フランチャイズ(FC)の意味とは?
はじめてでもすぐわかるフランチャイズでの独立・開業のすべて
最終更新日:2024年2月8日
「フランチャイズ(FC)」とは、本部(フランチャイザー)と加盟店(フランチャイジー)が契約を結び、加盟金やロイヤリティを支払うことで、商標の使用権や商品・サービスの販売権、経営サポート等を得られる仕組みです。「独立開業」をしたいけれど、専門知識やノウハウがない。そんな人におすすめしたいのが「フランチャイズ」への加盟です。
この記事では、フランチャイズ(FC)の意味や仕組みから市場データ、開業・独立の心得、メリット・デメリットや、開業までの流れ、資金についてなど、フランチャイズでの独立・開業について詳しく解説していきます。
フランチャイズとは? その市場規模は約27兆円!
まずはフランチャイズの意味と仕組みについて解説します。
前述したように「フランチャイズ」とは、本部と加盟店が契約を結び、加盟金やロイヤリティの対価として、事業運営に関する様々な権利や経営支援を受けられる仕組みです。
加盟店は、本部が培ってきた経営のノウハウを活用できるため、個人事業や法人設立にチャレンジするよりも安心感があり、短期間で独立開業に踏み出すことができます。
2022年度「JFAフランチャイズチェーン統計調査」によると、コンビニエンスストアやレストランをはじめとしたフランチャイズチェーンの売上高は26兆9,880億円で、昨年より1兆1,071億円増(+4.3%)と、2年連続でプラスとなりました。
また、国内のフランチャイズチェーン数は、1,282チェーンで、前年比△0.3%(4チェーン減)。国内の総店舗数(直営店と加盟店の合計)も24万9,316店舗で、△0.4%(972店舗減)と、どちらも3年連続減少しています。
2022年度は、切迫した海外情勢に端を発した、原材料不足や原油価格高騰、円安、コスト・物価上昇など、国内消費を抑制する厳しい消費環境が続く中、前年よりもフランチャイズチェーン数・店舗数は減少しました。一方で、2022年3月21日までですべての都道府県でまん延防止等重点措置(まん防)が終了するなど、経済活動の再開を模索する動きに伴い、多くの業界で復調の兆しが見られ、フランチャイズチェーン全体の売上は増加する結果となりました。
意外に幅広い「フランチャイズ」の業種
「フランチャイズ」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、街でよく見かけるコンビニエンスストアの大手チェーンですが、ほかにも「フランチャイズ」を展開している業種は多くあります。ラーメン店、定食店、弁当店、レストランなどの飲食店、学習塾や各種スクール、ハウスクリーニングや修理業、理美容店やエステサロン、介護サービス、買取販売業など、ジャンルも広範囲。自分の得意不得意だけでなく、どんな仕事にやりがいを感じるかなど、個性にあった「フランチャイズ」も見つけやすく、業種の選択肢はどんどん広がっています。
フランチャイズの店舗があふれているエリアも少なくない
同調査をもとに業界別に動向を見てみると、小売業全体では、チェーン数は△2.6%(8チェーン減)、店舗数は+0.7%(701店舗増)、売上高は +4.2%(8,059億円増)となりました。そのうち、コンビニエンスストアでは、各社で冷凍食品やプライベートブランド商品の充実を始めとした、既存店売上を重視した施策を実施した結果、店舗数は△0.2%(93店舗減)、売上高は+3.7%(4,075億円増)となりました。
外食業では、2022年3月にまん延防止等重点措置が全国的に解除されて以降、復調傾向に。原材料費やエネルギーコストの高騰、人手不足など課題は多いものの、店舗利用機会の増加や、インバウンド需要の段階的な回復に伴い、チェ-ン数△0.4%(2チェーン減)、店舗数△1.7%(895店舗減)、売上高は+7.4%(2,734億円増)という結果になりました。
サービス業では、チェーン数+1.4%(6チェーン増)、店舗数△0.8%(778店舗減)、売上高+1.0%(278億円増)となっています。
フランチャイズって儲かるの!?開業歴5年以上のベテランフランチャイズオーナー40人に聞いた「経営」と「収入」の実態とは?
