲食店を開く場合、基本方針を固めるにあたって、第一に「ターゲット(中心となる顧客層)」を定めなくてはいけません。「こんなお店をつくりたい」というアイデアから逆算してターゲットを想定することもできますが、その場合でも必ず具体的なターゲット像をイメージしておくことが大切です。ターゲットを定めずに、「メニューはこうしたい」「内外装はああしたい」とバラバラに考えてしまうと、統一感のないお店になってしまいます。そうならないために、どんな年代・性別・嗜好の人をターゲットにするか、できるだけ詳細に決めておきましょう。
ターゲットは1つの層でなく、複数の層を設定しても構いません。ターゲットが定まったら、「メニュー」や「内外装」の方向性を決めていきます。さらに、「出店エリア」に関しても、ターゲットに合う立地を想定し、ある程度の目星をつけておく必要があります。

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独自開業の場合

当然のことながら、ターゲットを設定し、メニュー、内外装の方向性を決め、出店エリアを想定するところまで、自分自身で考え、方針を決めなくてはいけません。基本的には、自分が「こうしたい」というアイデアを具体化していく作業になりますが、すべてをイチから考えるのは容易なことではありません。そこで欠かせないのが、競合分析です。たとえば、業界誌を読んだり、出店候補地に足を運んで競合店をリサーチしたり、さまざまな方法で情報を集めて方針決定に活かすことが、独自開業で成功するカギと言えます。

フランチャイズの場合

フランチャイズでの独立の場合、「店舗・サービスの方向性を決める」という作業は必要ありません。フランチャイズは、ビジネスモデルがすべてパッケージ化されています。そのため、方針を「決める」のではなく、自分の考えに合うフランチャイズを「選ぶ」という作業になります。まずは飲食系のフランチャイズ情報をくまなくチェックし、どういう方針で運営しているのか、どういう層をターゲットとしているのか、どんなメニューを提供しているのか、それぞれの特長や強みを調べます。興味のあるフランチャイズがあれば、積極的に資料を請求したり、説明会に参加して具体的な情報を集めるのが近道。「これだ!」と思えるフランチャイズに出合えたとしても、必ず競合となるフランチャイズの資料を取り寄せ、比較検討することが大切です。「どのフランチャイズが良いのか判断できない」という場合は、出店数の多い大手フランチャイズや、長年にわたって続いているフランチャイズに注目すると良いでしょう。

フランチャイズの独立開業情報を見る
フランチャイズの説明会を見る
相談窓口を活用する

開業に必要な資金を算出する

独立・開業には、先立つものが必要です。特に、飲食店の開業となると、最低でも1000万円程度(物件取得費込み)はかかると言われています。具体的な開業準備に入る前に、「どれくらいの資金が必要なのか」を把握しておくことは非常に重要です。店舗・サービスの方向性しか固まっていない段階で正確に見積もることは難しいものの、想定している出店エリアや内外装のイメージから、おおまかな予算を割り出すことはできます。必要資金の概算がわかれば、融資も視野に入れて資金準備を進めることが可能になります。

独自開業の場合

飲食店の開業資金のうち、店舗を借りるために必要な物件取得費と、店内の内外装工事や設備導入にかかる費用が大きなウェートを占めます。物件取得費については、想定している出店エリアの不動産情報をチェックして、賃料や保証金などの相場から、概算の費用を見積もることができます。当然、広さや階数などによって金額は異なるので、「○○のエリアで10坪、1Fの物件なら○○○円くらい」「15坪、2Fなら○○○円くらい」と、条件ごとの相場を頭に入れておく必要があります。内外装工事費や設備費に関しては、実際に借りる物件の状況や、依頼する業者によって金額に大きな差が出ます。そのため、この段階で想定できる金額は、あくまでも「概算の概算」でしかありません。それでも、インターネットや業界誌などの情報を参考にして、標準的な金額を把握しておくことが大切です。

フランチャイズの場合

フランチャイズでは加盟契約時に加盟金や保証金が必要となります。それらの費用は公開されているため、事前に把握することができます。物件取得費や内外装工事費、設備導入費については、独自開業と同様に、この段階でハッキリとした金額を見積もることはできません。ただし、独自開業と大きく違うのは、フランチャイズ本部が多くの出店事例を持っていることです。そうした情報を本部に確認し、参考にできるところが、フランチャイズのメリットと言えるでしょう。 フランチャイズの場合、基本的に内外装や設備は統一されているため、物件の状況や広さによって多少の違いはあるものの、「この広さなら○○○円くらい」という過去の相場から大きく金額が離れる可能性は低いと言えます。物件取得費についても、想定している出店エリアの近隣の事例から相場を確認できるうえに、利益を出すために適した賃料相場の情報も知ることができます。特に出店数の多いフランチャイズであれば、概算とは言え、ある程度の精度で必要な資金を見積もることが可能です。

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「独自開業」と「フランチャイズ」の違いに関するまとめ

飲食店の開業を例にして、「コンセプト設計」にはどんな作業が必要なのか、「独自開業」と「フランチャイズ」のケースを比較しながら細かく確認してきました。「コンセプト設計」には大きく3つのタスクがありましたが、各タスクにおいて、大きな違いがあることがわかったと思います。
たとえば、「業種・業態を決める」「店舗・サービスの方向性を決める」というタスクに関しては、独自開業では「分析する」「決める」という作業を自分で行う必要があるのに対し、フランチャイズの場合は多くのフランチャイズ情報に触れて「チェックする」「選ぶ」という作業がメインとなります。「開業に必要な資金を算出する」というタスクでは、概算の見積もりを出すために、参考となる情報を集める必要があるのはどちらも共通ですが、「情報収集のしやすさ」や「手に入る情報の精度」には大きな違いがあります。この点においては、多くの事例データを持つフランチャイズのほうが有利と言えるでしょう。次回は、飲食店開業の次のステップである「メニュー開発」という工程において、どんな違いがあるのかを見ていきましょう。

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