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公開日:2018/8/1
フランチャイズインタビュー

50歳で脱サラ開業。20代後半から独立を目指し、買取・リユースのフランチャイズビジネスで大黒屋を選んだ理由とは?

「大黒屋 金町北口店」のフランチャイズオーナーとして、2013年に独立・開業した加田收(かだ おさむ)さん。大学を卒業後、25年以上にわたって大手小売企業に勤め、店舗運営、金融商品開発、グループ予算管理などに従事してきた加田さんが、50歳で脱サラして独立した理由とは?そして、なぜフランチャイズでの独立・開業を選択し、「大黒屋」のビジネスを選んだのか?開業当時の思いを率直に語っていただきました。

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定年を迎えた上司や先輩を見て感じていた「もったいない」という思い。自分は定年とは無縁の働き方をしたかった。

加田オーナーメイン

──加田さんは、50歳までサラリーマンとして働いていたとお聞きしています。そのまま定年まで勤め上げようとは思わなかったのでしょうか?

加田:サラリーマン時代、役職定年や定年退職を迎えた上司や先輩の姿を何十人と見てきました。それまで、本部長や部長として毎日バリバリ働いて、私をはじめとする後輩や部下に的確な指示やアドバイスをしてくれていた方々が、年齢を理由に第一線から退いてしまう。まだまだ元気に働けるのに、「もったいないな」と感じていました。退職した上司や先輩から、「今は、町内会の将棋クラブに通うことが日課になっている」といった話を聞くと、決してそういう生活を否定するわけではありませんが、自分の身に置き換えたときにしっくりこない感覚がありました。「自分は60歳、70歳になってもずっと働いていたい」という思いが強く、定年までに「自分の城を持とう」と考えていました。

──ずっと「いつかは独立したい」と思っていたんですね。加田さんは、元々独立志向だったのでしょうか?

加田:私が小学生の頃に、親が脱サラして布団店を始めました。常に自分の生活のそばに「商売」というものがあって、何かをやれば成果が出て、ときには失敗することもある。そういう姿を間近で見てきたので、商売そのものへの興味はずっと持っていました。大学でマーケティング論を専攻し、就職先として大手小売業を選んだのも、親が商売をやっていた影響が大きいと思います。サラリーマンになってからも、「いつかは自分で開業したい」というビジョンは、いつも念頭にありました。

──若い頃から独立志向だったんですね。

加田:そうですね。20代の頃から、将来的には独立しようと考えていました。開業するにあたってはお金が必要ですから、20代、30代はコツコツと資金を貯めていた、という感じですね。開業するタイミングが若すぎると、資金を十分に貯めるのが難しく、逆に年を取りすぎてしまうと、商売できる期間が短くなってしまう。そのため、開業するのであれば40代が理想だと思っていました。実際に開業したのは50歳のときでしたが、ほぼ計画通りのタイミングでしたね。

──独立・開業にあたって、「業種」についてはどのように検討したのでしょうか?

加田:ずっと小売業で働いていたので、開業するなら「接客業」と考えていました。それまで数多くのお客様と接してきたので、接客については自信がありましたし、体得してきたものをそのまま活かせる業種であれば、自ずと売上につながるだろうと思っていました。どんな仕事でも、人によって向き・不向きがあると思いますが、苦手なことをマニュアル通りにやるよりも、得意なことを自然に発揮できる仕事のほうが、ムリせずにうまくいくものだと思います。もちろん、独立・開業にあたって経験がない仕事にチャレンジするのも1つの選択だとは思いますが、私は「すでに自分が持っているものを活かそう」と考えました。そのほうが、「ジャンプ力」があると思ったのです。

商売には「看板」と「仕組み」が必要。「業界トップクラスのフランチャイズに加盟する」という選択以外なかった。

加田さんインタビュー

──最初から「買取・リユースをやろう」と考えていたわけではないんですね。

加田:そうですね。「接客業」という切り口で、いろいろな業種を検討しました。コンビニや学習塾、無店舗型のリペアサービスなど、さまざまなフランチャイズ本部の資料を取り寄せ、説明会や面談にも通いました。本格的に検討を始めたのは45歳を過ぎてからですが、すでに20代後半から代表的なフランチャイズチェーンについてはリサーチを始めていたので、検討期間はトータルで約20年、全部で40~50社は検討したと思います。

──20代の頃からフランチャイズを検討されていたんですね!?加田さんは、最初から「個人での開業」は考えていなかったのでしょうか?