フランチャイズでの開業の心得 本部は対等な“ビジネスパートナー”
知識もアイデアもないけど独立開業したい! その答えが「フランチャイズ」です。「フランチャイズ」システムはパッケージ化されているので、専門知識がなくても経営ノウハウが得られるのが最大の強みです。
一般的には、加盟金を支払って加盟店契約を結ぶと、開業準備用の教育研修や経営マニュアルが本部から提供され、継続的に販売する商品の供給や経営指導が行なわれます。
ただし実際に経営にかかる費用――店舗物件代、従業員の人件費、各種経費は加盟店の負担。契約を結んだ本部と加盟店は、対等なビジネスパートナーとして、経営理念を共有しながら歩んでいくのです。
フランチャイズ=成功と思い込まない
「加盟金を払うのだから、本部が全てやってくれる」と思い込み、加盟したからすぐ事業が成功するだろうと安心してはいけません。本部と加盟店は、対等なビジネスパートナー。加盟契約を通じて、お互いが信頼し合い、業績アップに向けて努力しあうことが大切です。
事業を運営するのは自分自身です。具体的なビジョンを持って、自分が自主的に働いている姿を想像できないようではいけません。その仕事にしっかりと愛情を持つことで、フランチャイザーとしての成功に近づけることでしょう。フランチャイズもひとつの個人事業なので、多少なりとも自己責任が伴います。
加盟したからには、本部の経営理念に則る
本部は、加盟店にさまざまなノウハウや経営に必要な物資を供給してくれますが、同時に加盟店は、本部のコンセプトに則った運営を心掛けなければなりません。
フランチャイズ契約を結ぶということは、本部の経営理念に賛同すること。本部が加盟店を信頼するからこそ、ブランドとしてのチェーン店名を加盟店に任せるのです。独自開業のように、自分の考えで勝手に店構え、品揃えを変えることはできません。独自開業に比べて、自由度が高くないのもフランチャイズの特徴です。
マニュアルを守りながらも創意工夫を
加盟店自身の事業に対するモチベーションが低くては、いくら売上が上がるようなフランチャイズ本部のサポートが手厚くても、経営が上手くいくわけはありません。同じ店構え、同じ商品やメニューを扱うチェーン店でも、店舗によって従業員のやる気や居心地の良さに違いを感じることは多いはず。
たしかにフランチャイズは独自開業よりも自由度は低いかもしれませんが、さまざまな条件下でも、その中で創意工夫できることはたくさんあります。本部から提供されたマニュアルを、消極的な気持ちでただこなすだけでは、やる気も低下していきます。
どういう店にしたいのかという、自分なりのビジョンでよりよい店舗作りを心掛けることが、フランチャイズを成功させる原動力になるのです。
フランチャイズのメリット・デメリット フランチャイズは万能ではない!
「独立開業」するにあたって、フランチャイザー本部からさまざまなサポートが受けられる「フランチャイズ」加盟は、「個人事業」や「法人」を立ち上げるよりも、その仕組み上、経営者としてのハードルは低めで、安心感があることはたしかです。
しかし、フランチャイズチェーンへの加盟にも、人によって向き不向きやメリット・デメリットは当然あります。独自開業とフランチャイズの違いをしっかり把握することが大切です。
フランチャイズ加盟のメリット
フランチャイズに加盟することの最大のメリットは、フランチャイズ本部からのサポートです。経営指導や研修など、開業前も開業後も継続して受けることができます。
事業に必要な商品や原材料などは直営店を含めた店舗全体で仕入れをするため、手間・価格ともに小さく抑えられる場合があり、サービスのノウハウも本部から提供されるので、加盟店側が新規に取引先を開拓する必要もなく、未経験の分野にも進出しやすいというメリットも。また、誰もが知るブランド力を利用できる点や、過去の店舗運営ノウハウから得た知見をもとにした最適な設備を利用できる点もあり、集客面で極端に困るといったリスクを軽減できるのも特徴です。おまけに商品開発や宣伝も本部が主導するので、加盟店は自分の店舗経営に専念することができます。
市場調査に基づいた本部の指導により、競合他社との価格競争にも、独立開業ほどは頭を悩ませることもないでしょう。実績のあるフランチャイズであれば、金融機関からの信用も得やすく、資金調達が比較的容易なため、いちから資金繰りをしなければならない独自開業よりも金銭的負担が少なく始められるのも、安心材料の一つ。他にも、開業資金の一部費用を本部が負担するプランが用意されているケースもあります。
顧客に安心してもらえるフランチャイズチェーンとしてのブランド力や知名度を活用、そのほか様々なアドバンテージを得た上で独立開業できるのも、「フランチャイズでの開業」ならではのメリットといえます。
フランチャイズ加盟で注意したいこと(デメリット)
素早く開業でき、経営に失敗する可能性が低いなど、良いことづくしに見えるフランチャイズにも、注意すべき点(デメリット)はあります。まず、なんと言っても「自由度」。
フランチャイズ本部が提示するノウハウは標準化、システム化されているので、独自開業に比べて、加盟店側が独自性を発揮する余地が少ないです。契約も一律なので個別の希望は通りにくいので、全てを自分で創意工夫したい人には、フランチャイズ加盟は不向きかもしれません。
また、本部の経営状態の悪化やトラブルによるイメージダウンの影響を受けやすいのも、全てが自己責任の個人開業とは違う点です。また契約内容によっては、売上が思うように上がらない場合でもロイヤリティを支払う義務が発生したり、契約途中で店舗を閉店する場合は、違約金を支払う必要があったりします。他にも、フランチャイズ契約を終了しても、一定期間は同業で開業できない(競業避止義務)など、さまざまな制限が付く場合もあります。本部選びにも、注意が必要でしょう。
フランチャイズと直営店の違いは?
