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公開日:2023/1/17
フランチャイズインタビュー

8年続けた個別指導塾の経営を辞めて「自立学習 RED」のFCオーナーに!業態転換後、仕事や生活はどう変わったのか?

個別指導塾のパイオニア「明光義塾」を展開する明光ネットワークジャパンと、業界トップクラスのシェアを誇る塾向け教材「フォレスタ」シリーズを手がけるスプリックス。教育業界大手の2社がタッグを組み、新たに誕生した「自立学習 RED」。AIを搭載したタブレット教材により、生徒1人ひとりに最適化された指導カリキュラムを提供し、「自分から勉強する力」を育てる独自のスタイルで注目を集めています。その金沢八景六浦教室の教室長を務める前田佳史(まえだ よしふみ)さんは、それまで別の塾のフランチャイズチェーンオーナーとして個別指導塾を経営していたそうです。前田さんが「RED」に業態を転換した理由、開業に至る経緯、開業後の変化など、さまざまなお話を伺いました。

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8年間個別指導塾を経営する中で芽生えた「新しい業態に挑戦したい」という想い。スプリックスの理念やサービスに惹かれて「RED」に興味を持った。

前田オーナーメイン

──前田さんが「RED」の金沢八景六浦教室を開校したのは2020年8月と伺っています。それまではどんな仕事をされていたのでしょうか?

前田:以前は、別の塾のフランチャイズオーナーとして個別指導塾を経営していました。39歳のときに脱サラして独立し、約8年間続けました。

──会社員時代も教育関係の仕事をされていたのでしょうか?

前田:いえ、大学を卒業してからアパレルメーカーに勤め、3年ほど百貨店に対しての婦人服の営業を担当していました。その後、頭髪化粧品のメーカーに転職し、主に代理店営業として代理店さんを通じて美容室に商品を販売する仕事を行っていました。

──元々、将来は独立しようと思っていたのですか?

前田:明確な独立志向があったわけではありませんが、30代の半ば頃から「サラリーマンは向いてないな」と思うようになりました。会社員の働き方が窮屈になってきたというか、ずっと課題を与えられる感覚が嫌になってしまって…。そもそも性格的に人から指示されることがあまり好きではないので、このまま続けるのは難しいかなと。それから、当時営業先として美容室を回っていたのも大きいですね。美容室はほとんどが個人経営ですから「独立」という働き方が身近にありましたし、年収1億円以上を稼ぐオーナーさんたちの姿を見て「夢があるな」と感じていました。

──それで39歳のときに脱サラしたわけですね。そのとき、ご家族の反応はいかがでしたか?

前田:突然「独立したい」と言い出したわけではなく、4、5年にわたって「サラリーマンは向いてない」という話をしていましたから、妻は「じゃあ、やってみたら?」という反応でしたね。反対されることもなく、すんなりと受け入れてくれました。

──独立・開業する業種として、なぜ未経験だった教育業界を選んだのでしょうか?

前田:教育業界で働いた経験はないものの、実は教育学部の出身で小学校の教員免許を持っていたんです。私は福井県の出身で、教育熱心な県として知られる環境で育ったからか、子どもの頃からなんとなく「学校の先生ってかっこいいな」と思っていました。結局、就職時に教員の道は選びませんでしたが、独立・開業を検討する中で、改めて「自分にできること」を考えた結果、「教育業界」という選択肢が自然と浮かび上がってきた感じですね。

──では、最初から教育業界に絞って検討されたのですか?

前田:いえ、そういうわけではないんです。最初は自分に何が向いているのかわからなかったので、業種は絞っていませんでした。ただ、ゼロから独立・開業するスキルや知見がないことは自覚していましたから、「フランチャイズ」という考えは当初から念頭にありましたね。それで、フランチャイズの情報が載っている雑誌を見たり、フランチャイズ加盟に関する展示会に行ったりして情報を集めるところからスタートしました。飲食店や古着店など、生活に身近な店舗ビジネスを中心に色々なフランチャイズ本部の説明会に参加しましたが、スキル的にも費用的にも一番自分にできそうなイメージが湧いたのが塾のフランチャイズだったんです。

──最終的に何社の説明会に参加しましたか?