加田:それはまったく考えていませんでした。フランチャイズでなければ、独立していなかったと思います。

──それは、なぜですか?

加田:商売には「看板」が必要です。たとえば、私が個人で「加田商店」を開いて、コロッケ屋さんを始めたとしましょう。どんなに丁寧な接客をしていても、どんなに美味しいコロッケをつくっていても、来店したことがないお客様に、その良さは伝わりません。もちろん、コツコツと努力を続けることで、お客様の数は増えていくかもしれませんが、「看板」があるとないでは、集客力に差が出ることは間違いありません。特に、業界トップクラスのブランドによる集客力は圧倒的です。これは、経営者本人の努力でどうにかなる次元の話ではありません。そういう確信があったので、独立・開業の方法として「業界トップクラスのフランチャイズチェーンに加盟する」という考え以外はありませんでした。

──「フランチャイズありき」の独立だったわけですね。では、最終的に買取・リユース、そして「大黒屋」を選んだ理由はなんだったのでしょうか?

加田:先ほどもお伝えした通り、開業に至るまでさまざまな業種のフランチャイズチェーンを検討しました。20年にわたって研究していましたから、「このビジネスは年々開業に必要な投資額が大きくなっている」「この業種は競合が増えてきている」といった市場の変化もいろいろと感じていました。その中で、買取・リユースに興味を持った最大の理由は、「投資額が他のビジネスよりも少ない」ということ。店舗に必要な坪数が少なく、冷蔵庫やフライヤーなどの設備も不要。駐車場も必要ない。投資のリスクを抑えて開業できるところにメリットを感じました。
また、自分のサラリーマン時代の経験や趣味を活かせることも大きなポイントでした。小売業の経験の中で、業務上商品券を扱うことも多かったですし、金融商品を開発する部署にいたときには貴金属も扱っていました。また、株式投資が好きなので株主優待券にも馴染みがあり、趣味や業務上の経験で自然と培ったノウハウがそのまま活かせるという点で、買取・リユースは魅力的でしたね。

──まずは買取・リユースに興味を持ったわけですね。そこから、「大黒屋」に行き着いた理由を教えてください。

加田:まず第一に、知名度の高さですね。買取・リユース業界の中で、チケットと貴金属の両方を扱っているフランチャイズチェーンとして、「大黒屋」のブランド力は圧倒的ですから。

──先ほどおっしゃっていた「看板」の部分ですね。他にも理由はありますか?

加田:もう1つ、管理システム、つまり経営の「仕組み」が完成されていることが大きなポイントでした。大黒屋には、すべてのフランチャイズ加盟店が共通で使用するシステムがありますが、このシステムによって販売額や買取額はもちろん、在庫状況や、商品ごとの利益率などを把握することができます。経営というのは難しいもので、金庫に現金がたくさんあれば良いというわけではなく、次の売上をつくるために商品を積極的に買い取るアクションも必要です。こうしたお金の管理は、ある程度は感覚でもできますが、お金の流れを正確に把握して、経営に活かすためにはシステムが絶対に欠かせません。サラリーマン時代にグループの予算を管理する部署にいた経験から、適正な会社経営にはシステムが必要だという考え方が染み付いていたので、フランチャイズチェーンを選ぶにあたって「きちんとした管理システムがあること」は非常に重視しました。

開業6年目で1店舗、年商2億円。整いつつある「長く働き、継続して儲けを得る」ための土台。

加田さん仕事風景

──最終的に「大黒屋」に絞ったのは、いつ頃だったのでしょうか?

