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公開日:2022/8/22
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フランチャイズの焼肉店開業のメリット・デメリットとは? 開業までの流れも詳しく解説

焼肉は、子どもから大人まで幅広い層の人に愛されている人気メニューです。家族や仲間との食事会、特別な日の御馳走としてなど、様々な場面で選ばれています。
近年のコロナ禍においては、換気の良さから影響をあまり受けない業態として注目されたこともあり、他の飲食業から乗り換えるケースが話題になっています。

この記事では、フランチャイズの焼肉店を開業する場合のメリットやデメリット、開業までの流れや成功のポイントなどを解説します。
これから開業を考えている方の参考になるかと思います。ぜひ最後までお読みください。

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フランチャイズの焼肉店とは

一口に焼肉店といっても、すでに多くの店舗が営業しており、現在では他店との違いを出すために様々な焼肉店が個性を競っています。
インスタ映えする肉や熟成肉といった特徴あるメニューを出しているお店、食べ放題を売りにしている焼肉店もにぎわっています。また最近では、一人でも気軽に利用できる一人焼肉のチェーン店も話題になっています。

そんな状況を見て、飲食業で独立を希望している人の中には、焼肉店の開業を考えている人もいるかもしれません。そうした場合、フランチャイズの仕組みを利用した開業が、経験やノウハウが限られる人には、有力な選択肢となり得ます。

フランチャイズとは、フランチャイズ本部が持っているノウハウや仕入れルート、ブランドを提供する代わりに、加盟者は本部に加盟金やロイヤリティを支払う仕組みです。
焼肉店の経営は、調理の手間がかからず人件費が抑えられて、効率の良い商売のように見えますが、実際に開業するとなると、肉の仕入先の確保や専用の排煙・空調設備が必要であるなど、難しい部分もあります。
フランチャイズに加盟することで、運営ノウハウや仕入れ先がない未経験者であっても、本部のサポートで開業の準備や、開業後の店舗の経営ができるようになります。

フランチャイズの焼肉店を開業するメリット

フランチャイズで焼肉店を開業する場合には、どのようなメリットがあるのか、確認しておきましょう。

未経験でも開業しやすい

フランチャイズに加盟すると、フランチャイズ本部がこれまで蓄積したノウハウを提供してもらうことができます。未経験で始める人にとって、ここが一番のメリットでしょう。
本部にもよりますが、開業支援や導入支援が手厚い本部の場合、きちんとした研修やマニュアルが用意されているので、開業準備からスタッフの採用、店舗運営や会計処理まで、本部の指導やサポートを受けることでスムーズに進めることができます。

とりわけ、 焼肉店の場合は肉の仕入れが非常に重要です。自分で仕入れ先を探して仕入れ交渉するとなるとかなりハードルが高くなりますが、フランチャイズに加盟することで、一定のクオリティのものが安定して供給してもらえるようになります。

また、焼肉店の店舗設備で特に大事とされる、無煙ロースターや七輪フードなど、排気・空調設備。専門性が必要とされるそうした設備選定に際しても、本部の知見を活かした店作りのサポートを得られることで、自分で業者を捜しまわったり、交渉したりする手間が不要になります。焼肉店を新規に開業するとなると、準備には多大な労力と時間が必要ですが、フランチャイズに加盟することで、未経験でも大きな支障なく進めることができます。

フランチャイズのブランド力を活用できる

フランチャイズ本部では、テレビCMや雑誌広告などを使って、あるいはSNSや口コミを通じてマーケティング活動をしていることも多く、加盟店は、本部がそうして培ったブランド力を活用できるようになります。

もし自分だけで新店舗を開業した場合、誰も知らないところからのスタートです。多くの人に認知してもらい、来店につなげて軌道に乗せるまでは大変な時間とお金がかかります。
本部のブランド力があれば、自分が新たにオープンした店舗でも、知っているお店として安心して利用してもらうことができ、すぐにお客さんを集めることができるでしょう。

開業後も事業成功に向け、本部のサポートを活用できる

実際に開業した後も、店舗を運営し、一つの事業を営むというのは課題と困難の連続です。決して上手くいくことばかりではないでしょう。そうした開業後の苦難に際して、個人店であれば経営者として一人で悩むことが多いであろうところを、本部のサポートを得られるというのは大きなメリットです。