前田:業種問わず15〜16社、塾のフランチャイズ本部は5〜6社だったと思います。その中で、もっとも説明に納得感があり、対応も丁寧だった本部に加盟を決めました。

──それから約8年にわたって、その本部のフランチャイズオーナーとして個別指導塾を運営されたわけですね。8年も続いたということは事業として軌道に乗っていたと考えられますし、そのまま継続する選択もあったと思います。なぜ、辞めようと思ったのでしょうか?

前田:事業的には順調でしたし、当時約70名の生徒がいましたからやりがいも十分にありました。ただ、8年間やって個別指導塾の課題もわかってきた中で、次の10年、15年先を見据えて今のうちに新しい塾の業態にチャレンジしてみたいと思ったんです。それまでの経験を通じて得たノウハウを活かし、次のステージでも成果を出せる自信もありました。もちろん、異なる業態の塾を複数展開するという選択肢もありましたが、資金や時間的なリソースを集中させたいと考え、既存の個別指導塾は手離し、新たに別業態の塾を開業することにしました。

──新しい塾の業態として「RED」に興味を持ったのは、どういうきっかけがあったのですか?

前田:元々は、「RED」の運営に携わっているスプリックスに興味があったんです。私が経営する個別指導塾でもスプリックスの教材を利用していましたし、年に何度か開催される同社の社長によるセミナーにも参加していました。社長のお話などから感じていたのは、スプリックスは「子どもの成績を上げることを最優先に考えている会社である」ということ。データを重視し、子どもの成績アップという目的からの逆算で理論立ったサービスを開発している印象を持っていました。私自身、個別指導塾を経営する中で成績が思うように上がらない生徒を見て、後ろめたさを感じることもありましたから、スプリックスの考え方や手法には非常に注目していました。それで、スプリックスが明光ネットワークジャパンと組んで「自立学習 RED」という塾のフランチャイズを始めたと聞いて、すぐに興味を持ったんです。

説明会や面談を通じてますます高まった「RED」への期待感。採用関連のコストを抑えられる点も大きな安心材料だった。

前田さんタブレット

──「RED」に興味を持ってから、どんなアクションを起こしたのでしょうか?

前田:まずはスプリックスが主催する「RED」の説明会に申し込みました。当時は同業他社のフランチャイズオーナーという立場でしたから、「こういう者ですが、説明会に参加しても問題ないでしょうか?」と素性を明かし、きちんと了承いただいてから参加しましたね。時期としては2019年10月頃だったと思います。その後、加盟を前提に明光ネットワークジャパンの開発担当者を紹介していただき、数回の面談を経て具体的な開業準備を進めていきました。

──説明会や面談での印象はいかがでしたか?イメージとのギャップなどはありませんでしたか?

前田:ギャップはまったくなかったですね。スプリックスの社長がおっしゃっていた内容と一緒だなと。ここなら、スプリックスの教材をロジカルに活用して、最大限の効果が出せる。その期待感が高まって、「早く開業したい」ということしか考えていませんでした(笑)。

──収支計画など、経営的な面での不安や懸念はありませんでしたか?

前田:それまでの経験に基づいてある程度収支の状況は予想できたので、その心配もありませんでした。「RED」の場合、個別指導塾と比べると単価が低いので売上自体は下がるけれども、運営コストがかからないから利益は十分に出るだろうと。何より講師を採用する必要がないので人件費などのコストを抑えられる点は大きな安心材料でした。

──では、「RED」への加盟はトントン拍子に進んだんですね。前田さんの場合、同時並行で個別指導塾のオーナーを辞める準備も必要だったと思いますが、こちらもスムーズに進んだのでしょうか?

前田:そうですね、特にトラブルもなく順調に進みました。フランチャイズ本部にきちんと事情を話して「契約を解除したい」という意思を伝えたところ、意向を汲んでくださって新しいオーナーに引き継ぐ手配を進めてくれました。ありがたいことに最初に候補に挙がったオーナーさんが引き継いでくれることになり、2020年6月に手離すことができました。そこから本格的に「RED」の開業準備に入り、7月には物件を契約して施工に着手。8月に開校しました。

──「金沢八景六浦教室」は、横浜市金沢区六浦にあります。この物件を選んだ理由を教えてください。

前田:物件を探すにあたって、エリアは横浜市の南部に絞りました。自宅のある葉山方面から自転車で通えて、かつ子どもの数も多いからです。もう1つ、物件探しで重視したのは以前経営していた個別指導塾の商圏から離れた場所にあること。同じ商圏で競合するのは避けたいという思いがありました。今の物件はこうした条件を満たす立地で、家賃もリーズナブル。見つけてすぐに本部(明光ネットワークジャパン)の開発担当者に相談し、不動産会社との交渉を任せました。代わりに対応してもらうことで準備の負担が軽くなるだけでなく、シビアな交渉のおかげで保証金が減額になるなど、より良い条件で契約することができたので、本部には感謝の気持ちでいっぱいですね。

──前田さんは塾経営の経験者ですが、開業前の準備として研修は受けられたんですか?