加田:「大黒屋で開業したい」という意志を固めたのは、開業する約1年前だったと思います。そこから開業に向けて具体的な準備に入ったわけですが、もっとも時間を費やしたのは物件探しでした。開業にあたっては、フランチャイズの仕組みだけでなく、店舗の立地が何よりも重要だと考えていました。そのため、物件選定を本部に任せっきりにするのではなく、自分自身でも物件探しに奔走しました。金町の物件が候補に挙がったあとも、毎日店舗前の通行量を早朝から深夜まで調査し、自分の中で判断できる材料を集めたうえで最終的に出店を決めました。物件を探し始めてから決定するまで、だいたい6カ月はかかったと思います。

──ご自身で物件を決めてから、フランチャイズ契約を結んだわけですね。開業資金については、すべて自己資金でまかなったのでしょうか?

加田:そうですね。開業初年度から経営が安定するとは想定していなかったので、少なくとも開業に必要な資金に加えて、当面の生活費に充てるためのお金を貯めていました。独立するには、それくらいの覚悟が必要だと思っていたので、最初から「誰かにお金を借りる」という発想はなかったですね。
結果的には、初年度からきちんと生活できるだけの利益を出すことができ、初年度よりも2年目、2年目よりも3年目とリピーターのお客様が増えて、経営は年々安定してきています。

──加田さんが独立・開業されてから5年以上が経ちますが、「開業して叶えたかったこと」は実現できていますか?

加田:元々「長く働き続けたい」という考えがあって独立したわけですが、その裏には独立・開業する以上は「儲けたい」という思いがありました。私は、「儲け」に一番重要な要素は、「時間」だと考えています。一発でドカンと大きく儲けるよりも、継続して安定した収入を得るほうが、結果的に多くの儲けにつながります。「長さ」に勝る儲けの手段はありません。だからこそ、私は定年を気にせずに、長く働ける独立・開業の道を選んだのです。先ほどもお伝えした通り、おかげさまで経営は順調で、開業から2年後には法人化し、現在の年商は1店舗で約2億円です。「長く働き、儲けを得る」という思いを実現するための環境が、着々と整いつつあるという印象ですね。

──最後に、今後の目標を教えてください。

加田:今の事業を、着実に進めていきたいと考えています。リスク回避のために、いろいろな事業を展開する経営者もいますが、今のところ他の事業には興味がありません。多事業を展開すると、経営者としての集中度が分散してしまい、逆にリスクが大きくなるような気がしています。また、大黒屋の店舗を増やしていくという方向性もありますが、そこは慎重に進めたいと思っています。複数出店を目的に人を集めるというよりは、「良い人がいれば、もう1店舗出店を検討する」という考え方ですね。場合によっては、このままずっと1店舗で続けていくかもしれません。私の場合、ムリして大きく儲けることよりも、長く事業を継続することが目的ですから。

加田收さんのフランチャイズ独立ストーリーまとめ

  • 定年を気にせずに、長く働き続けるための手段として独立・開業を考えた。
  • 最初から「フランチャイズありき」の独立。個人での開業はまったく考えていなかった。
  • 低い投資額で開業できるという理由で買取・リユースに興味を持ち、圧倒的なブランド力のある「大黒屋」を選んだ。

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大黒屋 金町北口店オーナー 加田 收(かだ おさむ)

大学時代はマーケティング論を専攻。大学卒業後、大手小売企業に就職。3年間の店舗経験を経て、カード戦略、金融商品開発、グループ予算管理などの業務に従事。2013年、50歳で「大黒屋 金町北口店」のフランチャイズオーナーとして独立・開業。2015年に法人化。現在、「大黒屋 金町北口店」は開業候補者の見学店舗、開業前の研修実施店舗となっている。
※取材時点の情報です

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