特に、開業後のサポートに注力しているフランチャイズ本部であれば、多くの成功・失敗事例に精通したスーパーバイザーが臨店に際して、個人店経営であれば到底気づかないような点まで指摘、アドバイスをしてくれることもあるでしょう。そうした知見を的確に得られるのもフランチャイズの魅力です。
また、人的支援の他に、新メニュー開発やキャンペーンによる店舗支援に強みがあるフランチャイズもあります。マーケティングを駆使して、新たなトレンドの開拓やそれによるメニュー開発を行い、新メニュー投入のタイミングでキャンペーンプロモーションを実施するなど、そうした企画力でのサポートを実感することもあるでしょう。

以上のような本部サポートを通じた成功確度の高さもフランチャイズならではのアドバンテージ。
従って、サポート力を重視する本部選びに際しては、「スーパーバイザー(SV)はいるか?」「臨店の頻度は?」「どういうアドバイスを中心に行っているか」「新メニューの投入間隔は?」また「不振店の対策はどのように行っているか?」など様々に確認と質問を重ねて、開業後の支援力をよく見極めるというのも、重要な着眼点と言えるでしょう。

フランチャイズの焼肉店を開業するデメリット

フランチャイズに加盟することで大きなメリットがあることを紹介しましたが、その反面、いくつかのデメリットもあります。

自由な経営が難しい

フランチャイズに加盟すると、多くの場合、フランチャイズ本部の研修を通じて、接客から調理、スタッフ指導まで、本部が定めたマニュアルに沿った指導を受けます。未経験で始める人にとってはメリットですが、その反面、サービス提供や店舗運営方法が事細かに指定されているという点で、経営の自由度はかなり制限されます。

使う材料や調理方法、提供のタイミングまで細かく指定されていることが多く、お店独自のメニューや調理法は基本的に認められていません。仕入先も指定されているので、知り合いなどから安く仕入れるということもできないでしょう。価格を変更したり、本部によりますが独自のキャンペーンを企画したりといったことも制限されていることがほとんどです。
ある程度経験があると、自分のやり方でやってみたいという想いを持つかもしれませんが、フランチャイズ店で独自の経営をするということは難しい、と思っておいたほうがいいでしょう。

ロイヤリティを支払う必要がある

加盟者はフランチャイズ本部からのサポートを受ける対価として、毎月ロイヤリティを支払う必要があります。本部によって違いはありますが、だいたい売上の3%~5%程度というところが多いでしょう。
お店を経営していると、月によっては経費が多くかかり、ロイヤリティを支払うと手元に残るお金が厳しいという状況も考えられます。また、思ったような売り上げを上げられない場合には、ロイヤリティが経営を圧迫するかもしれません。

加盟する際には売上・経費・利益のシミュレーションを予めしっかり行い、ロイヤリティを支払ってもお店を回していけるかどうか、十分検討しておく必要があります。

風評被害を受けることがある

フランチャイズのブランドを使えるということは、すでに多くの人に認知されているというメリットがある反面、同じブランドの他店で不祥事が発生した場合に、風評被害を受ける可能性があることも考えておきましょう。

昨今では、アルバイトが起こした不祥事がSNSで拡散され、問題となったケースや、スタッフ対応の悪さが悪評を招き、業績にマイナス影響を及ぼしたケースなどが話題になりました。
まず、フランチャイズ本部選びに際しては、そうしたトラブルを想定、スタッフにまで徹底させることを視野にいれたマニュアルや研修が提供されているかなど、トラブルを想定した備えをちゃんと行っている本部かに注意を払いましょう。
その上で、自店でこうした問題を起こさないようスタッフ教育を徹底することはもちろん、自他店問わず、問題が発生した際には、どのように対応するかガイドラインを確認・設定しておくようにしましょう。

フランチャイズの焼肉店開業に必要な資金内訳

では、実際にフランチャイズに加盟して焼肉店を開業する場合にどういった費用がかかるのか、その具体的な内訳をみていくことにしましょう。

加盟金・保証金

加盟金は、フランチャイズに加盟し、フランチャイズ本部のノウハウやブランドを提供してもらうために支払う費用です。加盟時にのみ支払いますが、金額は業態によってかなりの幅があります。焼肉店のフランチャイズでは、200万~500万円が加盟金の相場です。
本部によっては加盟金ゼロとしているところもありますが、そういった場合には月々のロイヤリティが高めに設定されていることがあるので注意しましょう。

また、加盟金とは別に、保証金の支払いも必要になります。保証金とは、加盟店が月々支払うロイヤリティが滞った場合に補填するお金で、賃貸不動産の敷金のようなものです。契約が終了すると全額返金されます。

