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2018/10/2
インタビュー

店独自のホスピタリティーで差をつける。理美容・エステFCを成功させる秘訣

美容室や理容室、エステ、ネイルサロンなど、さまざまな業態がある理美容・エステ業界。女性だけでなく、近年は男性の利用者も増え、理美容・エステ業界のフランチャイズビジネスも増加傾向にあります。一方で、スタッフの離職率の高さも、この業界ならではの特徴です。

今回は、理美容・エステ業界に対して知見を持つ中小企業診断士の矢板ゆき江さんに、業界の現状や特徴、他店と差をつけるためのポイントなどをお聞きしました。理美容・エステ業界のフランチャイズ加盟において、オーナーが成功させるために必要なこととは?

店独自のホスピタリティーで差をつける。理美容・エステFCを成功させる秘訣

安定した市場を維持する理美容・エステ。
新業態のまつエク、ネイルサロンは伸びしろがある

矢板ゆき江さん

──まず、理美容・エステ業界の市場動向を教えていただけますか?

矢板:理美容の市場規模は2兆1,575億円、エステの市場規模は3,579億円ほど(株式会社矢野研究所「エステティックサロン市場に関する調査(2017)」)。最近は女性の社会進出により、職場など周囲の目を気にして脱毛サロンなどに通う女性が増え、脱毛市場もゆるやかに成長を続けています。一方で、美顔、痩身、ボディケアなどのエステ市場は、中高年女性の固定客に支えられつつも、横ばいの状況です。

理美容・エステ業界全体を考えると、人口減少などの影響もあり、市場規模としては頭打ちかなと捉えています。ただ、まつエクやネイルサロンなどの比較的新しい業態であれば、利用したことのない消費者も多くいるので、まだまだ伸びしろがあると思います。

──矢板さんは、中小企業診断士としてご活動されていますが、理美容・エステ業界のフランチャイズ開業希望者からはどんな相談が多いですか?

矢板:国から支給される補助金と助成金の種類はどんなものがあるかという相談が多いですね。私がおすすめしているのは、「キャリアアップ助成金」や「人材開発支援助成金」。「キャリアアップ助成金」は、アルバイトや契約社員など、正社員以外のスタッフのキャリアアップに取り組む事業へ助成してもらえる支援金です。

「人材開発支援助成金」は、雇用するスタッフに対して業務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための職業訓練を行なったとき、訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部を助成してくれます。いずれもスタッフの育成に役立つものです。

あとは、「小規模事業持続化補助金」という宣伝広告に役立つ補助金もあります。雇用しているスタッフが5名以下であれば、チラシの作成や折り込み広告の費用として使うことができます。

──理美容・エステ業界は技術と資格ありきの世界ですが、施術未経験者でもオーナーになれるのでしょうか?

矢板:資格がなく、投資感覚で始める経営者ももちろんいます。たとえば、まつエク業界最大手でフランチャイズ展開しているA社は、オーナーは資格なし、本部からアイリストを派遣すると謳っているんですよ。

まつエクやネイルサロンは設備投資が少なくて済みますし、直接施術を行わないオーナーならば、国家資格も不要なので、その点では始めやすい業種だと言えます。しかし、いくら資格が不要と言っても、オーナーが業務内容に無関心ではいけません。長く経営を続けるには、市場の動向や流行を常に把握しておくべきですね。

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低価格と高級、二極化する路線。
顧客獲得の分かれ道は「付加価値の有無」

低価格と高級、二極化する路線。顧客獲得の分かれ道は「付加価値の有無」

──まつエク、ネイルサロンを開業する場合、初期費用はおおよそどれくらい必要でしょうか。

矢板:大手フランチャイズチェーンであるA社でまつエク店を開業すると、初期費用は940万円ほど。その内訳は、加盟料150万円、開業支援費用350万円、内外装費350万円前後(物件による)、設備費用100万円ほど(ただし、初期費用は物件状況や契約内容により変動)。フランチャイズでなく、個人開業であれば、加盟料、開業支援費用などは不要となります。

つまり、開業費用はフランチャイズのほうが高くなりますが、開業支援として、立地選定などをアドバイスしてもらえるので、集客面で大きな失敗をしにくいのがメリットです。

──まつエク、ネイルサロンは、マンションの一室で開業できることも特徴のひとつですよね。

矢板:8万円くらいのワンルームマンションを事業所として借りる場合、保証金として大体10か月分から1年分を納める必要があります。内装費はピンキリですが、リラックスできるラグジュアリーな雰囲気にしたい場合は、質のよい家具や間接照明などを取り入れたり、空気清浄機を設置したりすることで、最低でも50万円はかかると思います。施術用のベッド・テーブル代もマストです。ただ、どこまで初期投資するのかは、事業規模次第だと思います。

ちなみにまつエクの原価率は5%、ネイルは10%程度(いずれも人件費を除く)と比較的安く済みますが、施術時間をお客さま1人あたり30分?1時間と考えると、対応が可能な人数はおおよそ1日6人まで。

もちろんマンションの部屋の広さによっては、複数の施術台を設置することも可能なので、その場合は何人のスタッフを雇って、どれくらいの規模で事業を展開したいのかを想定しておくことも重要です。この業種で一番お金がかかるのは人件費なので、設備投資とのバランスを考える必要がありますね。

──一見、差別化が難しそうな業界ですが、理美容・エステ業界でフランチャイジーの店舗がオリジナリティーを打ち出していくにはどういった工夫やアプローチをしていく必要がありますか?

