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公開日:2022/5/19
フランチャイズの基礎

検討前に知っておくべきフランチャイズのメリット・デメリットとは?

独立・開業の代表的な方法の1つであるフランチャイズ。その仕組みを詳しく知らない人でも、なんとなく「個人で独立・開業するよりも簡単にできそう」「未経験でも始めやすいのでは?」といったイメージを持っているかもしれません。もちろん、フランチャイズにはメリットもあればデメリットもあります。これから本格的にフランチャイズへの加盟を検討する前に、ぜひ知っておいてほしいフランチャイズのメリットとデメリットをご紹介します。

検討前に知っておくべきフランチャイズのメリット・デメリットとは?

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フランチャイズとは?

まずは、フランチャイズがどんな仕組みなのか知っておきましょう。
フランチャイズとは、個人や法人がフランチャイズ本部(フランチャイザー)に対して加盟金やロイヤリティを支払うことで、商標・商号(ブランド)の使用権や商品・サービスの販売権、本部からのノウハウ提供や経営指導を得る仕組みのことを言います。シンプルに表現すると、お金を払うことで「すぐに事業が始められるパッケージ一式を購入する契約」とも言い換えることができます。購入する側を加盟店(フランチャイジー)と呼び、フランンチャイズ本部と加盟店全体を指して「フランチャイズチェーン」と言います。
一般的には本部が用意したプランに加盟店が合意することでフランチャイズ契約が成立します。加盟店はあくまでも独立した事業者のため、契約上は本部と対等な立場になります。そのため、消費者を保護するクーリング・オフ(一定期間内であれば消費者の都合で契約を無条件で解除できる制度)や、労働者の権利を守る労働法などは適用されません。

フランチャイズの6つのメリット

では、フランチャイズにはどんなメリットがあるのでしょうか。個人で独立・開業する場合とも比較しながら、その利点を確認していきましょう。

本部から立ち上げ支援やノウハウ提供、経営指導が受けられる

フランチャイズに加盟する一番のメリットは、何と言ってもフランチャイズ本部から多彩なサポートを得られることです。本部の実績やリサーチに基づくノウハウや知見をもとに、さまざまな支援を受けながら開業準備や事業運営を進められる点は、個人での独立・開業と大きく異なるポイントと言えます。その範囲や内容は本部によって違いがありますが、一例を挙げると以下のようなサポートを受けることができます。

▼開業準備
・事業計画のアドバイス
・物件の立地調査や紹介
・業者の紹介
・設備・備品の指定 など

▼事業運営
・マニュアルの提供
・税務・会計・法律関連の指導
・業績向上に向けた指導・アドバイス
・人材教育・研修 など

また、本部を通じて他の加盟店の成功例などを参考にできる点も、ノウハウ提供の一種と考えて良いでしょう。こうした手厚いサポート体制のもと事業運営に専念できることが、
・未経験でも始めやすい
・個人での独立・開業と比べて成功する確率が高い
といったメリットにもつながっています。

サービス・商品を自前で開発する必要がない

商品開発についてはフランチャイズ本部が一手に担ってくれるので、提供するサービス・商品をイチから考える必要はありません。既存のサービスや商品を利用できるため、商品開発に時間的・金銭的なコストをかけず、迅速かつ低リスクで事業を立ち上げることができます。この点は代理店ビジネスとも共通するメリットと言えます。

名の知れたブランドの「看板」を利用できる

すでに世間に広く認知されているブランド名やロゴなど、いわゆる「看板」を利用できる点もフランチャイズの大きなメリットです。看板の大きさ=ブランド力は集客に大きく影響する要素のため、ブランド力があるフランチャイズチェーンに加盟することによって事業をいち早く軌道に乗せられる可能性が高まります。大手であればあるほど、このメリットのインパクトは大きくなります。