フランチャイズチェーンには、フランチャイズ店と直営店の2種類があります。
「フランチャイズ」とは、これまでも説明しましたが、本部と加盟店が契約を結び、加盟金(ロイヤリティ)を支払うことで商標の使用権や商品&サービスの販売権を使用できるシステムです。
それに対して、「直営店」は本部が自社で直接店舗運営を行うことを指し、レギュラーチェーン(RC)とも呼ばれます。店舗や人、設備などすべて自社でまかないチェーン店を運営するシステムです。直営店は本部が運営するため、研修店舗となるなどフランチャイズ店の見本となります。
フランチャイズ本部側と加盟店側それぞれにメリット・デメリットがあります。様々な視点で検討し、ご自身に合ったフランチャイズチェーンを見つけましょう。
どんな人がフランチャイズに向いている?
このようにメリット・デメリットはさまざまですが、では実際に、どんな人がフランチャイズに向いているのでしょうか?
まずは「資産が足りない人」です。
独立開業するには「ヒト」=人脈、「モノ」=開業に向けた店舗や機材、「カネ」=開業準備資金など、必要な資産があります。それらが潤沢でない人にとって、フランチャイズシステムは大きな味方です。
次に、「とにかく独立したい人」です。
業種など、事業フィールドはともかく、とにかく現状を打破し、新たな人生を自分の手で切り拓きたいと考えている人にとって、フランチャイズは最適な方法だと考えられます。
独立開業はしたいけれど、「個人事業」や「法人」設立はハードルが高すぎると感じるならぜひ、どんなフランチャイズチェーンがあるのか、どんなシステムなのかをチェックしてみましょう。
自分に向いたフランチャイザーが見つかり、より独立開業に向けた具体的で大きなビジョンが描けるかもしれません!
フランチャイズ加盟を検討しているのは、どんなタイプの人?「独立・起業を考えた動機」などのアンケートから見えてきた典型的な人物像とは?
フランチャイズでの開業に必要な資金は? 必要な資金をしっかり把握しよう
初期費用は、業態や事業内容によってまったく違う
フランチャイズでの開業を考える際、まず必要となるのは本部に支払うべき資金。加盟金と研修費、さらに店舗取得に必要な資金とオーナーを含む従業員の人件費、広告宣伝費は必須といえます。
これらはフランチャイズチェーンごとにパッケージ化され、その内訳もさまざま。会社員時代の退職金でまかなえる規模の少額パッケージの業態もあれば、飲食業のように、融資を受けるなどして高額の設備投資が必要な業態もあります。開業後のロイヤリティも、フランチャイズによって差があるので、じっくり調べましょう。
フランチャイズチェーンを徹底調査!「ロイヤリティが高い」という世間のイメージは正しいのか、フランチャイズ本部の実態をデータで検証
資金面のサポートが受けられる場合も
開業に必要な資金について知りたい場合は、本部に問い合わせて、詳細を教えてもらうのが早道です。
例えばコンビニエンスストアのように、加盟者がすでに建物や土地を所有しているかどうかで、加盟形態が数タイプに分かれる場合も。それに応じて必要資金も異なります。
フランチャイズの代表格、コンビニエンスストア業界の研究・分析記事はこちら
加盟したいフランチャイズはあるが、どうしても必要資金が足りない場合は、融資をあっせんしてくれるなど資金面でのサポート体制が用意されていることもあるので、まずは本部に相談してみることです。
開業後、事業が軌道に乗るまでの間を見越して、資金面には余裕を持って臨みましょう。
フランチャイズ開業のプロセス 加盟の流れを知ろう!