研修費

フランチャイズ本部では、加盟店がスムーズに店舗運営できるよう研修を行っており、この研修にかかる費用の支払いが必要です。研修費が加盟金に含まれている場合もあります。
研修では、座学によってオーナーとしてやるべきことや心得、店舗運営オペレーションの流れ等を学んだり、実際に店舗のキッチン、ホールを使って、仕込みや調理、接客などの指導を受けたりします。
また、本部によっては、スタッフの教育を本部が有償で対応してくれるケースもあります。

物件取得費・改装費

フランチャイズ本部によっては店舗を用意してくれるケースもありますが、そうでない場合は、自分で店舗物件を探して契約する必要があります。
店舗を借りるには、敷金、礼金、保証金といった物件取得費がかかります。
飲食店の開業において、店舗の立地は何よりも重要です。「駅から近い」「人通りが多い」といった条件が良いところはその分費用がかかります。また店舗の規模によって取得費用は大きく変動します。

その他に、内装や外装の工事、調理設備、先述した排煙・空調設備などを取り付ける改装費を用意しておく必要があります。
焼肉店の場合、煙や臭いを理由に入居が認められないケースも考えられます。また、排煙・空調設備などを設置することで、通常の飲食店と比較して費用がかさむことになります。
コストを抑えるために、居ぬき物件や機器のリースを検討してみるといいでしょう。

採用費・人件費

店舗を運営するためのアルバイト・スタッフの人件費や、採用のための求人広告費も必要です。どの時間帯に何人のスタッフが必要なのかを考え、どういった募集方法を用い、また求人広告を利用するのであればどこの媒体にどういった広告を出すのか検討しておきましょう。

そのほかの費用

上記費用の他に、開業告知のための広告費、什器等を揃える費用、POSシステムなど加盟店全店で共通するシステムを利用するための費用や、従業員用のユニフォーム購入費などが必要になる場合があります。
開業の初期費用は想定していても思わぬところでかかることが多いため、シビアに見積もりしておくことが重要です。無駄な支出は避けつつ、必要性が高いと見込まれる費用は漏れなく洗い出せるよう努めましょう。

また、ここまでに挙げた開業時の初期費用だけではなく、前述したロイヤリティのほか、月々の家賃や光熱費、通信費といった運転資金も当然計算に加えておく必要があります。
開業後の売上・収益が好調なパターンだけでなく、不調なパターンなど複数パターンを想定した現実的な収支・資金計画を立て、自身の生活費を含めて、開業後半年程度の運転資金を確保しておくことが推奨されます。

フランチャイズの焼肉店を開業するまでの流れ

フランチャイズへの加盟を検討してから実際に焼肉店を開業するまでの流れを、段階ごとに詳しくみていきます。

1.フランチャイズ本部の選択

まずは、焼肉業態でフランチャイズを募集しているフランチャイズ本部の情報を収集します。フランチャイズを紹介している情報サイトや、展示会、本部のウェブサイトなどを通じて情報を集め、気になるものがあれば資料を送付してもらいます。

本部を選択するポイントとしては、商品力や事業コンセプトのほか、店舗展開数、研修や開業後のバックアップ体制、集客支援があるかどうか、企業理念に賛同できるかどうかなどを総合的にチェックして検討するといいでしょう。

2.説明会参加

候補となるフランチャイズ本部が見つかったら、実際に各本部が主催する説明会に参加し詳しい話を聞いてみます。本部では定期的に説明会を開催しています。気になる点や不明なことがあれば、その場でどんどん質問しましょう。

3.事業計画検討・契約

加盟するフランチャイズ本部が絞られたら、開業・事業計画の検討に入ります。具体的には、過去実績に基づいた本部から提示される収支予想、シミュレーションをもとに、必要な資金計画や開業・事業計画を練っていきます。

この時大切なのは、本部が作成したシミュレーションや事業計画をうのみにせず、自分自身でも調査・情報収集や独自の試算を行い、本当に納得できる収支・事業計画を作成することです。この段階である程度出店可能エリアが示されている場合などは、実際に自分の目で見、足で歩き、実際に感じた体感もシミュレーションに加味する。また、計画の作成に際して感じた疑問点は、一つ残らず本部担当者に確認するなど、理解・納得が行き届くまで調べ尽くすことが重要です。