本部が広告宣伝や販促活動を担ってくれる

上記の「看板」を利用できるというメリットとも関連しますが、大手のフランチャイズ本部ではプロモーションなどの集客活動に非常に力を入れています。テレビコマーシャルなどの大々的な広告を継続的に展開している本部も珍しくありません。もちろん、集客に関しては加盟店側も努力する必要がありますが、広告宣伝や販促活動の大部分を本部が担ってくれるのはフランチャイズのメリットと言えるでしょう。ただし、新興のフランチャイズ本部や規模の小さな本部では、このメリットが期待できないこともあります。その場合は、本部としてどのような方法で集客や顧客開拓を行っているのか、具体的な手法や方針をしっかりと確認することが大切です。

仕入れコストなどを抑えられる

個人で独立・開業する場合と異なり、フランチャイズではチェーン全体のスケールメリットを活かすことができます。例えばフランチャイズチェーンでは、商品や材料を本部が一括で仕入れて加盟店に供給することが一般的です。加盟店が個別に仕入れ先を確保する必要はなく、チェーン全体で大量に取引することによって個々の加盟店は安価かつ安定的に質の良い商品や材料を仕入れることが可能です。また、本部と信頼関係のある業者を紹介してもらうことで、施工費用や設備費などの金銭的な負担を抑えられる場合もあります。

金融機関からの融資が受けやすくなる場合もある

独立・開業時の資金を用意する手段として、金融機関からの融資を利用する方法があります。融資の審査に通るために大切なのは、何よりも信用です。フランチャイズであろうと個人開業であろうと、事業計画の信頼性はもちろん、これまでの自身の経歴や資金力なども重視されます。そのため、単純に「フランチャイズなら融資が受けやすくなる」と言えるわけではありませんが、大手や評判の良いフランチャイズチェーンの場合は本部自体の信用が高いため、融資審査にプラスに作用することもあります。中には本部が懇意にしている金融機関を紹介してくれるケースもあり、その場合は個人で申し込むよりも審査が通りやすくなる傾向があります。また、政府系の金融機関である日本政策金融公庫には、フランチャイズへの加盟予定者を対象とした融資制度も用意されています。
その一方、金融機関に「フランチャイズ本部に依存している」という印象を持たれてしまうと、マイナス評価になることも考えられます。なぜフランチャイズで独立・開業するのか、なぜそのフランチャイズ本部を選んだのか。事業の目的や戦略をきちんと自分の言葉で説明する必要があります。

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フランチャイズの6つのデメリット

続いて、フランチャイズにはどんなメリットがあるのか見ていきましょう。ここでは6つの項目をご紹介します。

運営の自由度が低い

運営の自由度が低いことが、フランチャイズの一番のデメリットと言って良いでしょう。フランチャイズではチェーン全体のイメージや統一感が優先されるため、ノウハウの提供やブランドの使用権を得られる代わりに、フランチャイズ本部が定めるルールや方針に沿って事業を運営することが求められます。本部によって許容される範囲は異なるものの、一般的に個々の加盟店の裁量は制限され、自由にアイデアを活かすことはできません。

一例を挙げると、
・店舗の外装や内装は規定のルールに従う
・取り扱うサービスや商品はアレンジできない
・価格は変更できない
・指定品以外の備品・設備は使用できない
・仕入れ先は本部が指定する業者に限られる
・営業時間や休業日を変えられない
といった制限が設けられることが一般的です。

そのため、フランチャイズでは店舗ならではの個性や独自性を出すことが非常に難しいと言えます。その点をデメリットと感じない方には向いていますが、「自分のアイデアを経営に反映させたい」「すべて自分の裁量で意思決定したい」という志向の方には適さないかもしれません。