情報収集して自分に合った業種・業態を選ぼう
フランチャイズといっても、業種や業態はさまざまです。よく知られているフランチャイズチェーン以外にも、調べてみると思った以上にバリエーションが多いことに気づくはず。
自分の興味のある業種はもちろんですが、これまで経験した仕事のスキルや個性をいかせるフランチャイズは、意外と多いもの。まずは広範囲な情報収集をすることがおすすめです。
まずは求人や起業を扱う雑誌や書籍、インターネットの転職系サイトなど比較的身近な情報源をチェック。多数のフランチャイズ本部が加盟している「 一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会」なども貴重な情報源になるはずです。
無料の説明会に足を運んで、体感しよう
ある程度の情報収集ができたら、個別のフランチャイズ本部の資料を取り寄せ、詳細を比較検討してみましょう。また、毎年3月頃には、国内最大規模のフランチャイズ展示商談会「フランチャイズ・ショー」が開催されます。
そのほか、各フランチャイズ本部が無料で開催する説明会にも積極的に足を運んでみてください。最新の情報や詳細な情報が入手できるだけでなく、文字資料では得られない、各フランチャイズの雰囲気も肌で感じられるはず。質問や疑問をぶつけるなど、担当者の生の声を聞くいい機会です。
聞いておきたい、先輩オーナーの声
説明会に参加して、これは! と思うフランチャイズ本部が見つかったら、本部を訪れて担当者と面談、面接を行なうことが大事です。契約条件に対する審査を受けて本契約への一歩を踏み出します。
これも、本部によってその内容や流れはさまざまなので、個別にチェックしましょう。契約条件がはっきりしたら、契約に向けて店舗の立地調査や物件の取得、事業計画書の作成などの具体的な作業に入ります。分からないことは、遠慮せずに本部と相談しながら進めていきましょう。
また、すでに経営している加盟店を訪れて、オーナーに実情を聞いてみることも大切です。自分のお店を持つ飲食店やコンビニエンスストアのオーナーのように、実際に経験した人にしか分からない、注意しなくてはならないことが見えてくるはずです。
加盟契約が済んだら、いよいよ開業!
すべての条件がクリアになったら、加盟契約を結びます。契約条件その他をいま一度、しっかりチェックしましょう。契約が完了したら、研修を受け、店舗の準備に取りかかります。細かい開業準備や進行はフランチャイズ本部によっても異なるので、本部と密に相談しながら進めたいもの。
フランチャイズ説明会・セミナーの参加 資料だけでは分からない情報を収集!
ネットや資料だけだと、実際はどうなのかが見えてこなかったり、疑問が出てきたりすると思います。そこでおすすめしたいのが、気軽に参加できるフランチャイズ説明会です。かなり頻繁に行なわれていますし、参加は無料です。
参加者も、フランチャイズでの起業を考え始めたばかりの人から、より具体的な情報を得たい人まで、意外なほど幅広い。漠然と悩んでいるよりも、思い切って参加してみたら、新たな気づきも多いはず。最近は家族連れで参加できる説明会や、休日を利用した説明会も増えているので、気軽に参加してみてはいかがでしょう?
フランチャイズ説明会は、どんな内容?