確かな納得と共に加盟を意思決定できたら、フランチャイズ本部と本契約を締結します。

4.開業準備

本契約後は、開業に向けて実際の準備を進めていきます。店舗物件の調査と契約、店舗内外装の改修工事、什器の準備、スタッフの募集採用・研修といったように、開業までにやることは、山のようにあります。本部のサポートを受けながら、効率よく進めていきましょう。

5.焼肉店開業

準備期間を経て、いよいよ開業日を迎えます。ここからが事業運営の本番スタートです。

フランチャイズの焼肉店に必要な資格や届け出

フランチャイズの焼肉店を開業する際に必要な資格や届け出にはどのようなものがあるのかを確認しておきましょう。

飲食店営業許可

営業開始予定日の少なくとも2~3週間前までに、出店地域を管轄する保健所で手続きをしておく必要があります。
営業許可の申請をするには、食品衛生責任者が選任されていること、厨房やトイレ等の設備が条件を満たしていることが必要になります。

食品衛生責任者

飲食店営業許可を得るためには、食品衛生責任者の資格を持つ人が1名必要になります。
食品衛生責任者になれるのは、以下のいずれかです。

・食品衛生責任者養成講習会を受講した人
・栄養士や調理師などの資格を保有する人

食品衛生責任者は、上述の営業許可申請までに選任、あるいは資格取得しておかなければなりません。万が一、それまでに間に合わない場合には「後日講習を受けて資格を取得・書類提出する」旨の誓約書を提出して一旦代替するという方法もあります。
※詳しくは管轄保健所、あるいは食品衛生協会に確認ください

防火管理者

収容人員が30人以上のお店については、防火管理者が必要になります。消防署などが実施する講習会を受講し、営業開始までに消防署に防火管理者選任届を提出します。

フランチャイズの焼肉店を成功させるポイント

フランチャイズ本部は、ノウハウやサポートは提供してくれますが、成功を保証してくれるわけではありません。責任は基本的に自分で負わなければならないのです。フランチャイズの焼肉店を開業して成功させるにはどのようなことに注意すればいいでしょうか。

入念に収支をシミュレーションする

まずはなにを置いても、事前の入念な収支シミュレーションと、それに基づいた資金計画、開業・事業計画が肝要です。前述の通り、良いパターンだけでなく、悪いパターンも考慮、且つそれぞれをさらに細分化するなど複数パターンの収支シミュレーションを行い、計画に加味していきます。

特に資金計画については、あまりにも運転資金がギリギリ過ぎると、開業後、想定外の事態に対応できないばかりか、心理的にも大きな負担となり得ます。必要に応じては、各種助成金はもとより、公庫(日本政策金融公庫)の創業融資など、開業時だからこそ利用できる資金調達方法も検討し、資金にある程度の余裕を持たせておくことも選択肢の一つです。

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立地や物件は慎重に選ぶ

飲食店事業において、味やサービスは重要ではありますが、何よりも立地条件によって売り上げが大きく左右されます。一度開業すると簡単に場所を変えることはできませんので、店舗選びは慎重に行う必要があります。

もちろん条件が良くなればその分費用がかかりますので、限られた中での選択となります。前述したように、コストを抑えるためには居抜き物件も検討してみるといいでしょう。
フランチャイズ本部で探してくれるケースもありますが、加盟者側は本部が選んだからといって簡単に受け入れず、十分にチェックしてから契約するようにしましょう。

清潔感を重視する

飲食店では清潔感が非常に大切ですが、焼肉店では生ものを扱うことから、なおさら清潔でなければなりません。油がはねてテーブルがベトベトしていたりするようなのはもっての外。お客さんの評判に直結します。日頃からお店のクレンリネスを徹底することを、スタッフにもしっかり教育しておく必要があります。

また、万が一、自店が原因で食中毒が発生すると、営業停止処分を受ける可能性もあります。衛生面には十分に注意をすると同時に、賠償責任保険の加入を検討するなど、いざという時に備えておくことも必要です。

まとめ

焼肉は長年に渡って、幅広い年代で人気のメニューです。コロナの影響が少なかったことや、新業態が話題となったこともあって、焼肉店は今後も注目の業態となっています。

焼肉店を新たに開業することはいろいろと大変ですが、フランチャイズの仕組みを活用することで、これまで経験がない人でもスムーズに進めることができるでしょう。
もし自分でも取り組んでみたいと考えているのであれば、成功確度を高めるため十分な情報収集と準備をしておくことが大切です。

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