矢板:あるエステのフランチャイジーの店舗では、イベントの集客のためにスタッフが顧客のご自宅に訪問し、直接ご案内するという方法に取り組んで、売上・利益率とも飛躍的に向上させたそうです。

最初聞いたときは驚いたのですが、よくよく考えてみれば、時間と手間をかけて挨拶に訪れたスタッフと直接話すことで、顧客の安心感にもつながります。チェーンへの信頼感と知名度がしっかりあったからこその施策だと思います。

また、友人紹介割引プログラムや、カウンセリングサービスを行っているフランチャイズもありますので、そういった付加価値も加盟先を選ぶときの参考になるかもしれません。

──フランチャイズに加盟すると、知名度や独自サービスの恩恵を受けられるメリットがあるんですね。いっぽうで、ある程度の枠組みが決まっているので、お店独自の付加価値をつくっていくのは難しいのでしょうか。

矢板:たしかに、チェーン全体のブランディングや方向性もありますからね。ただし、一般的なお店と同じように、オーナーの個性、ホスピタリティーで差をつけることは可能です。お客さま一人ひとりと話した内容を覚えておいて、次に来たときに無駄な質問を省いてから施術をスタートしたり、共通の話題で盛り上がれたりするだけでも、リピーターになる可能性が高まります。

実際にお客さまと接するのはスタッフなので、こういったホスピタリティーをお店の文化として根づかせるのは、オーナーのマネジメント力にかかってきますが、そのあたりは学んでおいたほうがいいかもしれませんね。

また、基本的なことですが、来店してもらったお客さまには「期待を裏切らず、満足してもらうこと」が一番重要です。そのためには、お店のウェブサイトに、サロンの雰囲気、スタッフの顔、施術例がわかる写真などをアップしておくと良いでしょう。それを知ったうえで来店してもらうことで、来店した際のギャップを減らすことができると思います。

本部がスタッフ確保をサポートする場合も。
定着させるためには、密なコミュニケーションが必須

本部がスタッフ確保をサポートする場合も。定着させるためには、密なコミュニケーションが必須

──理美容・エステ業界では、人材がなかなか定着しない、そもそも採用自体が難しいという現状があると聞きます。フランチャイズに加盟することで、得られるメリットはあるのでしょうか。

矢板:やはり、大手のフランチャイズチェーンであるほど、知名度が高いため、求人の応募が多いのは事実です。

無名の個人店の場合、コストをかけて求人広告を出稿したとしても、店の取り組みやコンセプトが十分に伝わらず、応募者が躊躇してしまう可能性もあります。名前が通っているフランチャイズ店なら、応募者はどんな店かある程度はわかっているので、応募しやすいですよね。

それに、前述したまつエク最大手企業のように、本部がスタッフを送り込んでくれるケースもあります。採用において、フランチャイズは比較的有利であると言えるのではないでしょうか。

──スタッフの離職についてはどのように対策すればいいでしょうか。

矢板:美容業界に身を置く方たちは業種を問わず独立志向が強いので、どうしても仕方ない面はあります。しかし、離職率を下げ、新人教育コストを減らすためにも、スタッフがやりがいを持って成長していける環境づくりは重要です。

その点、フランチャイズでは加盟店全体での表彰制度やスタッフ間の交流があるので、一店舗という小さな世界だけにとどまらず、常に刺激を受けられる環境があるといえます。

また、本部がこれまでのノウハウを活かして構築してきた人事制度を活用できるのは大きいと思いますね。

──フランチャイズ本部がサポートしてくれる面では、ほかにどんなことがありますか?

矢板:研修制度と商品の仕入れのサポートですね。接客や新しい技術、商品の情報を自分からキャッチアップしなくても、本部からそれらを都度知らせてくれるんです。仕入れに関しては、本部でシャンプーやコンディショナーなどを一括で仕入れると、個人店で買うよりも安く仕入れられるので、そこでコストが抑えられるのは大きいと思いますね。また、税務や社労関係でも、本部が起用している理美容に精通した専門家を紹介してもらうこともあります。

──これから開業する方たちに向けて、今後の展望を踏まえたうえでメッセージをお願いします。

矢板:付加価値を生み出す仕組みをつくることで、利益を拡大できるチャンスがある業界です。付加価値を生み出すポイントは、お客さまにとっての心地よさを意識すること。施術だけでなく、コミュニケーションや内装空間を含めて、フォーマットが決まったフランチャイジーの店舗でも打ち出せるオリジナリティーを突き詰めてみてください。

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矢板 ゆき江

経営コンサルタント / 中小企業診断士、MBA。大学卒業後、法律事務所、企業の法務・コンプライアンス部門で法律実務に携わりながら、社会人大学院に通い、中小企業診断士・MBAを取得し、独立。年間300回以上の経営支援・コンサルティングを行っている。「中小企業診断士矢板ゆき江経営事務所」代表。東京都中小企業診断士協会フランチャイズ研究会所属。

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