フランチャイズ本部や業種によって説明会の内容はさまざまですが、だいたいの流れは共通しています。一つはフランチャイズシステムや事業内容の説明。もう一つは、既存店の様子など具体的な事例の紹介です。
とくに具体例の紹介では、本当にそのフランチャイズが自分に合っているかどうかをチェックするチャンス。しっかり見極めましょう。説明会では、本部社員やプレゼンターに直接質問出来る時間も設けられていることが多いので、分からないことはしっかり聞いておきましょう。説明会は、抱えている不安や疑問を直接聞ける貴重な場なのです。
説明会の参加前に準備したいこと
いくら気軽に参加できるといっても、心の準備なしに参加しても、ぼんやりと話を聞くだけで終わってしまいます。できれば、参加するフランチャイズの資料やインターネットで情報を収集し、自分なりに知りたいこと、ポイントをまとめておくと、より有意義なものになるはず。
具体的な疑問点、不安点があれば書き出しておき、質疑応答の時間や個別相談で聞いてみましょう。また、希望業種で複数のフランチャイズ本部がある場合は、なるべく多くの説明会に参加することで、比較検討もしやすくなります。さらに余裕があれば、希望業種以外の説明会に参加することで、自分の新たな可能性を見つけられるかもしれません。
無料ですし、大切な人生の転機だからこそ、実際に足を運んでじっくり検討することをおすすめします。
セミナーでより具体的な事例を知ろう
個別のフランチャイズ説明会のほかにも、フランチャイズでの開業に役立つ情報を得られるのが、関係団体が開催するセミナーや講座です。
例えば「日本フランチャイズチェーン協会」では、フランチャイズ・ビジネス全体の成功ノウハウや、運営のノウハウ、法律的な手続きに関する技術などに関するセミナーを開催。無料、非会員でも参加できるものも用意されています。
また、独立・起業にまつわるセミナーを行なっている団体をチェックして、個別企業に依らない情報を入手するのも有益です。
フランチャイズ本部選びのコツとチェックすべきポイント
最終判断は「本部の考えに共感できるか?」
説明会や各種セミナーでの手応えや様々な情報を集めることで、自分が加盟したい本部として、いくつかの候補が挙がるはずです。
そこで、最終的には何を決め手に本部を選ぶかは、複数の観点からの総合的なチェックが必要。その前に必ず押えておきたいのが、フランチャイズ本部と加盟店の生の声です。
「資料ではこう説明されているが、自分のケースではどうなのか?」
「本部の経営理念やコンセプトに自分は共感できるのか?」
これらをきちんと把握することは、開業後のモチベーションにも大きく影響します。「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないためにも、本部や加盟店を直接訪問して、開業準備~開業後の経営について、より詳しく話を聞いておきましょう。
加盟する本部決定のためのチェックポイント
では、具体的にどんなことをチェックしておくべきかを見ていきましょう。加盟本部の決定には、本部自体の経営の安定度、企業としての信頼性、加盟店の収益の現状、過去のデータから類推されるフランチャイザーとしての将来性(売上見込みなど)、サポート体制の善し悪しなど、多角的な視点からチェックすべきです。
ここに挙げるいくつかのポイント、データの見方を参考に、自分が求めるビジョンに合うフランチャイズ本部を探しましょう。
成長の可能性を見極めよう
一つの目安として、「3年後の予測値」の規模をチェックしたい。加盟店の「対応立地数」も複数にまたがっているほうが、店舗展開がしやすいでしょう。既存店の成長率や閉鎖率もチェックポイントです。
成長速度を知る図る意味でも、出店スピードについて質問してみるのもいいでしょう。もちろん、フランチャイズ自体の知名度や地域における認知度の高さも、成長には大切な要素です。
高い収益が得られるか見極めよう
チェックしたい項目は、「営業利益率」と「投資回収期間」、「労働分配率」など。「営業利益率」はより高く、「投資回収期間」はより短く、「労働分配率」は低めであることが理想です。
ただし、「労働分配率」は経営形態によっても左右されるので、チェックには注意が必要。加盟店が本部に支払うロイヤリティが何%かも、比較検討してみましょう。
同業者に対する優位性を見極めよう
希望するフランチャイズの商品、サービス、メニューがオリジナルで評判がいいほど、同業他社に対して競争力が高いと判断できます。品揃えの善し悪しや在庫管理、トラブル回避に影響する“POSシステム”などの通信設備が完備されているかどうかもポイントです。
知名度があり、同じ地域で競合するフランチャイズが少ないほうが当然、有利なので、他店の出店数やフランチャイズ業態の展開状況をちゃんと把握しておくべきです。
サポート体制をしっかりチェック
加盟店のサポートを担当する「スーパーバイザー(SV)」が、どの程度までの範囲で協力してもらえるのかも、フランチャイズによって違います。
本部の連絡係だけなのか、経営に対するアドバイザー的な役割も果たすのかなど、細かいサポート体制の有無は事前にチェックしましょう。
また、担当店舗を月に何度回ってくれるのか、渡されるマニュアルにトラブル処理などの具体的な指示があるかどうかも、チェックしたいものです。広告宣伝のシステムなども把握しておきましょう。
信頼できる本部かどうか見極めよう
本部の信頼度の高さも重要なチェックポイントです。フランチャイズチェーンには「法定開示事項」というものが定められているので、詳細な契約内容や直営店の営業実績を情報開示していない、他の加盟店情報を教えてもらえないような本部では、安心して契約はできません。
また、企業によってはフランチャイズのシステムが組織化されていない本部もあります。専任の担当者がいたほうが、はるかに安心です。
まとめ
いかがでしたか? フランチャイズでの独立・開業と一口にいっても業種や資金などさまざまです。検討のために、まずは積極的に情報収集を行っていきましょう。