前田:2週間の開業前研修を受けました。内容としては、例えば生徒に楽しく通ってもらうために生徒や保護者とどのようにコミュニケーションを取るのが効果的か、生徒募集においてどのタイミングで電話をかけると入会率が高まるかなど、データに基づくノウハウが得られて、勉強になることが多かったですね。

──開業資金はすべて自己資金でまかなったのでしょうか?

前田:いえ、用意した資金の約半分が自己資金で、もう半分は借り入れました。当初は日本政策金融公庫(以下、日本公庫)から融資を受けようと思っていましたが、ちょうどコロナ禍で日本公庫への相談が急増したタイミングだったため、面談の予定をなかなか入れることができず、スピードを優先して地元の信用金庫に申し込みました。こうした想定外の出来事はあったものの、最初の開業時に比べるとスムーズに借り入れを進めることができましたし、経験を踏まえて余裕を持った資金を用意することもできました。ただ、それでも少し見込みが甘く、後日追加で日本公庫から運転資金を借り入れることになったのですが…。

──「見込みが甘かった」というのは、具体的にどういうことでしょうか?

前田:最初の半年間に、想定していたペースで売上が上がらなかったということですね。原因は単純で、開業した時期が良くありませんでした。通常、塾は学年が変わる前の2月、3月に生徒が集まり、夏季、冬季に集中して受講が増える傾向があります。8月の開校から順調に生徒数は増えていたものの、まだ冬季に受講が急増するような状況ではなかったので、思うように売上が伸びなかったという感じですね。

──開業直後、生徒はどのような方法で募集したのでしょうか?

前田:開業から半年間は本部による集客サポートがあって、SNSを使ったWebマーケティングから問い合わせ対応まで一貫して対応してくれたので非常に心強かったですね。本部の施策に頼りつつ、私はひたすら近隣エリアにチラシをポスティングしていました。

──現在(2022年12月取材当時)の生徒数は、何名くらいでしょうか?

前田:今は50名くらいですね。開校から毎月約3名ずつ増えている状況です。1年経った頃から、地域での認知度が広がってコンスタントに問い合わせが入るようになりましたし、成績が上がった生徒からの紹介も増えてきました。開校から約2年で50名は良いペースだと思っています。

後悔する気持ちはゼロ。生徒に向き合える時間が増え、「成績アップのためにどういう貢献ができるか」という使命感がより強くなった。

前田さんインタビュー

──現状、教室を運営するうえで課題に感じていることはありますか?

前田:新たな取り組みが必要になったという点では、今はすべて1人で対応することが難しくなりましたね。「RED」の場合、各生徒がタブレット教材を使って自主的に学習を進めていき、わからないポイントがあったらこちらからヒントを教える形で理解を促していきます。付きっきりで指導する必要がないため、これまでは私1人でも十分に対応できたのですが、生徒数が40名を超えた頃から20名定員の教室が満席になることも増えてきて、生徒が質問したいときに待たせてしまうシーンも出てきました。そこで現在はアルバイトを雇って、週3〜4日は2人体制で対応するようにしています。
もう1つ、生徒数が増える中で課題に感じているのは、基礎学力のない生徒にどのように対応するべきなのかということですね。例えば、小学校で身につけるべき基本的な計算方法を知らない中学生の生徒の場合、自立学習がスムーズに進まないという問題があり、思うように成績を引き上げられないジレンマを感じています。そういった生徒に対して、どういう体制で対応するのがベストなのか。今はその方針や対策を検討しているところです。

──なるほど、そういった新しい課題も出てきているんですね。開校から2年半が経ちますが、これまでを振り返ってどのように感じていますか?