ブランドイメージに大きな影響を受ける

認知度の高い「看板」を利用できるメリットの裏返しとして、チェーン全体のブランドイメージに大きく影響されるデメリットがあります。昨今、スマートフォンやSNSの普及に伴って、従業員による不適切な写真や動画がインターネットに投稿され、いわゆる「炎上」するケースが少なくありません。自分とは関係のない店舗の不祥事や本部の不始末等によってフランチャイズチェーン全体のブランドイメージが損なわれ、自店の集客や売上が落ち込むこともあり得ます。
フランチャイズで独立・開業する場合は、個人の責任・力量とは関係ないところで経営が左右されるリスクがあることを頭に入れておきましょう。その影響を極力小さくするためには、チェーンのブランドに頼りきるのではなく、自身でもサービスの品質を高く保ち、お客様や近隣住民と信頼関係を構築する努力を欠かさないことが重要です。

加盟金やロイヤリティが発生する

加盟店は本部からノウハウやブランド力を借りる対価として、加盟金やロイヤリティを支払わなくてはいけません。加盟金は加盟時に支払うもので、開業にかかる初期費用の1つです。ロイヤリティはシステム利用料や会員費と呼ばれることもありますが、毎月定められた金額を本部に支払う費用のことを指します。売上に関係なく一定金額を支払う方式のほか、売上や利益に比例して金額が変動する方式などがあります。
加盟金やロイヤリティはフランチャイズならではのコストなので、個人での独立・開業と比べると「費用の負担が大きくなる」という側面はありますが、さまざまなメリットを享受するための必要経費と考えると一概にデメリットと言うこともできません。大切なのは、そのコストが適正なのかきちんと見極めること。事前に加盟金やロイヤリティの支払いを踏まえた資金計画や事業プランを立てて、シミュレーションしてみると良いでしょう。

自由に廃業や事業転換をすることができない

フランチャイズ契約には契約期間が定められています。短い場合は1年、2年というケースもありますが、3年〜5年であることが一般的で、業態によっては10年以上と長期にわたるケースもあります。もちろん、ほとんどの場合は契約書に中途解約の条項があり、契約期間内であっても解約は可能です。ただし、通常は中途解約できる条件が細かく規定されており、違約金や損害賠償金が発生します。経営状態が良くないからと言って、無条件で廃業や事業転換をすることができないのはデメリットの1つと言えます。フランチャイズを検討する際は、こうしたリスクも踏まえて契約内容をしっかりとチェックしましょう。特に未経験の分野で独立・開業する場合は、中途解約の制限が少ない、あるいは契約期間の短いフランチャイズを検討することをオススメします。

契約終了後も同業態の事業が営めないことがある

フランチャイズ契約では、本部が持つノウハウの流出防止と他加盟店の利益保護を目的として「競業避止義務」が盛り込まれることが一般的です。これは加盟店が同業態で事業を営むことを禁止する規定で、契約期間中はもちろん、契約終了後も一定期間にわたり適用されます。規定に反した場合は、違約金の支払い義務が発生することもあります。フランチャイズ契約終了後もしばらくは自由な事業活動が制限され得ることを踏まえて、見合ったノウハウや支援が十分に得られる本部なのか見極め、将来の事業展開やライフプランを考える必要があるので注意しましょう。

事業者としての主体性が育ちにくい

本部や契約によって内容は異なるものの、本部からさまざまなサポートを受けられるのがフランチャイズの最大のメリット。一方で、常に周りから支援や指導をもらえる環境であるがゆえに事業者としての主体性が育ちにくいという一面があります。フランチャイズの加盟店は独立した事業者であり、本部から雇用されているわけではありません。ビジネスパートナーとして本部からフランチャイズパッケージの提供を受け、それを活用して事業運営を行う経営者。それが加盟店の立場です。しかし、中には本部の手厚いサポートに甘え、経営者としての意識を欠いてしまうケースも見受けられます。事業運営に関して他責的になり、結果として経営がうまくいかないことも珍しくありません。フランチャイズで独立・開業する場合も、自分が経営の責任者であることを自覚し、「本部の力を借りても、依存はしない」という心構えを持つことが重要です。

フランチャイズを検討する際に大切な3つのポイント

多くのメリットがある一方で、デメリットもあるフランチャイズですが、業態や本部によってフランチャイズパッケージの内容はさまざまです。多彩な選択肢がある中でスムーズに検討を進めるために、心がけるべき3つのポイントをご紹介します。

独立・開業の目的や自身の優先順位を明確にする

まずは自分が独立・開業を志す目的や、その優先順位を明確にしましょう。例えば、独立・開業の目的が「将来にわたって安定した収入を得ること」という場合、さまざまなサポートを得られブランド力も利用できるフランチャイズは有力な選択肢になり得ます。「安定収入」を最優先に考えれば、「運営の自由度が低い」というデメリットは大した問題ではなく、人によってはデメリットにすら感じない可能性もあります。一方、「すべて自分の裁量で意思決定したい」と考えている人にとって、フランチャイズは適した方法とは言えません。「自由」を重視するのであれば個人での独立・開業が有力な選択肢となりますが、中には「自由」を求めつつも、自力で独立・開業する自信がないという人もいると思います。その場合は、比較的自由度の高いフランチャイズ本部を探してみると良いでしょう。
このように独立・開業の目的や自身の優先順位をハッキリさせることでメリットやデメリットの捉え方は変わります。後悔しない独立・開業を実現するためには、自分に合った方法やフランチャイズ本部を見極めることが何よりも大切です。まずは目的や優先順位を整理し、自分の中で「選択の基準」を明確にしましょう。

本部のサポート内容を正確に把握する

フランチャイズの最大のメリットは、本部からさまざまなサポートを得られることですが、その内容は本部によって異なります。コンビニなどの大手フランチャイズチェーンではSV(スーパーバイザー)による手厚い支援が見込める一方、新しいフランチャイズ本部の場合はマニュアルすら用意されていないこともあり得ます。万が一期待していたサポートを受けられない場合、独立・開業の準備や事業運営に支障をきたすこともあります。そのような事態に陥らないために、セミナーや個別面談などを通じてどのようなサポートをどのくらい受けられるか、具体的な内容を細かく確認することが大切です。正確な内容を把握した上で、加盟金やロイヤリティに見合うサポートを受けられるのかしっかりと吟味しましょう。

契約条件は入念に確認する

フランチャイズは、契約に基づく本部と加盟店の商取引です。内容は本部ごとに異なりますが、さまざまな義務や規定があり、双方がそれを遵守する必要があります。当然、「知らなかった」は通用しないため、ゆくゆくトラブルにならないように契約条件は念入りに確認するようにしましょう。特に、デメリットのところでも触れたロイヤリティや契約期間、競業避止義務、途中解約、違約金・損害賠償金に関する内容は正確に理解することが重要です。 
もし、契約書を交わす際に少しでも不安や不明点がある場合は、本部に確認を取ることはもちろん、必要があれば弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。独立した事業者としての責任と自覚を持ち、あらゆるリスクに備えて慎重に準備を進めてください。

フランチャイズ契約とは?知っておくべきフランチャイズ契約の基礎知識と注意すべきポイント

フランチャイズのメリット・デメリットのまとめ

ここまでフランチャイズのメリットとデメリット、フランチャイズを検討する際に大切なポイントをご紹介してきました。フランチャイズについての基本的な知識や、検討時に必要な心構えなどを理解していただけたのではないでしょうか。本部からさまざまなサポートを受けられる代わりに、事業運営の自由度が制限される。それがフランチャイズの特徴と言えます。独立・開業の目的や志向によって向き・不向きのある方法ですが、自力で独立・開業する自信がない方や、未経験の分野にチャレンジしたい方は一度検討してみることをオススメします。多様な業態があり、契約内容もさまざまなので、ぜひ比較検討しながら自分に合ったフランチャイズ本部を見つけてください。

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