前田:先ほどもお伝えしたように最初の半年は見込みが甘かった部分はありましたが、2年以上が経った今は、売上も生徒数も想定通りに推移している印象ですね。教室運営に関してもイメージ通りというか、負担が少なくて助かっています。特に講師アルバイトの確保やシフト管理に頭を悩ませる必要がないのが良いですね。経営的にも業務的にも満足していますし、「RED」に業態転換したことを後悔する気持ちはまったくありません。

──以前と比べて、仕事への向き合い方や考え方に変化はありましたか?

前田:シンプルに生徒に向き合う時間が増えましたね。「講師ありき」の塾経営の場合、どうしても「人材の確保」に気を取られてしまう面がありますが、「RED」では基本的に講師がいなくても運営できるため、自然と意識のベクトルが生徒に向きますし、時間的にも余裕を持つことができています。そうした環境に変わったことで、「生徒にどういう貢献ができるか」という使命感のようなものがより強くなったように思います。
また、生徒に接する時間が増えたことに加え、コミュニケーションの密度も濃くなったと感じています。生徒1人ひとりの学習の進捗や正答率などがデータで見えるので、会話の糸口がつかみやすく、より具体的な話がしやすいんです。以前は雑談レベルのコミュニケーションが中心でしたが、今は成績アップに直結するような声がけやアドバイスができている実感がありますね。

──働き方や生活面ではいかがですか?変化したことはありますか?

前田:「RED」では事務処理がシステム化されているためデスクワークに時間を取られることがなくなりましたし、何よりも人材採用の手間がないので労働時間は減りましたね。以前は週休1日で、毎日教室にいる時間以外にもやることが色々とありましたが、今は日・月の週休2日で、勤務時間は14時〜21時と規則正しい生活リズムに変わりました。時間に余裕が生まれたので、最近はジョギングしたり、ジムに行ったり、健康のために運動するようになりました。オンオフのメリハリがつけられるようになったことで心理的な負担もだいぶ減ったように思います。

──最後に、今後の目標を教えてください。

前田:事業的な今後の展望としては、まず金沢八景六浦教室の生徒数を60名程度まで増やすことが目標ですね。それから、次のステップとして複数の教室展開を目指したいと考えています。単純に規模を拡大したいわけではなく、私がこれまで教育業界で培ってきた経験を30代、40代といった次の世代に引き継いで、みんなで楽しく運営していきたいと思っているんです。「RED」であれば、信頼できる人材を1人、2人と育てることができれば実現可能な目標なので、ぜひ叶えたいですね。
そうした体制を整えることで、個人的には現場の第一線を離れて週休3日、週休4日のライフスタイルを送りたいと思っています。夢は、塾経営を続けながらサーフトリップをすること。週末になったらキャンピングカーで各地を回ってサーフィンをする。そんな生活を思い描いています。今の仕事を地道に続けることで、こうした目標も実現できると感じていますし、そのために何よりも大切なのは生徒の成績を上げることだと思っています。これからも生徒1人ひとりに真摯に向き合い、成績アップに貢献していきたいですね。

前田佳史さんのフランチャイズ独立ストーリーまとめ

  • 39歳で独立後、FCオーナーとして8年間個別指導塾を経営。次のステージとして、元々関心のあったスプリックスが運営に携わる「RED」に興味を持った。
  • 説明会や面談を通じて、「早く開業したい」という思いが強まった。採用関連のコストを抑えられる点も安心材料だった。
  • 開校から2年が経ち、売上や生徒数は想定通りに推移。業務の負荷も少なく、時間的にも心理的にも余裕ができた。

株式会社明光ネットワークジャパン(自立学習RED)の独立開業情報を見る

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RED 金沢八景六浦教室オーナー(教室長) 前田佳史(まえだ よしふみ)

大学では教育学部で学び、小学校の教員免許を取得。卒業後、アパレルメーカーに就職し、百貨店に対しての婦人服の営業を担当。その後、美容商材メーカーへ転職し、主に美容室向け商材の代理店営業として代理店へのサポートや美容室への提案業務に従事する。2012年、39歳のときに脱サラし、フランチャイズオーナーとして個別指導塾を開業。2022年に業態を転換し、「自立学習 RED」に加盟。8月に金沢八景六浦教室を開校し、現在はオーナーとして教室運営を担っている。
※取材時点の情報です

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